良質な黒毛和牛をリーズナブルに提供し常連客を獲得

焼肉亭 樽一-「おいしいものを安く」を信条に、上質の肉と笑顔の接客で地域一番店へと成長した焼肉店。ファミリーが増加傾向のため、セットメニューの種類を大幅に増やし、集客力がアップした。

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焼肉亭 樽一

大阪 堺 焼肉

26台まで入る駐車場があり、車での来店も多い。階段下の看板で店の売りをアピール

肉や野菜の仕入れにこだわり、豊富なセットメニューで集客

「おいしいものを安く」を信条に、上質の肉と笑顔を絶やさない接客で、地域一番店へと成長してきた「焼肉亭 樽一」。有限会社樽一 代表取締役の岡 昌樹氏は、1966年に母親が始めた南海電鉄堺駅近くの大衆酒場を24歳のときに引き継ぎ、焼肉専門店へ業態変更。1996年には隣の七道駅から徒歩5分の場所に、現店舗を構えた。

「当時、七道駅周辺は工場が多く、そこで働く人たちの宴会が中心でした。しかし、最近はどんどんマンションが建ち始めて、ファミリーも増えています」と岡氏。2012年には、より落ち着いた空間を目指して、隣のテーブルとの空間を仕切るイスの背を高くしたほか、奥の座敷席にパーティションを設置。また、セットメニューの種類を大幅に増やすなど、メニュー構成を一新したことで集客力が上がり、週末は常に満席の人気店となった。

同店の売りの1つが、良質の肉を低価格で提供できること。その背景には、全国の焼肉店の経営者で構成される事業共同組合「全国焼肉協会」の理事も務める岡氏が、精肉卸業者と密接な関係を築いてきた経緯がある。扱う牛肉はA4の九州産黒毛和牛を使用しており、岡氏は週に約3回、精肉卸店に足を運んで、仕入れる肉を自ら選別。「鹿児島県の出水市に自社牧場を持つ卸業者と取り引きしていることもあり、1年をとおして安定した価格で仕入れることができています」と岡氏は語る。

また、4~5年前から、サンチュなど葉物野菜は生産者と直接取引を行っている。「原価が高くても、味と品質にこだわりたいと考え、現在は佐賀県の工場栽培の野菜を採用しています。柔らかさも味も抜群で、お客様からの評判もいいですね」(岡氏)。

さらに、創業以来のレシピを守る焼肉用のタレや、樽漬けのキムチなど自家製の味にこだわることで、地元の常連客に長く愛される店になっている。

メニューでは、肉の盛り合わせがファミリーに圧倒的な人気。特に3~4名用の「和牛スペシャルセットA」(5,076円)と、上タン塩がつく「和牛スペシャルセットB」(5,940円)が、合わせて月間400~500食を売り上げるヒットメニューとなっている。

「ボリューム感があるので、お客様の満足度は高いと思います。また、様々な部位を盛り合わせたセットが多く注文されることで、部位の出数が偏らず、食材ロスも軽減されています」(岡氏)。

ランチは、客のニーズを聞きながら徐々にメニューを増やした。平日は、ロースとカルビ計150gがつく「焼肉ランチ」(1,080円)、土・日曜日は肉の組み合わせが3種類から選べる「和牛スペシャルランチA~C」(各2,000円)の人気が高い。

ぐるなびには2015年3月に加盟。現在、ぐるなびから月平均50~60件程度の予約が入り、宴会や新規の予約も増加したという。「売上も昨年対比で120%程度と、手応えを感じています」(岡氏)。

今後は「仕入れのノウハウを含め、後継者の育成が課題です」と岡氏。現在、次男の岡 哲司氏が店長を務めており、長男も兵庫県尼崎の焼肉店で修業中。後継者を育てつつ、新たな出店も視野に入れている。

ここがポイント!

月に500食出る「和牛スペシャルセット」
A4の黒毛和牛の様々な部位を盛り付けた「和牛スペシャルセット」(Aセット5,076円、Bセット/上タン塩付き5,940円)。月間約500食を売り上げる。
「自家製キムチ」はテイクアウトも可能
樽漬けの自家製キムチは、焼肉に合う味を追求して開発。リンゴなどの隠し味を加え、甘めの味付けに仕上げた。常連からの要望でテイクアウトにも応じている。
ファミリーから好評のテーブル席
落ち着いた雰囲気のテーブル席がファミリーなどから好評。2012年には、一部の席の仕切りになるイスの背を高くしたほか、奥の座敷席にはパーティションを設けた。
ぐるなび外国語版を店内でも活用
今年春には、増加している外国人客に対応すべく、ぐるなび外国語版に加盟。メニューページをプリントアウトして、外国人用のメニューブックとして利用している。
エリアの特徴
南海本線七道駅から徒歩5分の住宅街。かつて工場だった駅前の土地は、再開発によってマンションや大型商業施設の建設が予定されている。
焼肉亭 樽一
大阪府堺市堺区南島町1-1-5
http://r.gnavi.co.jp/e8z5mz880000/