2019/10/15 特集

飲む!食べる!楽しむ!体験する! 主役として、名脇役として―。 お茶、再発見!(2ページ目)

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自ら茶を淹れる体験と、様々な茶の飲み比べが若い女性も惹き付ける!

COIL[金沢・石川]

口コミがSNSでも拡散。「カフェ利用」のみもOK

利き茶スタンド 500円(料理とセットの場合。単品800円) 奥の台には8種類の茶、急須、湯飲みが、手前の台には茶釜が並ぶ。水出しの玉露、ほうじ茶、玄米茶も用意
  • 四角い茶釜は保温されており、湯は茶の適温に保たれている
  • 急須は鉄製と陶器製の2種あり、好きなほうを選べる

●「利き茶スタンド」の流れ

  • 好みの茶を選び、茶筒から スプーン2杯の茶葉を急須に入れる
  • お茶席のように、茶釜の湯をひしゃくですくい、そっと 急須に注ぐ
茶葉が開くまで待って湯飲みに注ぐと、香り高い茶が楽しめる

 地元住民の台所であり、人気観光スポットでもある金沢・近江町市場を臨むビルに、2018年11月に出店。「細巻き寿司」や「日本茶」を自分で完成させて食べる(飲む)、体験型レストランだ。「近年、金沢は外国人観光客が増え、必ずと言っていいほど近江町市場を訪れます。その目の前の場所で、日本の伝統的食文化を気軽に体験できる場をつくりたいと考え、『細巻き寿司』と『日本茶』に着目しました」と、ゼネラルストアマネージャー兼PR担当の宮本侑佳氏は話す。

ネタは魚介や野菜を中心に45種用意。具材を好みで組み合わせ、自分で巻く。皿の美しいビジュアルもポイントだ

 細巻き寿司(1490円~)は、金沢の伝統工芸・九谷焼の豆皿に盛った45種のネタから好みのものを5~8皿選び、海苔と酢飯で巻いて食べるスタイル。そして、寿司と相性がよい日本茶を自分で淹れる「利き茶スタンド」(500円)をセットにしている。「利き茶スタンド」は、店の一角に銅製の茶筒、急須、湯飲み、茶釜が整然と配置されており、「好きなお茶を、好きなだけ楽しめます。現在は、金沢棒茶、深蒸し茶、玄米茶、煎茶のほか、黒豆茶、豆入り番茶、しょうがほうじ茶などの変わり種もラインナップし、全8種。カフェとして『利き茶スタンド』のみ利用することも可能です」とストアマネージャーの北條克徹志氏。「外国の方だけでなく、日本の若い方にとっては急須自体が珍しいのではないでしょうか。茶釜にいたっては見たこともないとおっしゃる方が大半です」(北條氏)。そのため、「利き茶スタンド」を利用する人にはスタッフが適宜淹れ方を説明。様々な茶葉をじっくり飲み比べて味わうグループが多く、気に入った茶葉を購入したいという声も珍しくない。また、「自分で点てる抹茶」も人気で、初めて手にする茶ちゃせん筅に場が盛り上がる。こうした一連の流れを撮影した動画がSNSにアップされ、口コミでの来店も増加中だ。

自分で点てる抹茶 500円 抹茶を入れた茶碗と湯を客席へ。自分で湯を注ぎ、茶筅で泡がたつまで点てる。風雅なひと時が味わえる

 「当初は外国人を意識していたものの、今は8割が日本人。10代後半~20代前半の女性も目立ちます。“体験”が、日本の食文化の継承にもつながればよいですね」と宮本氏。今後は忘年会予約の獲得を含め、様々な集客プランと戦略を練っている。

COIL[金沢・石川]
石川県金沢市袋町1-1 かなざわはこまち2F
https://r.gnavi.co.jp/8t25vpj80000/
和の雰囲気をあえて避けてスタイリッシュな内装に。通路側はガラス張りで「何の店か」とうかがう人も多い。店頭のデジタルサイネージで、細巻き寿司を巻くシーンや茶を淹れる光景を紹介している。
ゼネラルストアマネージャー兼PR担当 宮本侑佳氏(左) ストアマネージャー 北條克徹志氏(右)
宮本氏は東京都内の飲食店で店長として活躍後、金沢へ。「COIL」を含めたカフェレストラン部門を統括。北條氏は姉妹店の副店長などを歴任後、「COIL」オープン時から店長に。

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