更新日:2023.12.27
【ノウハウ】弁当販売の失敗しないポイントをコンサルタントが伝授!
飲食店が弁当を開発・販売するときに知っておきたいメリットやデメリット、注意しなければいけない点はどこか。株式会社船井総合研究所の小林 耕平氏は、メリットについて「参入のハードルが低いこと」、デメリットとして「イートイン営業への影響」などをあげる。また、共働き世帯と単身者をターゲットにして価格は500~800円がボリュームゾーンだと言及。さらに、販促については店頭・店内でのアピールと販売チャネル拡大が重要だという。
目次
【ノウハウ】弁当販売の失敗しないポイント
・弁当販売のメリット、デメリットは?
・ターゲットの決め方は?
・コスト・価格はどう考える?
・メニューのポイントは?
・どんな販促が有効?
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弁当販売のメリット、デメリットは?
中食市場は非常に好調。優位性を持てる可能性も
現在、食関連市場の中で好調と言われるのが、テイクアウトやデリバリーなど「中食」だ。「中食のポータルサイトはユーザー数・加盟事業者数が年々伸び、飲食店の加盟も増えています」と、株式会社船井総合研究所の小林耕平氏は話す。背景には、2019年10月の消費税増税と軽減税率制度の導入によって、税率が据え置きとなった中食に“お得感”が生まれたことがある。
もちろん、それだけではない。小林氏は「そもそも中食市場の増加はメガトレンド(社会の相対的な潮流)。軽減税率導入前から成長は始まっていました」と指摘する。女性の社会進出による共働き世帯の増加、未婚率上昇による単身者の増加、高齢化や低所得者層の増加などの社会の流れが背景にあり、「料理を作る時間がない」「1人分を作ると不経済」「外食より低価格」といった理由で注目度が増しているのだ。さらに、最近の中食には「簡便さだけでなく、質の高さも求められている」(小林氏)。そんな中で、作り置きが多い小売店に比べ、出来たてを販売できる飲食店が中食市場で優位性を持てる可能性がある。「その意味で飲食店の中食参入は時流に合っています」と小林氏は語る。
では、飲食店にとって中食への参入にはどんなメリットがあるのか。「まず、デリバリーよりテイクアウトの方が参入のハードルは低い」と小林氏。デリバリーは新たに配達の仕組みが必要だが、テイクアウトは現在の店のオペレーションで十分に対応可能だからだ。大きな違いは食器ではなく、容器に盛ること。容器以外のコストや調理工程をほとんど増やさずに、新たな売上を獲得できる可能性があるところに、飲食店がテイクアウトを始めるメリットがある。小林氏は、「特にランチの集客に苦戦している店では、打開策として弁当販売を始めることも、収益を得る有効な手段になります」と語る。
もちろん、デメリットもある。出来立てを販売しても、食べるまでには時間が経っているので料理の経時劣化が避けられないこと。また、店内もテイクアウトも忙しい時間はほぼ一緒なので、店内客へのサービスレベルが下がり、満足度の低下につながることや衛生面でのリスクもある。それでも、「立地によっては飲食店と中食の相性はかなりいい」と小林氏。一度、検討してみる価値があるのではないだろうか。
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ターゲットの決め方は?
