CASE1男性用と女性用のページを用意。1人に1冊渡して客単価アップ!
【東京・三越前】VINOSITY maxime コレド室町2
女性向けページのカギは、イラスト&客目線コメント
ラテン語で“ワイン好き”を意味する「VINOSITY」を店名に掲げ、日本でワインのファンを増やすことをコンセプトにしたワイン居酒屋。メニューブックは「VINOSITY」系列3店舗で共通のものを使用している。
運営会社である株式会社シャルパンテ代表取締役・藤森真氏は「メニューブックには店のコンセプトを含めて、いろいろな情報を詰め込もうと思いました」と語る。フルカラー、全32ページの冊子には、料理はもちろん、使用する食材の生産者情報や、ワインに関するQ&A、スタッフ募集の告知など盛りだくさんの内容。情報誌と呼んでも過言ではないボリュームだ。
このメニューブックは、来店客全員に1冊ずつ渡している。「1卓1冊ではなく、1人1冊メニューを提示したほうが、客単価が上がると考えているからです」と藤森氏。メニュー選びを人任せにせず、各自が食べたいものをオーダーすれば、注文数は確実にアップする。仮にそのときオーダーしなくても、気になる料理を発見する確率が上がるので、自然と再来店につながるのだ。さらに、このメニューブックは持ち帰りも可能にしている。これは友人や家族、同僚の目に触れさせることで、店を知らない人に存在をアピールする狙いがあるという。
メニューブックで料理を掲載しているのは、32ページのうち6ページのみ。その6ページ中2ページは男性、4ページは女性に見てもらうイメージで制作(掲載料理は共通の30品)している。男性向けの見開きでは、一度にいろいろ注文できるように前菜からメイン、デザートまでを写真付きで紹介。一方女性向けの4ページでは、イラストや補足コメントで料理を紹介するほか、相性のよいワイン(赤・白・ロゼ)をアイコンで表記するなど、興味を引いてオーダーを促す。さらに「シェフのこだわり」などカテゴリー分けもされており、複数のカテゴリーで紹介しているメニューもある。これにより、1つのカテゴリーが読み飛ばされても、ほかで目に止まる可能性を高めている。
料理以外のページで目を引くのが、生産者情報だ。「ヴィノシティ食材の旅」と題し、食材作りに真摯に取り組む生産者を紹介。食材にまつわるストーリーを伝えることが、来店客の満足度アップにもつながる。このメニューブックは生産者にも送付しており、店との信頼関係を深める役割も果たしている。
ほかにも、ワイン初心者向けのQ&Aなど、ワインの楽しみ方を幅広く伝えるページを用意。後半にはスタッフ募集のページも入れた。「このメニューブックはリクルーティングツールでもあります。お客様のなかには同業者も少なくないですし、来店を機に当店に興味を持ち、スタッフとなる可能性もあると考えています」と藤森氏。社内イベントや社員旅行、生産地見学などの様子を写真入りで紹介し、職場やスタッフの雰囲気を伝えることで、人材獲得にも役立てているという。
「当店のメニューブックは優秀な営業ツール」と言う藤森氏。同社のホームページでダウンロードできるようにするなど、店の売りやコンセプトを伝えるアイテムとして活用している。