ドーナツ型パスタが、店の認知度UPに貢献!
KITCHEN THREE PIECE93【栃木・宇都宮】
焼き時間や味の種類など、試行錯誤を経て完成!
栃木のJR宇都宮駅と東武宇都宮駅の間に位置する二荒町(ふたあらまち)の一角にある「KITCHEN THREE PIECE93」は、5月にオープンしたイタリア料理店だ。「もともと4月上旬にオープンする予定で準備を進めてきましたが、新型コロナが急速に拡大したためオープンを1カ月延期しました」と、代表の金尾和哉氏は語る。その1カ月間を利用して取り組んだのが、テイクアウト需要の増加を見越した持ち帰り商品の開発だ。「気軽に食べ歩きができて、店の広告塔になるものを作りたいと考えました」(金尾氏)。
そこでヒントになったのが、ニューヨークで話題になっていた「スパゲッティドーナツ」だった。「スパゲッティをドーナツ型にして食べ歩きもできるようにした商品です。発想がおもしろく、SNS映えしますし、話題性もあります」と金尾氏。さっそく、料理長の郷一也氏を中心に開発に着手した。作り方は、細めのパスタ(乾麺)を半分に折ってからゆで、パスタソースやつなぎを絡めてドーナツの型に流し込んでオーブンで焼く。「麺やソースの種類、オーブンの温度や焼き時間など、納得できるクオリティーに仕上がるまで試行錯誤の連続でした」(郷氏)。例えば、つなぎに小麦粉を使ったところ、仕上がりがやわらかく、モチモチになりすぎたため、片栗粉に変更して少し固めの食感になるように工夫。また、焼く前にチーズを上にかけることで焼き上がりに香ばしさが生まれ、味にもアクセントを加えることができた。オーブンの温度と焼き時間も、さまざまなパターンを試し、「300度で5分」が最適と判断。さらに、フレーバーも店のメニューで使っているパスタソースをベースにいろいろな種類を試した。「『ペペロンチーノ』などのオイル系のソースは、焼き上がりがべたついてしまうため、不向きだと判断しました。また、誰でも名前を聞いただけで味が想像できるパスタソースを使うことも意識しました」(郷氏)。こうして試作を重ねた結果、「ミートソース」「ジェノベーゼ」「カルボナーラ」「トマトとパルメザン」の4種類の「パスタドーナツ」(Sサイズ270円、Mサイズ378円)が完成した。注文から提供までは10分弱。見た目はドーナツだが、食べると口の中でパスタがほどよくほぐれ、まるで本格的なパスタを食べているような感覚が楽しめる一品に仕上がった。
これをオープン日から、テイクアウトメニューのチラシに掲載し、レジの近くに貼ってアピール。すると、店内で食事をした人の目に留まり、「価格が手頃だということもあり、試しに買っていく人が続出しました」(金尾氏)。「見た目と味のギャップが面白い」「手軽に食べられる」など評判は上々。リピーターも獲得し、わざわざ予約をする人もいる。また、「子どものおやつに」「軽めのランチで」など、利用シーンも広がっている。
「イートインのお客様は年齢層が高めですが、パスタドーナツを目当てに若い方が来店されるケースも増え、より幅広い層に当店を知ってもらうきっかけになっています」(金尾氏)と、効果を感じている。
栃木県宇都宮市二荒町5-2 SAKAIビル1F
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