オフィス、駅前、郊外など、立地とニーズを見極める
弁当販売など中食を始めるとき、ターゲットはどのように設定するべきなのか。小林氏は、「来店客から予測することは必要ですが、店内(外食)と中食では利用動機が異なるので、店内客だけを見てターゲットを決めると、中食の“ユニーク(独自の)ユーザー”を見落とす可能性がある」と指摘する。
中食のターゲットを決める際も外食同様、ポイントになるのが立地だ。加えて、「中食を利用するボリュームゾーンは、共働き世帯と単身者」と小林氏。この2つの層と自店の立地を照らし合わせて、具体的なターゲットを考えることが大切だという。
大まかに言うと、オフィス街における中食ニーズは、ビジネス層が職場に持ち帰って食べるランチ弁当が圧倒的に高く、単身者がボリュームゾーンになる。一方、住宅街が広がる郊外の駅前などでは、共働き世帯による夕食の弁当や惣菜のテイクアウト需要が高い。また、住宅もオフィスもある立地なら、単身者を中心としたランチと共働き世帯の夕食、両方のニーズがあると想定できる。それらと比べると、ボリュームゾーンの絶対数が少ない地方の郊外や、小売店の中食が強い商業施設内では、飲食店の中食ニーズは低くなりがち。店の立地とそこにいる人たちの特性を考慮し、中食ニーズを判断するとともに、どういう売り方ならそのニーズを捉えることができるのか考え、作戦を立てることが必要だ。
例えば、「オフィス街でサラリーマンが主に求めているのは、一食完結型のランチ弁当」(小林氏)。量もメニューの内容も、さらには栄養的にも、飲食店で外食をする場合と遜色のないバランスと満足感が求められる傾向が強い。そして、形態は個食だ。片や、住宅地のある駅前で、主に共働き世帯が帰宅途中に弁当や惣菜類を購入する際は、夕食の献立を補完する意味合いが強い。そのため、一食完結型よりも単品やシェアできる商品のニーズが高く、複数の惣菜を1パックにまとめたり、弁当も種類にバリエーションを出すなど、販売方法にも工夫が必要だ。ただ、「同じボリュームのあるサラダがオフィス街では一食完結のランチ、郊外では家族でシェアする惣菜として人気になる例もある」(小林氏)。いずれにしてもターゲットを見極め、そのニーズに合う商品作りと売り方が求められる。
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コスト・価格はどう考える?
容器代の目安は価格の10%。食材ロスの抑制も重要に
中食のコストが店内提供メニューと大きく違うのは、容器(包材)代がかかること。これを上乗せして価格を決めればよいのだろうか。小林氏は、「容器のコストを単純に価格に転嫁して失敗する飲食店は少なくありません」と指摘する。店内利用でもテイクアウトでもデリバリーでも、客の予算が大きく変わることはないからだ。
小林氏によると、現在のテイクアウト弁当のボリュームゾーンは500~800円。そして、容器代は1個あたり30~100円が相場で、プラスチック製の簡易で安価なものから、環境問題を意識したクラフト容器、2段になっていてデザイン性が高いものなど、様々な選択肢がある。その中で、容器代をできるだけ抑えてメニューの量と質を維持するか、おしゃれな容器も含めて価値を感じてもらい、売価を上げるか、容器代は料理のポーションを小さくするなど原価で調整して、価格をボリュームゾーンに落とし込むかは、客層をよく分析して設計することが大切だ。一つの目安として、「容器代は売価の10%以内が妥当」と小林氏は分析する。加えて、容器代を含めた粗利率は60%が基準のラインになるという。
では、そのほかのコストはどうだろう。人件費や設備投資の増加も見込んで、設計するべきなのだろうか。
小林氏は、「弁当メニューを仕込むための既存スタッフの勤務時間の延長や、ピーク時のシフトの増員など、生産増に伴う人件費の増加はある程度、仕方がありません」と語る。しかし、それ以外の新たなコストにつながるもの、例えば、弁当販売のための新規スタッフの採用や設備投資などは、少なくとも参入初期の段階では避けた方がいいだろう。ただし、「弁当などテイクアウトの売上が店全体の売上の20~30%になったら、設備を含めた専用オペレーションの導入や専門店化なども視野に入れていいでしょう」(小林氏)。
さらに、コストに関連して忘れてはいけないのが、店内メニューと同様に食材ロス。特に作り置きの弁当の場合、売れ残りによる廃棄は大きな損失になる。この食材ロスを最小限にするために、小林氏は「生産予測の精度を高めるとともに、アフターオーダー制や事前予約制の導入」を提唱する。
アフターオーダー制とは、文字通りオーダーを受けてから作り、出来たてを提供すること。必ずしも調理自体を注文後にするのではなく、加熱や味付けなどの最終工程のみを注文後にして、容器に詰めればいい。食材ロスの減少につながるのはもちろんだが、飲食店の弁当への“出来たて”ニーズに応え、小売店との差別化という意味で大きなポイントとなる。また、予約制であれば、個数に合わせて事前に食材の発注・仕込みができるので、食材ロスだけでなく、人件費のロスの回避にもつながる。「アプリを使って予約を受け付ける方法などもあり、食材ロスの回避やキャシュレス決済による会計処理コストの削減、客の待ち時間の回避など、ランニングコストを上回る利便性がある」と小林氏。立地や客層にもよるが、こうした新しいツールなども活用して、弁当販売にチャレンジするのもいいだろう。
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メニューのポイントは?
