Vol.178
店舗調理力が必要な「狭き門」こそ、優良フランチャイズの条件
フランチャイズ(FC)の本部としてのあるべき姿について、
前回
、
前々回
にお話しをしましたが、今回は逆に「いいFCの見分け方」についてお話ししましょう。
外食は、他のビジネスと比べると、投資額が小さいですから、FC本部の数は数えきれないほどあります。手持ちの資金が200万円あれば開業できるFCもあれば、「3億円の投資が必要です」というところもあります。
投資が小さくて、 儲かるFCがベストのFCと言えますが、現実はそんなに甘いものではありません。本部の甘い言葉には、くれぐれも注意をしなければなりません。
いいFCを見分ける第一のポイントは「厳しい」ということです。まず、狭き門であることです。フランチャイジーの希望者は多いのに、なかなか許可を出してくれないところ。そして、許可を出すに当たって“厳しい要求”を出してくるところです。こういうFC本部があれば、かなり有望です。
すんなり許可が出るところは、危険がいっぱいと考えておいた方がいいでしょう。FC開始の歴史が浅く、店舗が少ないところも要注意です。古くても店舗が多ければいいというものでもありませんが、やはり「時の試練」を経ているということは大事です。
外食は、流行り廃りの激しいビジネスですが、その中にあって一定の期間、主力商品が市場で受容されていたということは、ビジネスとしての持続性がある、ということですからこれからもやっていけるという、1つの保証になります。
しかし、新しい商品がいけない、ということではありません。少し前タピオカドリンクが盛り上がりました。大方の店は消えてしまいましたが、「Gong cha(ゴンチャ)」だけは、店数を増やして成長を続けています。ゴンチャの成功の要因は1つではありませんが、主力商品の独自性とカスタマイズの楽しさが強く支持されたことは間違いありません。
ブームにすぐに飛びつくのではなく、ブームの中で最強の、そして、生き残る力のあるチェーンを見つけることが大事です。その意味では、突出して強い商品を持っているかどうか、がFC選択の最優先ポイントということです。商品力のないFCは、お話になりません。
ではその商品力ですが、一定程度の店舗調理力を必要とするFCを選ぶべきでしょう。モノを並べて売るだけの店は、運営は簡単ですが、“簡単”ということは、“バリアが低い”ということです。つまり、売れてもすぐに競争相手が増えてしまいます。
スキルを持った従業員がいなければ、その商品を生み出せない。そういう仕組みになっていることが大事なのです。その調理力があるから、商品の独自性がキープできるのです。「コックレスで簡単」は、危険がいっぱいです。「そんな面倒なことまでやらせるの?」とフランチャイジー希望者が反発を覚えるところが、強いFCである可能性が高いということを肝に銘じておいてください。
ただし、そのスキルを身に付けるための教育・訓練制度が本部にあることが条件になります。研修施設はあるか、実践でスキルを身に付けるための教育・訓練店舗はあるのか。こういう点はしっかりチェックしておかなければなりません。
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妥協なき頑固さを見抜け!複数のFCオーナーに会って、話を聞くこと
最良のFCは、ちゃんと儲かっている直営店を差し出してくれるところですよね。実際にそういうFC企業もあります。ただし、その多くが「社員FC制度」を持っていて、社員をフランチャイジーとして独立させて、直営店を引き渡すところがほとんどです。
普通のFCでは、フランチャイジー希望者が物件を見つけてきて、本部にチェックしてもらうか、本部が候補物件を紹介するか、のどちらかです。この時にFC企業の実力が出ます。物件紹介能力、物件チェック能力です。
立地は外食業の「命」ですから、ここで甘い判断=ゴーサインを出すようなFC企業は信用できません。つまり、妥協を知らぬ頑固さを持ち合わせていなければなりません。立地の査定が厳しければ厳しいほど優れたFCであると言っても過言ではありません。
ある、ハンバーガーチェーンでは、1級の物件であっても袖看板(そでかんばん)が出せない、というたった1つの理由だけで、その立地への出店を断念しています。また、優れたチェーンほど、店舗の規模と形が標準化されています。大きすぎれば家賃と人件費が多くかかりますし、小さければ売上過少になります。標準店の立地と規模と形が明確になっているかどうか、それに対して中途半端な妥協をしないか。ここでもチェーンの“鼎の軽重※(かなえのけいちょう)”が問われます。
※支配者や権力者の実力・権威を疑い、その地位を奪おうとすることや、力量を試すことを意味する故事成語
優良FC本部は必ず、優れたスーパーバイザー軍団を持っています。フランチャイジーの営業に目を光らせて、調理、サービス、クレンリネス、つまり全てのオペレーションに関して厳しい指導を行います。しかし、厳しいばかりでは困ります。フランチャイジーと一緒に目標を持ってステップ・バイ・ステップでレベルを上げてくれる。「優しいスーパーバイザー」の存在がなければなりません。優れた商品を持っていても、卓越したフォーマットを持っていても、オペレーションを指導する優秀なスーパーバイザーがいなければFCは機能しません。こればかりは実際にやってみなければ分からない面があります。
そこでお勧めするのは、FC店訪問です。実際にFCをやっているオーナーに会って、実情を聞くのです。これがそのFCの実力を知る最良の方法です。1人では足りません、少なくとも3人。そしてその中には複数店を経営しているオーナーが含まれていなければなりません。実際にやっている人が一番確かな情報を持っています。当たり前の話ですが、長所も欠点も知り抜いています。
オーナーとの接触を嫌がるFC本部もありますが、もしそうであればその1点で重大な欠陥を持ったFCである、と判断してもいいでしょう。万全の事前調査が、FC成功の一里塚です。
大事なお金をFC事業に投資するのですから、焦らずにじっくりと全方位から検討しましょう。何よりも大事なのはそのFCビジネスが自分に合っているかどうかです。長く続けることができるかどうかです。儲かればいいというものではありません。相性が一番大事なのです。
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