繁盛店「焼肉バズーカF」代表・高倉 康人 氏に学ぶ「逆算の成功術」

新宿と東中野の人気店「焼肉バズーカF」を運営する株式会社ニーダリングの代表取締役・高倉 康人 氏。若干21歳で外食の猛者が集まる「外食虎塾」に入塾し、その後も「成功するために、今何をすべきか」を逆算して考え続けてきた彼に、これまでの歩みを聞いた。

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二手先・三手先を見つめる緻密な戦略を積み重ね、圧倒的なコストパフォーマンスの焼肉店を出店!

最高月商1,200万円の人気店「焼肉バズーカF」(新宿・東中野の2店舗)を運営する株式会社ニーダリングの代表取締役・高倉 康人 氏。高校卒業後に大手半導体メーカーに就職したが、理想の将来像を考えた末、飲食の道へ。若干21歳で安田 久 氏(元株式会社エイチワイシステム代表)が立ち上げた「外食虎塾」に入塾し、スター経営者たちの薫陶を受ける。その後、焼肉店での独立を決めた彼は、目標から逆算して「成功するために、今何をすべきか」を考えながら、スーパーマーケットや人気焼肉店などからさまざまなノウハウを学び、「焼肉バズーカF」での独立にこぎつけた。そんな彼に、独立までの歩みとこれからの展望を聞いた。

目次
半導体メーカー就職から、理想の将来を求めて飲食業へ
21歳フリーターの身で猛者の集まる「外食虎塾」に入塾
焼肉業態に魅力を感じ、スーパーや人気焼肉店で修業!
コロナ禍で独立!最高月商1,200万円超の人気店に
焼肉屋に尊敬される焼肉屋を目指して
「リーダー×一問一答」&「COMPANY DATA」

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半導体メーカー就職から、理想の将来を求めて飲食業へ

――飲食業を志すまでの経緯を教えてください。

高校は進学校でしたが、家庭の事情から就職を選び、北九州市にある世界的な半導体メーカーで工場勤務に就きました。油にまみれながら緻密な作業を二交替で行う現場で3年間働きました。給料はいいし安定した業界だったので、そこで頑張って出世する道もあったのかもしれません。でも、先輩たちの働く姿を見たときに、「何者かになりたい」と自分が思い描いていた未来とはどうしても重なりませんでした。「独立しよう、独立のために勉強しよう」と退職を決意。21歳のときでした。

1989年、福岡県出身。高校卒業後、大手半導体メーカーの工場に3年間勤務したのち、独立を模索して飲食業を学び始める。21歳で外食虎塾に入塾。複数の焼肉店で修業を重ね、2020年8月、1号店「焼肉バズーカF」を東京・西新宿に出店。2022年11月には2号店を東中野に出店し、さらなる展開を準備中。

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転職という道もあったはずですが、全く考えませんでした。誰かの下で働くのではなく、起業して自分のやりたいようにやりたかった。中学・高校ともに野球部のキャプテンで、高校では1年生からキャプテンをやっていましたし、目立ちたがり屋ではないけれど「仕切りたがり屋」なんです。自分で何かを動かすことが好きな性分でした。

でも、独立すると言っても家族や親戚に自営業者はおらず、身近にアドバイスをもらえるような存在もいませんでした。ただ、飲食業なら勉強しやすいと考えたんです。なにしろ外食をするだけで自然と料理や接客、内装などを客目線で学べます。アルバイトに入れば、運営方法を知ることだってできる。そんな業界は他にはなかなかないと思います。

21歳フリーターの身で猛者の集まる「外食虎塾」に入塾

――そのときから、戦略的に自分自身をアップデートしてきました。

アルバイト先は「何を学ぶために働くのか」を基準に選びました。学びたかったのは、ハイレベルな「調理」と「接客」。それらを、ノウハウが確立している大手チェーンで学ぶのが一番の近道だと思ったんです。そこで、しゃぶしゃぶと日本料理の「木曽路」でキッチンに、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」でホールのアルバイトを始めます。目的から逆算して「今、何をすべきか」を考えるのが癖になっていたのは、父から「何かを成しとげたいなら、戦略を持って経験を積み上げなければいけない」と言われていたことも影響していると思います。

