魚撃 四谷店
東京 四谷 居酒屋
書道家オーナーの書と会員制度でファンを増やす
多くの居酒屋が軒を連ねる飲食店街に、30~40代のビジネス層を主なターゲットとして出店を決定。サラリーマンが多く、魚料理のニーズが高い立地と判断したオーナーの伊藤雅弘氏が、魚介を前面に出し、店名にも反映させて2010年11月にスタートした。
刺し身の盛り合わせは「3点盛り」「5点盛り」などを、実際にはそれ以上の魚種で提供したり、魚に続くキラーメニューとして「大山地鶏のねぎま串」(1本309円)を大きめのポーションにするなど、味はもちろん、ボリュームで楽しませることを重視。炭火の焼き場を備えたオープンキッチンでライブ感を演出するとともに、器の種類を豊富に用意して、料理がテーブルに並んだときに、目でも楽しんでもらえるよう、盛り付けにも気を配る。こうした豪快さと細やかさが同居するもてなしが好評で、徐々に客足を伸ばし、狙いどおり、男性のビジネス層を中心に多くの常連客を獲得している。
また、書道家としても活躍する伊藤氏の「書」を、前面に打ち出しているのも特徴。「最初はメニューを筆で書いていたのですが、ついでに思いついた言葉を書でしたためて貼ると、お客様が『おもしろい』と喜んでくれました」(伊藤氏)。そこで、天井や壁にくまなく“伊藤流”の格言を貼り出すと、来店客から「元気が出る」と評判を呼んだ。現在は、希望する客には書を書いた色紙をプレゼントしたり、宴会では、会の趣旨を予約時に聞き出し、それに沿った言葉やスローガンを書いた横断幕を作って宴席に飾るサービスも行う。さらに、この書のプレゼントをぐるなびのトップページで宴会特典として打ち出したところ、予約が増加。「場が盛り上がりますし、終了後は会社に持ち帰って貼ってくれたり、記念として大事にしてくれるお客様もいます」(伊藤氏)と、反響は上々だ。
一方、リピーターを獲得するために行っているのが、会員制度。入会は、名簿記入の場合は500円が必要だが、名刺交換の場合は無料とし、「ファーストドリンクと枝豆が一生無料」という破格の特典が付く。会員証はジョッキのミニチュアのストラップで、「身近なところに付けてもらい、店を思い出してもらいたい」と伊藤氏。会員になると、初来店の翌日や誕生日などの記念日には欠かさず挨拶やお祝いのメールを送付。あえて一斉メールにせず、一対一の付き合いで、つながりを強めている。
また、ドリンクでも特色を打ち出している。会員になると999円でハイボールが時間無制限の飲み放題で楽しめ、さらにプラス1円でサワーも飲み放題で提供。店内にセルフバーを設置し、好みのフレーバーで自由に作って飲んでもらう趣向にした。「新人スタッフがハイボールを作る作業を『おもしろい』と喜んでいるのを見て、思いつきました」と伊藤氏。オペレーションも軽減でき、その効果は期待以上だという。
そのほか、その日の雰囲気を見ながら不定期でイベントも実施している。スタッフがゲームを持って席を回り、勝った人にはビール1ダースを店にキープするなどの特典を付与。活気のある店づくりを進めるとともに、再来店のきっかけ作りとしても役立てている。
ここがポイント!
東京都新宿区四谷1-7-27 第43東京ビルB1
http://r.gnavi.co.jp/gadr700/