店内メニューをベースに中食独自の工夫が必要
弁当の内容、メニューを考えるときは、「まず、すでに店内で提供しているメニューをベースに組み立てること」を小林氏は提案する。厨房に負荷をかけすぎないこと、食材管理をしやすいことが、その理由だ。だが、同時に「店内で提供している料理と同等のシズル感を、中食で再現するのは限界がある」とも。客の目の前で焼き上げるライブ感が売りの鉄板焼き店で、同じメニューをテイクアウト商品にしてもシズル感は伝わらない。店内のメニューをそのままスライドするだけでは、“売れる弁当”にはなり得ないのだ。
その解決方法として、「メニューのシズル感を別の要素で置き換える工夫が大事」と小林氏は話す。見た目の彩りや品目のバリエーション、メインメニューのクオリティーアップなどに注力する必要がある。加えて大切なのが、「弁当の名物料理があること」。アピール力のある名物料理が他店との差別化につながりやすいのは、店内メニューも弁当も同じ。「店のグランドメニューの中から名物料理になり得るものを探し出し、それをブラッシュアップして弁当の中に落とし込めれば、大きな強みになるはず」と小林氏は語る。例えば、「唐揚げ弁当」など定番の弁当でも、家庭では出せない専門性の高い味付けや、オリジナリティのあるタレ、ポーションのインパクトなどで、認知を獲得することが可能になる。
同時に、中食の注意点として「衛生面でのリスク回避」も忘れてはいけない。魚介の刺身や半熟卵、レアのステーキなど、店内で提供していても、中食では回避した方がいいメニューも少なくない。まずは、別の食材・メニューや調理法で置き換えて、安全性を優先するべきだろう。
この点では「衛生面のリスク回避と、おいしさの追求を両立するオペレーションの模索も重要」と小林氏。ステーキなどは真空低温調理をすれば、火を中まで通すことができるとともに肉のジューシーさ、おいしさを維持でき、経時劣化も最小限に抑えられる。また、半調理なので、注文が入ってから仕上げるアフターオーダーがやりやすく、出来たてを提供できる。ほかにも、仕込みの段階で個食対応のチルドや冷凍、真空保存などにしておけば、同様に衛生面のリスク回避とおいしさの両立が実現できる。もちろん、食材ロスも避けられるし、調理オペレーションもスムーズになるだろう。弁当メニューを考えるときに、念頭に置きたい手法の一つと言える。
そのほか、弁当の商品数としては、「名物料理を入れ込みつつ、食材ロスをなるべく出さないことを考えると、まずは3アイテムくらい用意するといいでしょう」と小林氏。さらに、弁当の人気メニューとしては「唐揚げやトンカツなどの揚げ物、カレー、ハンバーグ、餃子などは、弁当の定番メニューとして人気が定着しています。長年、日本の外食市場で上位を占めてきた専門料理は、テイクアウトでもやはり強い」と解説する。一方、トレンドに注目するなら、「ボリュームのあるチョップドサラダなど一食完結型のサラダや、タイ料理、ベトナム料理などのエスニック料理が、ヘルシーでおしゃれ感があり、女性を中心に売上が伸びている」(小林氏)という。また、サンドイッチやおにぎりなど、仕事をしながらワンハンドで食べられるものも、立地と客層によってはニーズが高くなる。
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どんな販促が有効?
