Sanchaすずらん食堂
東京 世田谷区・三軒茶屋 ワインバル
独自製法の熟成肉は9割を超えるオーダー率
“さんちゃ”の愛称で親しまれ、住みたい町ランキングにも常に名を連ねる三軒茶屋に、2012年5月オープン。多くの飲食店が集まる駅前のすずらん通りにあるワインバル「Sanchaすずらん食堂」は、楽しさと遊び心をコンセプトに、人の流れが絶えない恵まれた立地で、ビジネスマンを中心に幅広い年代に利用されている。
人気のバル業態として他店と差別化する店の売りは、独自の製法で開発し、特別にオーダーした専用の熟成庫の中で作る「熟成肉」だ。熟成庫は店内のカウンター脇に設置され、外から肉の熟成過程が見られることから、客の目を引き付ける。店長の丸内拓也氏は、「肉に米麹を塗って熟成させると、アミノ酸が増えて旨味が凝縮され、マイルドでジューシーな熟成肉ができあがります」と、おいしさの秘密を説明する。現在は牛のサーロインとランプ、豚ロースと3種類を提供。「熟成肉3点盛り合わせ」も用意して、看板商品をアピールしている。
そんな売りのメニューを確実にオーダーしてもらい、客をつかむために徹底しているのが、“ウエルカムトーク”だ。「初来店かどうかを確認し、初めてのお客様には熟成肉について丁寧に説明します。この最初のトークのおかげで、熟成肉のオーダー率は90%以上になっています。これをより100%に近づけていきたいですね」と語るのはCONOWORLD株式会社・事業部長の山下智彦氏。また、「熟成肉は、肉がきれいなロゼ色になる“ロゼ焼き”で提供しています。そのため、最初にオーブンで焼いた後に、旨味を閉じ込める寝かしの時間が必要です。提供までに少し時間がかかることも説明し、その間に『牛ほほ肉の赤ワイン煮』など、他のおすすめメニューのオーダーを促しています」と話す。
もうひとつの店の売りであるワインは、産地や味の特徴を書いた紙を付けて、ボトルを店内の壁に並べている。そろえている種類も多く、様々なワインと熟成肉をはじめとした料理とのマリアージュを提案している。
遊び心と話題性で客を楽しませ、リピート率をアップ
売りのメニューを知ってもらった後は、再来店への仕かけを考えた。まず、980円で時間無制限生ハム食べ放題など、毎月イベントを開催。さらに店内にワイン樽を置き、セルフサービスで樽出しワイン2種とスパークリングワイン2種の時間無制限飲み放題(1,980円)も始めた。「どちらも話題性とコストパフォーマンスの高さを感じてもらえています」と山下氏。
ぐるなびでは、団体予約の獲得に重点を置いている。「忘年会特集などに参加することでPVが上昇し、集客に効果を実感しています」と丸内氏。案会のリピーターを得るためにはグランドメニュー、コースメニューともに3カ月に一度、料理内容を変えてアピール。今年5月1日~7日には、「1周年感謝祭」と題した大規模な周年イベントを開催。こちらも店内やぐるなびで告知して、成功をおさめた。
店内には様々な貼り紙やPOPがあり、賑やかさを演出しているが、最近ではメニュー表をフリーペーパー風の作りにリニューアルし、持ち帰りも可能にした。「バル業態ですが熟成肉をはじめ、大皿で出す料理が多いので、テーブル周りはなるべくすっきりさせたいと思い、メニュー表を上から吊るすようにしました。珍しさと遊び心が受けて好評です」と山下氏。天井には竹をオブジェ風に巡らせ、そこに多彩な料理写真を吊っているのも楽しい。
ワインと並んで人気の自家製サングリアは女性客に好評で、女子会などのニーズもターゲットに、今後の可能性が広がる店だ。
ここがポイント!
東京都世田谷区太子堂4-22-12 平成ビル1F
http://r.gnavi.co.jp/p413606/