くずし会席 けんび
埼玉 志木 会席料理
月2回のコース変更と地道な販促で、店の認知を拡大
都内のホテルや、銀座の割烹料理店などで料理人として修業した代表の今﨑謙仁氏が、気軽に会席料理を楽しんでほしいと2008年にオープン。志木駅からは近いものの、目抜き通りを越えた立地、しかもビル3階ということで、当初からある程度の苦戦は見込んでいたという。「予想以上に集客には苦労しましたが、味には自信がありましたので、一度来店していただければ気に入ってもらえると思ってやり続けた結果、徐々に認知されるようになりました」と今﨑氏。
やり続けたことのひとつが、コースメニューを月に2回変えること。「やはり、同じメニュー内容では飽きられます。来店頻度を高めるため、月に2回変えることはオープンのときから決めていました」。さらに販促も地道に続け、まずぐるなびでは、料理を中心に店内の雰囲気の良さをアピール。法事や慶事、記念日の利用を促すよう、本格的な和食店の高級感を打ち出すページ作りを心がけている。
地域住民に向けては、親近感のある店のイメージを定着させるため、3カ月に1回、新聞の朝刊に「けんび通信」という折り込みを入れている。「スタッフのコラムも掲載し、会席になじみのない方の店への敷居を下げたいと思いました」と今﨑氏。また、「けんび通信」にはコースの紹介や日替わりサービスの内容も記載しつつ、同時に店舗ページのアドレスも載せてより詳細な店舗情報へ誘導している。
手書きのDMを発行し、記念日需要を獲得
ぐるなびのクーポン利用客には住所・氏名・誕生日の記入を必須にし、顧客リストも作成している。現在、その約1,000名の顧客に対しては年に2回、手書きのDMを発送している。「誕生月のほか、いくつかのグループに分けて、異なる時期にもう一度郵送しています。一人ひとり違うメッセージも入れ、全面に写真を大きく使って作っています」。単なるDMではなく、美しい絵ハガキのようにして印象を強くする狙いだ。また、誕生月に送るDMには、来店時に抽選でプレゼントが当たることを明記。「5,000円のお食事券プレゼントなどもあり、ハズレはありません。これで会席の店でありながら、記念日需要の獲得につながっています」と今﨑氏。さらに予約客には、必ず卓上にウェルカムカードを用意。「これも手書きで感謝の気持ちを表わしています。ご予約いただいたコースの内容が書かれた紙も一緒にセットして、両方とも持ち帰ってもらっていいようにしています」。
現在、7~8割が事前予約で、30~40代以上のビジネス層や地元住民を中心に支持されている。地元の本格和食店として認知度もアップし、オープン以来、予約のみの対応だったランチ営業も、昨年の始めからは需要の多さを実感して通常営業に変更。ゆっくりランチを楽しみたい地元の主婦のニーズを捉え、2,000円の「昼会席」や、要予約の3,500円の「けんび会席」を中心に、口コミが広がり好調だ。こちらも月に2回、料理の内容を変え、リピーターに飽きられない努力を続けている。
「とにかく、まじめな店でありたい」と今﨑氏が語るように、客とのつながりを大切にし続けてきた結果、得た成功だ。
ここがポイント!
埼玉県志木市本町5-24-17 アルバビル3F
http://r.gnavi.co.jp/e008100/