開業直後にコロナ禍。動画を配信して、店の認知度アップ!
スタッフの個性を伝え、人に会いに来る店を目指す
東京・池袋駅から徒歩5分の場所にある居酒屋「巻き串と笑いのお店六源.むげん.」がオープンしたのは、今年の2月。「その直後にコロナ騒動が起こり、地下の店ということもあって大打撃を受けました」と、同店を含め2店舗を経営するオーナーの大迫源一氏は語る。それでも3月中は通常営業を続け、リピーターも獲得していたが、緊急事態宣言の発令もあり、4月に入ってテイクアウトのみの営業に変更。先行きに不安を感じた大迫氏は、今できることを考え、YouTubeチャンネルの開設を決意する。「以前から、訴求力の高いYouTubeでの動画配信に興味がありました。営業自粛によって撮影や編集の時間はたくさんあったので、チャンネル開設のいいタイミングだと考えました」(大迫氏)。同時に、動画配信を始めたのは、新店の常連になってくれた人との関係性が切れないようにする目的もあった。「お店の存在を忘れてほしくありませんでしたし、『暗い話題ばかりなので、少しでも動画で楽しんでもらいたい』という想いもありました」とスタッフの梅村佳純氏。
撮影は店の楽しい雰囲気が伝わるように
動画の内容は大迫氏やスタッフで話し合って決定。「飲食店としての販促にはこだわらず、見る人に楽しんでもらうことを重視しました」(大迫氏)。大食いチャレンジ企画やドッキリ企画、ゲーム対決、女性スタッフによるメイク術公開、コロナの影響で人が減る池袋の街の様子などを配信。動画に対する視聴者のコメントを参考に、次の企画を決めることもある。「自宅で作れるおつまみを紹介する動画は、視聴者の方からのコメントを参考に撮影しました」(梅村氏)。
店内営業を自粛して以降、毎日20時に新作動画を公開。およそ2カ月で約70本の動画をアップした。6月から営業を再開したこともあり、営業自粛期間に比べると配信頻度は落ちているが、7月現在、登録者数は250人にまで増えている。「来店いただいたお客様から『動画を見たよ』と声を掛けられることもあり、会話のきっかけにもなっています」(梅村氏)。
動画配信は今後も続けていく予定で、「大きな目標が3つあります」と大迫氏。1つは、動画でスタッフを知ってもらい、“人”に会いに店に来る流れを作ること。2つ目は、労働環境が悪いイメージを持たれがちな飲食業の楽しい面を伝え、こういう店で働きたいと思ってもらい雇用につなげること。そして3つ目が、もっと登録者数を増やして“居酒屋YouTuber”としてのビジネスモデルを作ることだ。「店舗でお客様の誕生日をお祝いしている様子や、鮮魚のさばき方など料理を紹介する動画も制作したい」(大迫氏)と、様々なコンテンツを配信していこうと考えている。
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