肴や一蓮 蔵
北海道 札幌・すすきの 居酒屋
質の高い食材でここでしか食べられないメニューを開発
2003年6月、すすきの駅近くのビル8階にオープン。徹底的に食材にこだわり、40~60代の男性アッパービジネス層を中心に支持される人気店だ。県外客の利用を含めて接待利用が多く、また、舌の肥えたリピーターも多いため、羅臼のぶどう海老、鵡川(むかわ)の生ししゃもなどの海産物をはじめ、襟裳の短角牛や滝川の生ラム、七飯(ななえ)町で採れた王様しいたけなど、道内でも希少なブランド食材を生産者と直接取引で仕入れて提供している。
「せいろ蒸しや溶岩焼きなど、素材の味を引き出す調理法を追求しています」と、マネージャーの遠藤志保子氏が話すメニューでは、毎日替わる「本日のおすすめメニュー」も人気。また、飲み放題付きの接待会席コース(6,000円)や地酒のラインナップも毎月変更し、来店客の約半分がコースを利用する。
生産者と直接取引する食材は年々増え、店内掲示やメニューブックでは食材の特徴に加え、生産地や生産者も紹介する。
「例えば、王様しいたけはその香りやうまみの素晴らしさにも関わらず、流通経路に乗らなかった食材です」と、遠藤氏。スタッフはそういった食材の知識や特徴を覚え、接客に活かしている。「食材一つひとつにストーリーや生産者の想いがあります。それをお客様に伝えるのも飲食店の使命のひとつ。食材の価値が伝われば、お客様により高い満足度を提供できると考えています」。
22時以降のそばメニューとお土産用商品が好評
激戦区のため、オープン当初は地元の紙媒体、ポスティングやDMで新規客の誘導を図った。その後、2004年11月にぐるなびに加盟してからは、Web販促を最大限に活用している。店舗ページでは生産者や食材、メニューの特徴を詳細に掲載。ビジネス層の宴会を中心に、女性客の誘導にも手応えを実感している。「ぐるなびでは毎月変わるコースの情報をリアルタイムで発信しています。ぐるなびスーパー『ぐ』ポイントでの決済も増えていますね」。また、名刺交換などで得た顧客データは、リピーター宛てのDM送付に活用。「必ず手書きのメッセージを添えて送っているので、再来店の確率は極めて高いですね」。
ほかにも、リピーター獲得に向けた工夫が満載だ。「例えば、珍しさもあって人気の『音威子府(おといねっぷ)そば』のメニューを22時以降は増やしています。そばだけを食べに来る2軒目以降の利用も獲得して、遅い時間帯の集客力を上げています」。
さらに、以前は寿司職人だった料理長が作る寿司の折詰をはじめ、テイクアウト商品も強化して好評だ。その火付け役となったのが、甘エビ、帆立、タラバ蟹の3種のソースがある「ふわとろシュウマイ」(6個960円)だ。来店客からの「お土産に持って帰りたい」という要望に応えて始めたものだが、ぐるなびスーパー「ぐ」ポイントで購入する人も増えるなど、着実に販路を拡大している。「店舗営業のほか、商品のブランディングも進め、デリバリーや通販にも積極的に取り組んでいきたいですね」と、遠藤氏。今後の戦略、そして、ますますの進化が期待される。
ここがポイント!
北海道札幌市中央区南4条西4 すずらんビル別館8F
http://r.gnavi.co.jp/h059600/