炭火焼とライブ感ある料理の打ち出しで集客アップ

弁兵衛 立町店‐炭火焼き&炉端焼きをメインにした居酒屋。個室席には囲炉裏を置いて、他店との差別化を図り、「おいしい瞬間と風味を楽しんでいただき、ライブ感を感じてほしい」という。

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弁兵衛 立町店

広島 中区・立町 居酒屋

1階には刺し場と焼き場、2つのカウンター。目の前で調理するライブ感が楽しい

囲炉裏がある寛ぎ空間と炭火焼で他店と差別化

2011年7月に炭火焼き&炉端焼きをメインにした居酒屋として、広島電鉄市内線が走る相生通りに面した好立地にオープン。1階には焼き場と刺し場の2つのカウンター、2、3階には全席に囲炉裏がある座敷席を設置し、カウンターでの一人飲みはもちろん、少人数から最大50人までの個室宴会も可能だ。内装の一部に古民家の建具などを利用して、懐かしくも高級感のある和の空間を創出。腰を据えてゆっくりと飲みたい30代後半以上の男性ビジネス層や、企業の接待利用を中心に集客している。

「店のテーマは炭火焼です。個室席に囲炉裏があるのは、お客様においしい瞬間と風味を逃さず楽しんでいただきたいのと、炭の火を目の前に置くことで、ライブ感を感じていただくためです」と、マネージャーの寺脇勝氏。お好み焼などの鉄板料理が多い広島で炭火焼にこだわり、他店との差別化を図った。

なかでも2012年から看板メニューとして打ち出した「自家製ワラ焼き かつおの塩たたき」は、高知の郷土料理「かつおのわら焼き」をベースに開発した、炭とわらで燻す香りが食欲をそそる一品だ。これをぐるなび店舗ページで前面にアピール。さらに、ランチの定食メニューにも加えたところ、徐々に認知が高まり、ファンが増えたという。昼から夜への誘導にも成功し、今では名物メニューとして、集客アップに大いに貢献している。

商品力とわかりやすいアピールでリピートを促進

同店ではかつおのワラ焼きのほかに、「弁兵衛炊き餃子」「うにホーレン」「一夜干し」などの名物料理を、メニューブックでわかりやすく打ち出すとともに、「今月のおすすめ」として、県産食材をはじめ、全国の旬の素材を使った料理を毎月約20品目そろえている。「来店すれば、必ず何かおいしいものに出会えるとお客様に思っていただくことで、リピートにつなげたい」と寺脇氏。

そのため、初来店客にはまず名物料理とオリジナルドリンクの「瀬戸内シトラス」をすすめ、再来店の客には、「今月のおすすめ」や、「牛煮」「角切り牛タン大串」「うに玉めし」など、リピーターに人気のメニューを案内。他店では味わえない逸品の味と、アピール力で客を惹きつけている。

さらに、飲み放題付きで4,000~8,000円のコースを設定。忘年会では鶏つくね鍋、地穴子の味噌鍋など、4種類の鍋を用意し、仲間内の気軽な集まりから特別な接待まで幅広いニーズに応え、高単価の宴会も獲得している。また、観光客や、県外客をもてなすための接待を意識し、広島の名物・名産で構成する「広島厳選コース」を考案。特にカキは地元の業者から直接、朝採れを仕入れて鮮度と品質を追求し、人気を博している。

接客では、スタッフがこまめに客席に足を運び、炭のメンテナンスと食べ方を案内。炭火焼料理をよりおいしく味わってもらえるよう気を配るとともに、客とのコミュニケーションを深めて、店に親しんでもらおうと努めている。今後も、売りとなるメニュー開発をさらに進めて、一層魅力ある店への成長を目指す。

ここがポイント!

一番人気は名物「かつおのワラ焼き」
静岡・焼津産のかつおを使い、炭とわらで燻し焼きにする「自家製ワラ焼き かつおの塩たたき」。味はもちろん、豪快な火柱と香ばしさが魅力で、リピーター続出の人気メニュー。
囲炉裏がある高級感のある個室空間
2、3階の座敷席にはすべて囲炉裏が設置してあり、特別な味わいのある和の空間を演出。懐かしさが漂うとともに高級感があり、接待や宴会ニーズの獲得に貢献している。
売りがひと目でわかるメニューブック
4つの名物料理をわかりやすく掲載したメニューブック。初来店客に必ず勧め、店の売りがひと目で伝わるよう工夫。再来店客には、旬の食材を使った期間限定のメニューを案内する。
注文率が高いドリンク「瀬戸内シトラス」
初来店客に必ず勧めるオリジナルドリンクが「瀬戸内シトラス」。瀬戸内産の柑橘系フルーツ数種を絞り込んだ半凍結の酎ハイは女性にも人気で、客単価アップにつながっている。
エリアの特徴
同店を含む紙屋町・八丁堀エリアは、金融系の企業ビルのほか、百貨店、商業施設、飲食店が立ち並んでおり、その南側は中国・四国地方最大の繁華街となっている。ビジネス層のほか、買い物客や観光客でにぎわう。
弁兵衛 立町店
広島県広島市中区立町1-27
http://r.gnavi.co.jp/y079605/