店頭・店内でのアピールと販売チャネル拡大が重要
最後に、販促面についても触れておこう。一つは店内や店頭でのアピール。来店客や店の前を通りかかった人にポスターやチラシで、テイクアウト・デリバリー弁当のメニューを告知するほか、店頭にテイクアウト専用の窓口を設けることも一案。そうすることで、テイクアウト商品があることをわかりやすくアピールできる。また、その日の弁当を店頭やレジ付近に並べておくのも有効だ。「こうした店頭・店内の販促で、順調に売上が上がっている店はいいのですが、苦戦する場合は中食のユニークユーザーを獲得するための販促を検討する必要がある」と小林氏。近隣のオフィスや住宅へのポスティング、チラシ配り、Webでの発信など、様々な方法で弁当を販売していることをしっかり宣伝したい。
「都市部であれば、メディアを活用した販促も考慮に入れたい」と小林氏。例えばSNSは、コストをかけずに今すぐ始められるし、Googleマイビジネスなどに登録することも、認知の拡大につながるだろう。これら販促の効果を上げるためにも、名物料理というフックは用意しておきたい。
さらに、小林氏は「テイクアウトやデリバリーの専用サービスを活用して、販売チャネル(経路)を増やすことも方法の一つ」と提案する。こうしたサービスでは、アプリでテイクアウトの事前予約やデリバリーのオーダーから、決済までを完結させることが可能。コストはかかるが、ニーズを持つユーザーに広く告知することができる。
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【事例】“売れる弁当” CASE STUDY
ここからは実際に自店で弁当を開発し、売上アップや新規客の獲得に成功した事例を紹介。盛り付けから容器までこだわった価値のある弁当で差別化に成功したイタリアンと、圧倒的なコストパフォーマンスの「日替わり弁当」で知名度を上げた焼肉店の取り組みと成功の理由に迫る。
【事例】“売れる弁当” CASE STUDY
・盛り付けから容器までこだわった価値のある弁当で差別化に成功
「自然栽培野菜と自然派ワイン En(えん)(旧:カーポラヴォ-ロ)」(東京・高田馬場)
・圧倒的なコストパフォーマンスの「日替わり弁当」で知名度アップ!
「個室焼肉 大たにや(旧:肉亭 楽歳)」(広島・東広島)
“売れる弁当” CASE1「自然栽培野菜と自然派ワイン En(えん)(旧:カーポラヴォ-ロ)」(東京・高田馬場)
盛り付けから容器までこだわった価値のある弁当で差別化に成功
華やかな見た目が好評。弁当販売が柱の一つに
イタリア・ミラノにあるベジタリアンレストラン「JOIA(ジョイア)」で腕を振るっていた鳥海将彦氏がオーナーシェフを務める、自然栽培の野菜にこだわったイタリアン「自然栽培野菜と自然派ワイン En(えん)(旧:カーポラヴォ-ロ)」。東京・高田馬場駅から徒歩すぐの路地を入った場所に2012年12月オープンし、ヘルシー志向の女性を中心に人気を集めている。「ミラノで働いているとき、良質な野菜を食べることで私自身も体調がよくなり、食の大切さにあらためて気がつきました。そこで帰国後、自然栽培の野菜が身近になるきっかけになってほしいと、この店を始めました」と鳥海氏は話す。弁当の販売も「より多くの人に野菜の魅力を広めたい」という想いから、店の認知度アップも狙って2017年6月よりスタートした。
弁当を作る上で最も重視したのは見た目の華やかさ。「味がいいのは大前提。フタを開けた瞬間に、『おいしそう!』と思ってもらえるような色合いや盛り付けにこだわりました」と鳥海氏。仕切りのない木箱に、野菜中心のおかずやご飯をキューブ型にして詰めるスタイルを考案。時間が経って野菜から水分が出ても染みないよう、容器は何度も試作を重ね、特注の木箱が完成した。北海道産の木材を使用し、容器代は売価の10%を超えるが、「容器の高級感も全体の価値を高めてくれる」(鳥海氏)と考えている。また、野菜がメインとは思えないほどのボリュームも好評で、例えば1500円台の弁当には、10種以上のおかずと2種のご飯が入る。
現在、ビジネス層の会合や来客へのおもてなし用として、デリバリーとテイクアウトの両方のニーズがあり、知名度が上がるにつれて売上もアップ。店の月商の30~40%を弁当販売が占め、経営の柱として成長した。「これからも価値のある弁当を届けたい」と語る鳥海氏は、容器の外側に掛けた紙に食材などへのこだわりを綴っている。今後はこれをリニューアルする予定で、お品書きを記しつつ、店の会員登録に誘導するQRコードも掲載し、来店客の増加にもつなげたいと考えている。
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●6種の自然・有機栽培のお野菜づくし弁当…1,200円
●4種の自然・有機栽培のお野菜づくし弁当…1080円
東京都新宿区高田馬場2-14-5 サンエスビル1F
https://r.gnavi.co.jp/n9e2bt470000/
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“売れる弁当” CASE2「個室焼肉 大たにや(旧:肉亭 楽歳)」(広島・東広島)
圧倒的なコストパフォーマンスの「日替わり弁当」で知名度アップ!
