2020/07/21 特集

店やスタッフ紹介、レシピ公開、料理教室―。 イチから始める動画配信(4ページ目)

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配信ツール Zoom
 

参加者が自宅で調理するオンライン料理教室が好評

映像で伝わりやすいように補足説明を書いた紙も用意

 東京・西麻布に店を構える割烹「伊勢すえよし」。外国人も多く訪れる人気店だが、新型コロナの影響で3月から予約が激減。4~5月の2カ月間は完全休業を余儀なくされた(6月1日から営業を再開)。休業中、店主の田中佑樹氏が新たに始めたのがインスタライブによる料理教室だ。「特に4月は暗いニュースばかりで、誰もが家にこもる日々。少しでも明るく楽しい食事をしてもらおうと、家でもできる料理を動画で配信しました」と田中氏は振り返る。

 同じタイミングで、ぐるなびから「若手実力派料理人に学ぼう! CLUB RED×オンライン料理教室」(下の「ぐるなび主催で、若手料理人によるオンライン料理教室を開催!」参照)の依頼を受け、Web会議ツール「Zoom」でのオンライン料理教室(有料)も開催した。「私が一方的に教えるのではなく、参加者も自宅で実際に調理するという内容がおもしろいと思いました。インスタライブは映像の配信がメインですが、Zoomであれば参加する方々の調理の様子をこちらも映像で確認しながら進められます」と、田中氏は語る。

参加者の状況を見てアドバイス

Web会議ツール「Zoom」を使ってオンラインでの料理教室を実施。パソコンのカメラで、田中氏の正面からの映像を撮影して調理法を解説。参加者一人ひとりの調理の状況を見ながらアドバイスを送った

 料理教室当日は、手順に沿って調理を進めつつ、7名の参加者に対して、それぞれの調理の状況を見てアドバイスをしたり、食材の豆知識などを伝えた。「店で行う料理教室は、私がほとんどの調理を行いますが、今回は参加者全員がすべての工程をひと通り行うので、習熟度は高いはず。また、再度家で作る際も、必然的に同じキッチンで、同じ調理器具を使うことになるので、失敗する可能性も低いと思います」と、田中氏はメリットを語る。

スマートフォンのカメラをキッチン上に配置し、調理の様子を撮影。最初に食材や調味料の確認を行うため、それぞれの量などを書いた紙も映して確認・説明を行った

 撮影は、手元の調理の様子を上から映すスマートフォンと、田中氏を正面から映すパソコンのカメラの2台を用意。説明する内容に合わせてカメラを切り替えて配信した。加えて、食材や調理法などの説明で強調したい部分などは、ポイントをまとめた紙を用意しておき、説明の際に映すなど、伝わりやすいよう工夫したという。

当日作った「茶碗蒸し」。昆布と鰹節の出汁をベースに、三重産の車海老や地鶏を使用

 「年配の方などは、オンラインでの料理教室に抵抗感を抱く方もいるかもしれませんが、メリットも多いと感じました。ゆくゆくは海外の人向けにオンラインで料理教室をできたらいいですね」(田中氏)と、新たな取り組みとしての可能性を感じている。

ぐるなび主催で、若手料理人によるオンライン料理教室を開催!

ぐるなびが共催する料理人コンペティション「RED U-35」の入賞者らで構成される料理人グループ「CLUB RED」の若手料理人が有料のオンライン料理教室を6月より実施。国内の観光・グルメ・体験情報を掲載するサイト「ぐるたび」で参加者を募り(写真 左:https://gurutabi.gnavi.co.jp/list/onclubred/、希望者には当日に使う食材も配送。「伊勢すえよし」の田中佑樹氏らプロの技を自宅で学べる機会になっている。今後も「CLUB RED」の料理人を中心に、オンライン料理教室を開催する。
伊勢すえよし【東京・西麻布】
東京都港区西麻布4-2-15 水野ビル3F
https://r.gnavi.co.jp/3x5jcz4a0000/
東京・地下鉄広尾駅から徒歩9分の場所に立地。店内にはカウンター5席と個室1部屋を備え、店主の田中氏が伊勢市を中心とした三重の食材を使った日本料理を提供する。
店主 田中 佑樹氏
日本料理店「菊乃井」などで研鑽を積み、24歳から世界一周の旅へ。伊勢の食文化の魅力を再認識し、2015年に同店をオープン。

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