バルの雰囲気と多彩なメニュー構成で幅広い客層を獲得

成田 スペインバルレストラン Las Nomadas

千葉 成田　スペイン料理

看板メニューをご当地グルメへと躍進させ、集客アップ

アパレル業を営んでいた阿部隆志氏が、当時住んでいたビル1階が空いたのをきっかけに、飲食業へ転身。2009年にオープンしたスペイン料理店だ。スペインに滞在したこともあり、バルの気さくな雰囲気が好きだったため、この業態を選んだが、周辺は住宅地で本場のような立ち飲みは合いづらい。そこで、「バルの雰囲気を残しつつ、様々な世代が利用できる店を目指しました」と阿部氏。

内装は自らがデザインし、特にカウンターの半円形テーブルは、この店の顔。半円であるため、複数名並んで座っても顔が見やすく、会話がしやすい。居心地がよく、グループ客が座ることもあるという。

そして、店の認知度をアップさせたのが地元の飲食店関係者有志で開発した「成富うどん」を使ったメニューだ。阿部氏は幼なじみが経営するうどん店の手打ちうどんに着目。「外国の玄関口である成田は、外国人の方も多いです。日本のものをもっと食べてもらえるよう、パスタのように麺を細くし、洋風のアレンジを加えたメニューを開発しました」。こうして完成させた「成富うどん」は、細麺のうどんにトマトソースなどを和え、フォークで食べるというユニークさで人気を呼んだ。テレビ番組など、メディアに取り上げられて評判となり、今や成田市のご当地グルメに成長。バリエーションを増やすことで、ランチタイムには、スペイン料理になじみの薄い、シニア世代の取り込みにも成功した。

メニューブックには写真を多用。わかりやすさを重視

そのほか、パエリアが人気。季節の素材によってアレンジしながらスペイン料理を提供しているが、「すぐ近くに市場があるため、鮮度の高い素材を使えます」と、自信を見せる。

だが、スペイン料理はなじみが薄いため、メニューは文字だけではなかなか伝わりにくい。そこで、写真を大きく入れて、一目でどんな料理かわかるメニューブックを作った。「来店したときに『わからない』となれば、お客様は次回来ていただけません。何の料理かすぐにイメージしやすいことを第一に考えました」と阿部氏。また、カウンターにはワインを並べ、産地や特徴を書いたカードを瓶に貼ってスムーズにオーダーできるようにしたり、スタッフがワインやスペイン産のシェリー酒やシードルなどを、料理に合わせながら勧める。スペインの食の魅力をわかりやすく伝えていることが、集客増につながっている。

そして、通常のパスタで作るミートソースやカルボナーラといったおなじみのメニューも取り入れ、平日の早い時間帯は、家族連れを集客。さらに、演出も追求し、皿はスペインの絵皿を使って印象付けを図り、ラクレットチーズをスイス製の専用のストーブで溶かして料理に添えるメニューも提供。客を目でも楽しませる工夫も行なう。

ぐるなびからはクーポンを見て来店する客が多く、企業の宴会やパーティの予約も獲得。女子会や小さなお子さんを持つ母親のグループでの利用も多く、店を利用する女性の割合が高くなっているという。

様々なアイデアとスペインバルの明るい雰囲気、そして看板メニューが功を奏し、地元の有名店になっている。

ここがポイント！