ヒノデ ファラフェル
Key Point
- 日本人の嗜好に合わせた豆料理ファラフェルを提供
- リビングのようにくつろげる客席を用意
- 新鮮な野菜類を工夫して使い、ゴミの減量に配慮
ニューヨークで出合った「ファラフェル」に魅了される
「ファラフェル」とはヒヨコ豆やソラ豆などをつぶし、クミンなどのスパイスやハーブを加え、ひと口大に丸めて揚げた、いわば豆のコロッケで、中東ではポピュラーな料理である。
このファラフェルを、野菜類とともに丸い薄型のパンのピタに詰めたサンドイッチも、中東のファストフードとして親しまれている。同時に、世界各地で中東からの移民が故郷の味を懐かしんでファラフェルスタンドをオープンするケースも多く、それぞれの地域の特性や嗜好に合わせてアレンジが加わることも少なくない。
神奈川・茅ケ崎に2022年2月15日に「ヒノデ ファラフェル」をオープンした斉藤裕之氏は、6年ほど前にニューヨークで出合ったファラフェルのおいしさに魅了されたことが、同店を出店するきっかけとなった。
その後、オーストラリアやシンガポールでもファラフェルを食べる機会があり、都内にも数店舗あるファラフェルサンド店を巡りながら、自身でも試作を繰り返した。日本人にとって食べやすい味や食感のファラフェルを目指して試行錯誤し、ようやく自信作ができたことから、専門店の開業に踏み切った。
斉藤氏は1981年東京生まれで、社会人となってからはずっと飲食業に従事してきた。30代は創作料理店に約10年勤務し、40歳を迎えるのを機に独立することにした。また、20歳の頃からサーフィンを始め、2020年3月に茅ケ崎に移り住んだ。
自身の店を持つなら湘南の海に近いところにしたいと、藤沢、辻堂なども含めて物件を探していた中で、自宅からもほど近い場所に、商業テナントと住居スペースを兼ねた、しゃれた造作の新築ビルを見つけた。大通りから路地をやや入ったところにあるが、そのビル内では比較的視認性のいい角地にある、1、2階計20坪の現物件を契約した。オープンに当たり手伝ってくれる仲間がいて、テーブルや小物などを手作りしてくれた。
1階はオーダーカウンターとキッチン、客席6席と、クッキーや果物、野菜類などを販売している大テーブルがある。2階はソファ席10席をゆったりと配し、リビングルームのようなくつろげる雰囲気を出している。来店客は1階でサッと利用することもあれば、2階でリラックスしながら思い思いの時間を過ごしていくこともある。
ゴミの減量やプラスチック容器の不使用で環境に配慮
店名は、ファラフェルを入れた名前にしたかったことと、早朝から営業したいという思いから名付けたものだ。
実際にオープン以来、朝8時に開店していたが、来客がそれほど多くなかったため、2023年9月から朝10時開店に改めた。営業時間中は特定の時間帯だけに客数が集中するのではなく、終日まんべんなく集客しているのも強みで、中には自宅よりも落ち着ける場所であるかのように、のんびりと過ごしていく人も多い。
ピタなどにファラフェルやサラダといった具材を詰めたサンドタイプと、皿に彩りよく盛り合わせたプレートタイプがあり、店内で食べる場合はプレートが好評だ。
「具だくさんなので、サンドにすると大型になり、口を大きく開けて食べることになりますから、特に女性はプレートで具材を少しずつ詰めてもらったほうが食べやすいと思います」と斉藤氏は説明する。
プレート盛りで目を引くのは、色とりどりの新鮮な野菜を使った山盛りのサラダである。野菜類は、農薬や化学肥料の使用を控えている「茅ケ崎どっこいファーム」などから仕入れており、なるべく野菜ゴミを出さないように、使えるところはできるだけ使うように努めている。
例えば皮の部分や大根の葉なども取っておき、スープを取るときに使っている。茅ケ崎どっこいファームからは、ニンジンが葉付きで届くので、その葉をみじん切りにしてファラフェルに入れ、フレッシュな風味を加えることもある。
コロナ禍でのオープンだったが、1度立ち寄った人が、次は別の知人を連れて再来店してくれることが多く、着実に認知度を高めてきている。客単価は1,500円で、週末にはイートインだけで1日30人ほどが来店しており、うち女性が7割を占めている。
同店が湘南の住宅立地にある個性的なファラフェル専門店として、口コミで顧客を増やしている要因は、以下のようになるだろう。
- ファラフェルという中東で人気の高いアイテムに着目し、日本人にとって食べやすい味わいに工夫している。
- リビングルームのようにくつろげる客席を用意し、ゆったりと過ごしてもらえる空間を創り出している。
- 新鮮な野菜類を仕入れ、可食部分はできるだけ使い、ゴミを出さないように努めている。
テイクアウトやデリバリーの利用もコンスタントにあり、特に悪天候のときはオーダーが増える。その際の包材も、プラスチック容器を使わずに、紙製やコーンスターチ製など、焼却可能なものを選んでいる。
「この周辺の方たちは環境に対する意識が高いので、中には持ち帰り用の容器を持参して買いに来られる方もいます」と斉藤氏。このような環境への配慮も、地域で選ばれ、愛される店になるための重要なポイントといえるだろう。
(Text and shop photo by Food Biz, )
住所
神奈川県茅ヶ崎市幸町7-25 TSUBANA A棟101
TEL 0467-55-9323
営業時間
10:00~21:00(月曜日・火曜日~18:00)
定休日
不定休
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