肉メインの弁当を販売。人気となり常連も多数
広島・JR西条駅から歩いて5分ほどの通りに、2018年5月にオープンした「個室焼肉 大たにや(旧:肉亭 楽歳)」。経営元は株式会社Cross Relationで、西条エリアに「楽歳」を含めて4店舗を展開している。歴史ある酒蔵の町・西条には割烹をはじめ、昔ながらの飲食店が点在し、魚がメインの店が多い。そんな中で「肉割烹」というコンセプトを打ち出し、完全予約制・全席完全個室で運営。周辺の企業や病院、大学関連の接待で利用されることが多いほか、慶事や弔事、記念日などで地元のファミリーにも支持されている。メニューはコースのみで、特に人気なのは“入門コース”と位置付ける「肉懐石コース」(全10品7500円)。また、系列店へ料理を提供するセントラルキッチンとしての機能を持っているのも大きな特徴だ。
「弁当のデリバリー、テイクアウトを始めたのは2018年末頃。製薬会社などお客様の要望からでした。2営業日前までの予約制で、ハンバーグや牛タンなど肉料理をメインに、1500~2500円の5種類を用意しています」と総料理長・久保田暁浩氏は話す。この弁当の評判が徐々に口コミで広がる中で、価格やメインの料理などについてのリクエストが増えたため、それに対応する「オーダー弁当」もスタート。現在、1個800円から10個以上で予約を受け付けている。
そして今年2月、新たに提供を始めたのが、600円というリーズナブルな価格の平日限定「日替わり弁当」だ。「“肉割烹”で完全予約制ということもあり、若い方の来店は少ない。もっといろいろな人に店を知っていただきたいという想いがあり、来店のきっかけづくりや認知度アップを狙って始めました」と久保田氏。もともと、系列店で提供する10食限定日替わりランチを厨房で作っており、そのメイン料理を使って日替わり弁当に。ほかの弁当と同じく肉料理をメインにしている。
当初は1日限定30個、店頭販売のみで始めたが、初日から連日完売。11時の販売開始から、30分も経たずに売り切れるという人気ぶり。さらに、早くも多くの常連ができたことで、「日替わり弁当」の事前予約にも対応し、販売個数を増やしている。「ただ、現在は、予約分を作るのに精一杯で、店頭で販売する数が限られ、それもすぐに売り切れる状態です」と話すのは、調理コーディネーターの山田大輔氏。「オーダー弁当」の人気が高まっていることもあり、弁当全体で、多い時は1日120個ほど作ることもあるという。「日替わりでは、粗挽きの肉を手ごねする自家製ハンバーグが入った弁当が圧倒的に人気ですね。牛肉を使う料理などは原価が高くなりますが、弁当全体の原価率は30%以内に抑えられるよう、副菜などで調整しています」(山田氏)。
弁当の注文増加に伴い、大口であれば遠方でも車で配達している。また、たとえ1個の注文でも、近隣に住む常連には自宅まで届けるなど、地域に根差したサービスも好調の要因だ。「中食ニーズの高まりを実感していますので、今後は弁当の販売データを検証しながら、新たな人材の確保なども含め、会社として今後の展開を考えていきたい」と久保田氏は話してくれた。
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●楽歳ハンバーグ弁当…1,800円
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●国産牛カルビ弁当…2,000円
●特選行楽弁当…1,500円
広島県東広島市西条岡町9-22
https://r.gnavi.co.jp/puxjg3hu0000/
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