安田さん(元株式会社エイチワイシステム代表)が主宰する「外食虎塾」に入塾したのもこのころです。外食のスター経営者に会えますし、他では得られない学びがあると考えて、福岡でアルバイトをしながら、月2回東京に通うことにしました。同期の塾生はすでに複数の飲食店を経営する30代以上の経営者ばかり。一方で僕は21歳のただのフリーターですから、場違いに目立っていました。ただ、わざわざ毎回福岡から来る気合いの入り方と、年齢以上に童顔だったこともあり、皆さん面白がってくれて、講師で来ていた松村 厚久さん(株式会社ダイヤモンドダイニング)には「大丈夫?中学生が混ざってるよ」とからかわれました(笑)。

外食虎塾では、先輩方の起業プロセスや成功談・失敗談などを聞き、自分が思い描いていた起業への道とは異なるリアルな現実を知ることができました。当時のぼくは、パソコン1つでできそうな外食コンサルタントを考えていたのですが、店の経営をしたことがない人間がコンサルなんて到底無理で、飲食業界で成功するなら、まずは店舗を経営することが王道だということに気付くことができました。

虎塾の講演で特に印象に残っているのは、ある経営者のエピソードで、独立開店の日に寝坊してご飯を炊き忘れたという話。経営者って全てを計算して完璧な存在だと思っていたので、そうでなくてもいいんだと思うと同時に、「そんな大事な日に寝坊する」という、ちょっと常識外れな部分があってもいいのかもしれないと思いました。

「外食虎塾」のメンバーと。安田氏(高倉氏の右側)など、外食業界の猛者たちから学んだ多くのことが高倉氏の今につながっている

焼肉業態に魅力を感じ、スーパーや人気焼肉店で修業!

――起業の業種として焼肉を選んだのはなぜでしょう?

そのころ、焼肉文化のパイオニアといわれた「食道園」の経営者の方とも知り合い、さまざまなアドバイスをいただくうちに、この人に焼肉を教えてもらえたらいいな……と。小さい子どもが「大好きなお兄ちゃんがやっている野球をぼくもやりたい」という感覚に近かったと思います。

そこで、今度は「焼肉店」を徹底的に学ぶために22歳で上京。社員でもないのに食道園の社員寮に入れてもらい、午前中はスーパーマーケットの精肉厨房でアルバイト。昼から夕方までは食道園で仕込みの見学。夕方から居酒屋、深夜は焼肉店で働きました。自分なりにカリキュラムを作り、食道園の仕込みを動画に撮らせてもらいスーパーの厨房で試しながら、肉の知識とカットの技術を磨きました。

それから半年ほど経ってから始めたのが、「焼肉トラジ本店」と「立食い焼肉 治郎丸」でのアルバイトです。本格的に焼肉業を学ぶために、しっかりした技術を持っている2店をチョイスし、スーパーの厨房バイトと掛け持ちしました。「焼肉トラジ」はチェーンのノウハウを個店で実践している点、「治郎丸」は当時勢いがあったことと10坪以下という小規模店から吸収できるものがあると考えたからです。この頃、ようやく数字勘が少しついてきて、焼肉業態がビジネスモデルとしていかに優秀かも理解するようになっていました。自分ならどういう店にするかをイメージするようになったのもこの頃です。

そして、独立への最後のピースが、「焼肉トラジ本店」の店長が独立起業した「おとしダレ 焼肉ウルフ」(東京・池袋、2015年)で開業準備を手伝ったことでした。店を1から立ち上げるプロセスを経験し、2016年には2号店(神田)を立ち上げて軌道に乗せたことで、ようやく自分が独立する準備が整ったと感じました。

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コロナ禍で独立!最高月商1,200万円超の人気店に

――創業店「焼肉バズーカF」は瞬く間に人気店になりました。

創業店の「焼肉バズーカF新宿店」。西新宿エリアの角地にあるビル2Fに2020年8月オープン。コストパフォーマンスの高さから徐々に人気を集め、2023年7月に最高月商1,200万円超を記録した

「焼肉ウルフ」で5年余りを過ごし、2020年8月3日、コロナ禍真っただ中に、東京・西新宿に「焼肉バズーカF」をオープンしました。実はこの日、東京都が飲食店に、初の時短要請を発出。「人生、終わったかも」と思うほどキツかったのですが、どこかで「これを乗り越えたら、ネタになる」と思う自分もいました。ぼくらの仕事って、不運も含めて自分に起きていることを「おもしろい」と思える部分があっていい。そのほうがうまくいくのではないかなと思います。

