創作居酒屋 はこぶね
北海道 札幌・琴似 居酒屋
注文と再来店を喚起する様々な仕かけを考案
札幌市営地下鉄・琴似駅から1分の地下に、2010年5月にオープン。少人数用の個室、半個室、30人規模の座敷席、カウンターがあり、周辺企業に勤める30~40代のビジネス層を中心に、プライベートから法人の宴会利用まで、多様なシーンで幅広く利用されている。
「売りは鮮度抜群の魚介と、希少な数量限定ものを含む日本酒の品ぞろえ」と料理長の山口聖也氏。魚介類は北海道はもちろん、九州各地からも「神経抜き」というシメ方で鮮度を保ち、空輸で仕入れている。日本酒はレアものを含む各地の地酒30種類を取りそろえ、本格焼酎や梅酒のラインナップも充実させている。
これら売りの商品を、様々な仕かけで打ち出しているところが同店の特長。例えば「鮮魚5点盛り」では、「幸せになれるはこぶね鮮魚盛り」として、複数のサービスを提供する。実は5点ではなく10~12点盛りにしていること、間をおいて醤油からわさび塩で食べることをすすめること、残ったツマはサラダに作り直すことなどだ。幸せになるサプライズ満載のサービスが、店の印象度アップにつながっている。
日本酒では利き酒セットを作り、いろいろな地酒を少しずつ味わってもらえるように工夫。また、銘柄ごとの特徴をイメージできるチラシを手作りし、オーダー数アップにつなげている。また、オープン時からの地酒の累計販売数を店舗入口前の階段に掲示。10杯単位でキリのいい数になるとベルを鳴らして店全体に知らせ、客の興味をかきたてている。さらに、女子トイレなどに「メニュー表にない梅酒あります」と表示して女性客に梅酒をアピールしている。
同様に、再来店を促す仕かけも豊富。次回来店時に使用できる手書きのクーポンを数種類用意し、客に自由に選んでもらうのもその一つだ。「お客様に、入店・飲食・退店のすべての場面で"ワクワク感"を持ってもらいたい」と山口氏。「帰るときにどんな気持ちになっているかを考えながら、アイデアを練る」と語る。
メルマガやフェイスブックなど情報発信の手段も多彩
ぐるなびにはオープン時から加盟。飲み放題付き4,500円の「はこぶねコース」などのコースプランを打ち出して、主に企業の団体利用を獲得している。また、ぐるなびタッチを活用して会員登録を促すとともに、「レストランメール配信システム」を利用して、約100名の会員に月1回、メールマガジンを配信。5月は「オープン周年記念フェア」、6月は「ウニフェア」など月がわりの企画をメルマガでアピールし、リピートを促している。さらに、店のフェイスブックページを始め、例えば、朝の魚市場で買い付けた魚を写真付きで掲載し、「今晩、店に出します」などと告知。様々な手段で情報を発信している。「SNSは親しい常連さんへの発信ですが、そのお客様を通して、回りの人たちにも情報が広がっていると実感しています」(山口氏)と手応えは上々だ。
常に、あらゆる面でブラッシュアップを目指す同店。覆面調査で得た店への不満をすぐに改善し、どう改善したかを店内で公開して信頼感のアップを図るとともに、店への要望を書き込める用紙を置いて、接客力のアップに活用している。食材の面でも、魚以外にもこだわり、京都の「百日鶏」、山形の「米の娘豚」といった銘柄肉の仕入れルートを開拓。さらに自社農園を開いて、店で使う無農薬野菜の栽培にも乗り出している。アラカルトメニューの開発にも力を入れ、2日間煮込んで作る「十勝ポークの角煮」などの人気メニューを生み出している。「地元の人たちにもっと愛される店になりたい」と山口氏。さらなる進化を計画中だ。
ここがポイント!
北海道札幌市西区琴似1条5-4-17
ロイヤルホープビルB1
http://r.gnavi.co.jp/h297700/