2014/11/11 特集

年末だからできるコト 大掃除のススメ

忘年会シーズンを迎える12月、店の大掃除は後回しになりがち。しかし、普段できない総点検を速めに行うことでプラスの効果も生まれるという。今回は、飲食のプロに大掃除の考え方やポイントをうかがった。

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忘年会シーズンを迎える12月、店舗の大掃除はついつい後回しになりがち。しかし、普段できない総点検を早めに行うことでプラスの効果も生まれるという。今回は、飲食店のコンサルティングを手がける株式会社アンドワークスの工藤昌幸氏に、大掃除の考え方や場所ごとに気をつけるべきポイントをうかがった。

まずは日々の清掃が大前提。年末はプラスαの総点検を

お話を聞いたのは 株式会社アンドワークス 常務取締役 兼 コンサルティング部部長 工藤昌幸氏
飲食店のコンサルティングを手がける株式会社アンドワークスで、コンサルティング部の部長を務める。飲食店における人材育成・組織作り、セミナー・研修の企画運営などに携わる。

飲食店の大掃除は12月前半までがベスト!

一般的な家庭では12月末に行うことが多い大掃除。飲食店も忘年会シーズンのあわただしいなか、年明けまでのわずかな時間で店舗の掃除を行うことも多いはず。しかし、株式会社アンドワークスの工藤昌幸氏は「飲食店の大掃除は忘年会前がベスト」と語る。「12月は1年で一番の繁忙期。店を盛り上げるために、営業に集中しなければいけません。そのためにはできれば11月中、遅くとも12月前半までに大掃除はもちろん、人材育成・オペレーションの見直しなど、総点検をして忘年会に備えるべきです」(工藤氏)。

もちろん日々の細やかな清掃は大前提。大掃除は日常の清掃の延長ととらえ、3つのポイントに気をつけながらプラスアルファの総点検をするべきだという。1つ目のポイントは、飲食店としての安全性に基づく「衛生面」。2つ目が"客からどう見えるか"の「清潔感」。3つ目がバックヤードなどの「見えない場所」。この3つを意識して、日常の清掃では行き届かない場所までチェックすることが重要になる。

チェックリストを作り、スタッフの自主性を促す

大掃除でありがちなのは短い期間で慌ててやるため、結果的に中途半端になってしまうこと。効率的に大掃除を行うためには、先ほどの3つのポイントに基づく掃除場所のチェックリストと、余裕のあるスケジュールが必要だ。

「例えばトイレであれば、便座、便座カバー、壁、照明など、項目を細かく設定したチェックリストを作ります。もちろん短期間では終わらないので、1カ月程度にわたってスケジュールを立て、計画表を貼り出しましょう。大掃除は計画性が重要です」(工藤氏)。店長や社員は繁忙期に向けて宴会の営業やメニュー作りなど、やるべきことは無数にある。そこで大掃除はアルバイトスタッフに任せるのが得策と工藤氏は提案する。

「最終確認は社員がするべきですが、しっかり計画表とチェックリストを作っておけば、自然とアルバイトが大掃除に取り組む仕組みができます。その際に重要なのが自主性を促すことです。一例としては、リストに名前を書く欄を設け、そこに、自主的に掃除をした人の名前を書き込む。そして、名前が多かった人に賞品をあげるなどの特典を付ける。そうするとスタッフ間で競争が起こり、モチベーションが上がります。もしリストに書かれた項目の掃除が終了したら、さらに細かい項目を足していけばいいのです」(工藤氏)。

ゲーム感覚ならばポジティブに取り組める。強制ではなく、楽しませることがスタッフの自主性を育むのだ。

では、具体的にどのような場所に気をつければよいのか。「ホール」「厨房」「トイレ」「その他」の4つに分けて確認すべきポイントを見ていこう。

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