DRA 7 (ドラセブン)
Key Point
- 季節の素材を駆使した月替わりの商品を開発
- お客が店内で過ごす時間の楽しさを重視
- 主要客層の飲食動向を分析して商品構成に反映
写真映えする商品でSNSでの話題性に訴求
旬の和の食材を使ったイタリアンベースのオリジナル料理と、明るい笑顔の接客で、東京・西新宿のイタリアンバル「DRA 7 (ドラセブン)」は、連日圧倒的な集客力を見せている。
客単価は4,000円と決して安くはないが、さまざまなアイデアを盛り込んだ写真映えする商品を毎月開発し、それらをSNSで発信することにより、若い女性を中心に絶大な支持を獲得している。新宿駅から徒歩8分ほどの場所にある32坪62席の店舗で、平均月商1,700万円を上げる好調ぶりを見せている。
オープンは2018年5月1日で、経営元は愛知・一宮市に本社を置く株式会社DREAM ON(ドリーム オン)である。同社グループの創業は1963年にさかのぼり、バッティングセンターやカラオケ店などのアミューズメント事業や飲食業など多彩な事業を手がけてきた。
2018年に飲食事業部を独立させて設立したのが同社であり、代表取締役には創業家の三代目である赤塚元気氏が就任した。飲食店は、JR尾張一宮駅および名鉄一宮駅の駅前立地に現在4店舗を展開している居酒屋業態がスタートで、次の目標として名古屋市内への出店を目指し、現在3店舗を運営している。
それを果たすと次は東京進出を掲げ、イタリアンバルやカフェ業態の「エスプレッソディーワークス」などを出店してきた。東京および横浜でのイタリアンバル業態を現在はDRAシリーズと呼んでおり、その7店舗目が新宿店であったことから「DRA 7」と命名した。現在、同シリーズは計9店舗体制となっている。
オープンキッチンの活気と会話を増やす工夫で楽しさを演出
店舗の中央にオープンキッチンを配置し、ライブ感のある調理風景や元気のいいスタッフの動きを間近に見られ、店内全体に活気があふれているのがDRAシリーズの特徴である。
フードメニューは、前菜、ピッツァ、パスタを中心に、秋であればサンマ、戻りガツオ、キノコ類、カボチャ、ブドウ、イチジク、柿、栗などを使ったアイテムを加え、季節感を存分にアピールしている。さらに、毎月メニュー改定することにより、最近の急激な物価上昇にも迅速な対応が可能となり、原価率は30%を維持している。
ドリンクは、ナチュールワインに力を入れているほか、素材選びや組合せをひとひねりした独自の商品をそろえ、「普通のハイボールやレモンサワーはありません」と明記しているほどだ。
中でも、旬の果物をたっぷり使った「クラフト カクテル」が注目されており、10月には「がっつりシャインマスカット」(1,280円)が大好評を博した。旬の高級ブドウのシャインマスカットを1杯当たり3分の1房ほど使い、白ワイン酵母を使用した鹿児島産芋焼酎「蔵の師魂 The Green」をベースにしたサワーで、他のドリンクの倍ほどの価格でありながら、1日平均30杯という出数を記録した。
「今の若い世代はアルコール類をあまり飲まないので、おいしいもの、価値のあるものを1杯だけ飲めればいいのです。『がっつりシャインマスカット』は原価率40%ほどかけているのですが、この1杯で充分に粗利高が取れます」と、DRAシリーズを担当するバル事業部リーダーの前田俊太氏は説明する。盛夏にはスイカ、冬から春はイチゴを使ったカクテルが登場し、季節ごとの楽しみを提供し続けている。
また、ドリンクのおすすめ商品数品にマークをつけており、スタッフと簡単なゲームをしてお客が勝つと、そのドリンクが100円引きになるというサービスも盛り込んでいる。年末年始の繁忙期が過ぎた2023年1月中旬から始めたもので、スタッフの配置にも余裕が出て来た時期に、お客様との会話のきっかけとして考案した。こうして来店客との接点をできるだけ増やし、店内で楽しい時間を過ごしてもらえるように徹しており、店の外に出てのお見送りも欠かさない。
同店がオリジナリティーの高い月替わりの商品と、工夫を凝らした接客で、若い世代に支持されている要因は、以下のようになるだろう。
- 季節の素材を駆使した月替わりのメニューで来店頻度を高めている。
- 来店客との会話を増やし、店内で過ごす時間を楽しめるように尽力している。
- 主要客層の飲食動向を細かく分析し、毎月の商品開発や原価率の調整に反映させている。
現在は店内の利用時間は2時間制としており、19時~21時のピークタイムは、1カ月前には予約で埋まってしまうほどの人気ぶりである。それ以外の時間帯は、当日の電話予約で分刻みで対応しており、平均すると1日5回転という吸引力を見せている。
外出自粛が求められたコロナ禍においても、同社ではさまざまな対策を打ち出し、売上を伸ばしてきた。DRAシリーズのうち、「DRA 7」と「渋DRA」(渋谷)では、ランチタイムだけハンバーグ専門店「君のハンバーグを食べたい」として二毛作営業を実施した。「DRA 7」では2021年3月からランチを開始し、ハンバーグ定食1種を50食限定で販売。オープン前からウエイティングができ、1時間で完売するほど話題となった。しかし、夜の集客も徐々に回復してきたことから、2021年9月までで二毛作営業は終了した。「君のハンバーグを食べたい」は現在、東京・西葛西と、名古屋の2店舗があり、近々FC募集を開始する予定である。
同じくコロナ禍においては、「エプレッソディーワークス」と、高級食パンの「ワンハンドレッドベーカリー」を、DREAM ONがフランチャイザーとして急速にFC展開を進めた。両業態合わせて50店規模になっており、2021年11月に株式会社ワンハンドレッドベーカリー、2022年11月に株式会社エスプレッソディーワークスを設立して分社化した。2023年9月にはエスプレッソディーワークス派生の新業態としてオムライス専門店を東京・渋谷にオープンさせており、今後も多彩な事業展開を推進していく考えだ。
(Text and shop photo by Food Biz, )
住所
東京都新宿区西新宿7-11-15 ミヤコビル 1F
TEL 050-5595-6311
営業時間
17:00~24:00(LO.23:00)土・日曜日・祝日16:00~
定休日
無休(年末年始の12月31日~1月3日は休業)
https://r.gnavi.co.jp/es6y71xs0000/
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