2024/02/05 繁盛の法則

健康志向の「酵素玄米」を核に幅広いファンを掴む定食店とは

小田急線千歳船橋駅から徒歩2分ほどの繁華街にある「ちとふなごはん 玄(げん)」は、長岡式酵素玄米を主力に旬の食材を採り入れた、和洋にとらわれないユニークな商品を提供している。週に何度も来店する地元の常連客からの支持に加え、電車利用で遠方から訪れるお客様も増えている。

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ちとふなごはん 玄(げん)

Key Point

  1. 3日間寝かせた酵素玄米をメインに提供
  2. 毎日多彩な総菜を用意し常連客に訴求
  3. コロナ禍による来店客の利用動機の変化に対応

体の内側から健康になれる飲食店を目指して出店

炊き上げてから最低3日間発酵・熟成させた玄米ご飯を主力商品とする「ちとふなごはん 玄(げん)」は、幼児の離乳食から高齢者まで、幅広い年齢層に親しまれている定食店である。小田急線千歳船橋駅から徒歩2分ほどの繁華街に、2015年9月23日にオープンした7.5坪8席の小規模店だが、週に何回も来店する地元の常連客に加え、電車利用で遠方から訪れるお客様も増えている。

オーナーは近くで鍼灸院を営む藤田恵子氏で、とある助産院で提供している「長岡式酵素玄米飯」が、妊婦の体質改善や健康増進に効果を上げていることに着目した。そこで、体の外側から体調を整える鍼灸に加え、体の内側から元気になってもらえるような飲食店の出店を考えるようになった。ご主人の長崎靖氏が、40年以上のキャリアを持つ料理人であることから、埼玉・川越にある「長岡式酵素健康の会」本部で酵素玄米の講習会を2人で受講し、長崎氏を店長とする出店が実現した。

この長岡式酵素玄米は、玄米に小豆と少量の塩を加えて圧力釜で約2時間かけて炊き、高めの温度に設定している保温ジャーで3日以上発酵させてから提供する。もちもちした食感でありながら消化吸収がよく、酵素の働きにより10日経っても腐らないという特徴がある。小豆と塩は本部から仕入れるが、玄米は独自に岐阜産の無農薬玄米の「ゆきまんま」と「コシヒカリ」を7対3でブレンドして使用している。もっちり感が強いゆきまんまの特性とも相まって、独特の味わいを引き出している。1日平均3升の酵素玄米を提供しているが、そのために2升入りの保温ジャー7個を装備している。店内には4個までしか置くスペースがないため、残りの3個は藤田氏の鍼灸院に置いている。

一番の人気商品は、その日の総菜5品目と、具だくさんのみそ汁、自家製漬物が付く「酵素玄米定食」(1,600円)である。総菜は毎日12~13品目(単品各500円)を用意しており、酵素玄米定食の場合は店側のおまかせで選んでいるが、苦手な食材がある場合などは調整してもらえる。この定食だけで30品目以上の食材が摂れ、食物繊維も豊富に含まれている。総菜作りは、スイス料理、フランス料理のほか、病院や介護施設などでも調理経験を積んだ長崎店長と、イタリアン出身の調理スタッフの岡田実氏が1週交代で担当している。旬の食材を採り入れた、和洋にとらわれないユニークなアイテムが登場するのが魅力となっている。

定食と人気を二分するのが「絶品オムライス」(1,200円)である。酵素玄米150gの上に、群馬の養鶏場から仕入れる平飼いの卵3個を使用し、豆乳を加えて端正に焼き上げたオムレツをのせたもので、オムレツの上にかけるソースは、トマトまたはカレーから選べる。ほか、「丼物」(鶏もも肉塩麹漬け丼、ローストポーク丼、各1,200円)、牛乳や生クリーム不使用の「豆腐クリームソースのドリア」(1,200円)、マイルドな味わいの「野菜だけのカレーライス」(1,200円)、酵素玄米をストレートに味わえる「癒しのお茶漬け」(800円)、「卵かけご飯」(800円)をそろえている。

客単価は1,400円で、昼は平均25人、夜は20人ほどが来店している。女性のひとり客が約7割を占めているが、3世代で訪れる家族連れも少なくない。

代表的な商品の「酵素玄米定食」(1,600円)。酵素玄米ご飯150g、本日の総菜5種(左奥は、切り干し大根のトマト煮。以降時計回りに、中に干しエビを入れただし巻玉子、アボカドの白和え、寄せ豆腐と納豆の芽かぶ和え、菜の花の辛子和え)、右奥が塩麹で漬けた自家製の漬物、4種ほどの具材が入ったみそ汁付きで提供。約30品目の食材を摂取でき、食物繊維も豊富に含まれている

コロナ禍による消費者の来店動向の変化を敏感に察知

オープン後しばらくは、夜は23時まで営業し、一品料理と酒類で居酒屋的な利用も誘引していた。静岡・御殿場で伝統的な製法で醸造され、一般小売りはせずにホテル・レストラン向けに販売されている無ろ過樽生ビールの「アウグスビール」(600円)のほか、ワイン、焼酎、ウイスキーなどもそろえている。また、好みのお酒1杯と総菜3種盛りがつく「ちょい飲みセット」(900円)も用意している。

しかしながら、コロナ禍により夜の利用状況は一変した。感染防止対策として出された営業時間の短縮や、アルコール類の提供中止といった要請を遵守し、10席あった客席も2席減らした。コロナ禍が一段落し、さまざまな要請が解除された後も、消費者の生活パターンが変わったため、アルコール類主体の利用や、夜の来店は大幅に減少している。

一方、コロナ禍を機に始めたテイクアウト販売は、現在もコンスタントな利用が続いている。「定食」(1,600円)、「オムライス」(1,200円)、「どんぶり」(1,200円)などのほか、「酵素玄米ご飯」(200g、400円)も販売している。時には酵素玄米ご飯のみ2~3kgを買い求める人もいるが、そのような場合は3~4日前までの予約に協力してもらっている。

同店が手間と時間をかけて仕上げる酵素玄米をメインに、ヘルシー志向のアイテムや総菜をそろえ、幅広い年齢層のリピーターを獲得している要因は、以下のようになるだろう。

  1. 炊飯後、3日間寝かせてから提供する酵素玄米を主力商品としている。
  2. 毎日12~13種類の総菜を用意し、常連客を飽きさせない工夫をしている。
  3. コロナ禍による来店客の飲食店利用パターンの変化に柔軟に対応している。

「酵素玄米は手間と時間がかかりますし、総菜を作れる人材の確保も大変です」と語る長崎店長。多店舗化は現実的ではなく、現店舗で常連客に支持される営業をこれからも続けていく考えだ。

(Text and shop photo by Food Biz, )

ちとふなごはん 玄(げん)
住所
東京都世田谷区船橋1-12-16
TEL  03-6413-1366
営業時間
11:00~LO.14:30、17:00~LO.20:30(日祝LO.20:00)
定休日
火曜日

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