2020/05/25 特集

【PART1】お店の数字の見方・操り方を知る!~コロナ後に重要な“脱どんぶり勘定”~

現在、多くの飲食店が家賃をはじめ、これまで以上にお金の問題に直面している。そこで、計数管理コンサルタントの東海林健太郎氏に、飲食店経営において大事な数字の見方・操り方を3回に分けて解説してもらう。

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株式会社アップターン 代表取締役 東海林 健太郎氏
1968年、大阪生まれ。IT企業で業務改善活動に従事し、コンサルタント会社を立ち上げた後、飲食業界にも進出。現在、大阪、神戸で和カフェ「Mamezo&Cafe」を3店舗のほか、食パン専門店(FC)を運営する。その一方、計数管理コンサルタントとして外食企業の収益改善セミナーを10年以上実施。自店を中心に検証を繰り返し、そのノウハウを全国の飲食店に届けている。近著に「脱・どんぶり勘定!これからの飲食店 数字の教科書」(同文館出版)がある。

厳しい状況の今だからこそ、お店の数字を理解しよう!

 世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスの影響は、誰もが想定外のことだったかもしれません。しかし、今後も同様の事象が発生する可能性はあります。そのときのために、経営者や店長は考える力をつけておく必要があるでしょう。今は、金融機関と密に連携を取り、タイムリーに資料を作成し、自店の状況と生き残るための対策を説明できないと、より厳しい状況になると推察します。

 大阪・兵庫にある私が経営するカフェも、4月8日から全3店舗の営業を自粛していますが、先んじて3月末から家賃交渉を始めました。ここ数年、特に都市の中心部などは家賃が上がり続け、大家さんも強気な契約条件を提示していました。それでも多くの集客・売上が見込めるので、借り手は絶えませんでしたが、今回のようにまったく売上のメドが立たないとなると、固定費を払えずに閉店・撤退する店が増えます。そして、経済状況を考えると次の借主もなかなか見つからないことが予想されます。そうなると、大家さんは家賃交渉に応じてくれやすくなるでしょうが、できれば目の前の数カ月だけではなく、2~3年先を見据えた交渉をして、長いスパンで固定費を下げる努力をするべきだと思います。

 また、経費でいうと、メニュー数、食材を絞る必要性も高まるでしょう。「自分たちの強みは何なのか」を考え、「うちはこれで勝負するんだ!」という商材を見つけたら、それを軸にメニュー数を絞っていく。そうすることで食材費を抑えることができます。また、それに伴い、飲食店の専門店化も進むのではないでしょうか。

 営業自粛や営業時間の短縮、「新しい生活様式」への対応など、飲食店にとって本当に厳しい状況ですが、その一方、普段はなかなかできなかった経営における数字をおさらいし、理解を深める良い機会でもあります。この特集で生きた数字の使い方を理解し、新型コロナウイルスによる苦境を乗り切る取り組みをスタッフ一丸で行っていってほしいと思います。

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