オープン当初こそ心配しましたが、コロナ禍でも徐々に認知が広がり、1年後には坪月商100万円を突破しました。そもそも、ぼくらは総合的に頑張っているので、他社他店に負ける理由はないと思っています。肉は個体差・部位・提供方法などの全てを勘案したうえで、1ミリ単位で切り方を変えています。接客ではどのような伝え方がお客様の満足感につながるのかを、徹底的に研究しています。立地も戦略的に選び、ネット検索で「新宿」というキーワードでヒットし、かつ家賃の安いギリギリのエリアを見極めました。

  • 「焼肉バズーカF」で最も人気の高い「並タン塩」(1,880円)。良質なタン元のみを使用しており、青森県田子町産の刻みニンニクをのせて食べるのがおすすめ
  • パイナップルをくり抜き、果肉と特製タレとともにハラミを漬け込んだ名物の「バズーカハラミ」(2,480円)も人気

どうすれば集客でき、売上が取れ、利益を出せるのかをシミュレーションして実践し、検証して吸収する――。それを積み重ね、商品力、接客、人材教育などそれぞれの分野でぼくなりの理論と方法論を作ってきました。それを表した教材も手作りしています。

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切り方・焼き方を計算した圧倒的な商品力で、最高坪月商108万円超!~焼肉バズーカF新宿総本店(東京・新宿)~

「焼肉バズーカF」でスタッフの育成用に使っている「部位の学習教材」。部位の名前を書いた牛のイラスト(写真右上)の上に、「サシの含有率が少ない部位」「カットの難易度が低い部位」「仕入れ単価が安い部位」などを黒く塗りつぶした牛のイラストの透明カラーシート(同左下)を重ねることで、「サシが多くて、カットの難易度が高い部位」など、部位ごとの特徴が学べるようになっている

焼肉屋に尊敬される焼肉屋を目指して

――2号店も順調です。今後の展望を教えてください。

2022年11月、JR東中野駅近くに2号店を出店。1号店が「一等商圏の三等立地」だったのに対して、2号店は「三等商圏の一等立地」。2号店が成功すれば、このブランドで勝負できるエリアが格段に広がると考えている

1号店は一等商圏の三等立地。日本で最も利用客が多い新宿駅エリアで手応えを掴んだので、逆にミニマムな数字を知るために、三等商圏の一等立地である東中野駅前に2号店を出しました。客層はほぼ近隣住民に限られ、集客も週末がメイン。新宿とは全然違う環境ですから、当然、繁盛のロジックが違いますが、1年ほどで月商1,000万円超まで持っていきました。東京で成功する2つ目のビジネスモデルを得たので、都内で出店できるエリアが格段に広がったと感じています。

ただし、今後は、人手不足や原材料費の高騰などを、どう客単価やオペレーションに落とし込んで成長路線を維持するかが課題です。通常なら「焼肉バズーカF」の都内展開を行うところですが、ぼくは二手先・三手先を行きたいので、異なるロジックの新業態を構築中です。社の発展のためには複数のブランドを走らせる必要がありますし、「焼肉バズーカF」より高単価で、人材教育にそこまで時間がかからないビジネスモデルを得れば、チャンスが広がるからです。

飲食業界の二極化は今後も進行するでしょう。でも、日本の外食産業は間違いなく世界一強いコンテンツです。現在、ぼくらの中では、人手不足に対応し誰に託しても繁盛する仕組みをどうつくるかの戦いが進行中。今はまだ追いかける立場ですから、勉強して勉強して現場に落とし込む――。このことに集中して、いずれは「焼肉屋に尊敬される焼肉屋」、おいしいのはもちろん「ノウハウがすごい!」と言われる焼肉屋になりたいと思っています。

リーダー×一問一答

■経営者として一番大切にしていること
倒産しないこと

■愛読の雑誌や書籍、Webサイト
全体的にぼんやりと様々なメディアに目を通す

■日課、習慣
脳内を稼働させる

■今一番興味があること
社会の仕組み

■座右の銘
結果が全て

■尊敬している人
エルル(友人)

■最近、注目している店舗・業態
大阪「万両」。店舗数に対するコスパとクオリティーの高さとその再現性

■COMPANY DATA
株式会社ニーダリング
東京都新宿区西新宿7丁目15番5号
https://yakiniku-bazooka.co.jp/
設立:2020年
ブランド数・店舗数:1ブランド、2店舗
従業員数:社員6人 アルバイト22人

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