2016/04/12 特集

注文・売上が増えるポイントは? 繁盛店のメニューブック大研究(4ページ目)

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CASE3おいしく食べるための「食べ方指南書」を接客時の説明でも活用!

【大阪・天王寺】やきにく 萬野 本店

背景を黒にして赤い肉の色が引き立つよう工夫。肉の写真は大きく、アップで使ってアピール力を高め、説明文はわかりやすさを重視

「肉のプロ」としての知識と想いを伝える構成

食肉卸業などを営む株式会社萬野屋が運営する「やきにく萬野本店」。JR大阪環状線の高架下にあり、周辺の地元住民や天王寺などで働くビジネス層を中心に愛されている。同店のコンセプトは「本当においしいお肉の味や食べ方を伝え、お客様のお腹と心を満たす食事を提供すること」。現在のメニューブックにも、この想いが随所に表現されている。同店は昨年10月、牛肉の高騰を受けて価格を変更。また、盛り合わせメニューの数を増やすのに伴い、メニューブックをリニューアルした。その際、ABC分析を行い、追加や削除するメニューを検討。人気が高かった「盛り合わせ」などのメニューは、以前より写真を大きく使って目立たせるほか、各ページの内容がわかるインデックスタブを作った。

そんな同店のメニューブックで目を引く工夫が「食べ方指南書」。店がおすすめする食べ方をはじめ、焼き時間や焼き方などを掲載しており、ここに書いてある内容を接客時に説明することでより関心を引き、オーダーにもつながっているという。ホール主任の萬野敏輝氏は「例えば『赤身』のページに掲載している『食べ方指南書』では、味付けせずに焼く『素焼き』と『塩焼き』『たれ焼き』という3つの焼き方について紹介しています。当店では、肉ごとに焼き方を選んでいただいているので、ファーストドリンク提供後に3つの焼き方についてメユーブックを見せながら説明をするようにしています」と話す。「素焼き」した肉をオリジナルのだし醤油で食べるのがいちばんのおすすめだが、「塩焼き」や「たれ焼き」が合う部位もあるので、オーダーのたびに来店客の好みを聞いたり、各スタッフのおすすめの焼き方を伝えて、よりおいしく食べてもらえるように工夫している。

一方、メニューブックの構成やレイアウトにも、食肉卸業を基盤とする同店ならではのこだわりが感じられる。表紙を開いた最初のページには「萬野和牛」の言葉とともに、同店で扱う肉のコンセプトを提示。「未経産牛で30カ月以上の長期飼育をしたもの」など、牛肉へのこだわりをアピールしている。次の見開きでは、店が「もっとも食べてほしい」と考えている「盛り合わせ」メニューを掲載。その後、人気が高い「赤身」「塊焼き/焼しゃぶ」のページへと続く。「赤身」を目に止まりやすい前半に掲載しているのは、写真の色鮮やかさとインパクトで期待感を高める狙いもある。

また、「ホルモン」のページには豊富な種類が伝わるよう、各部位を写真と文章で紹介。「日替わりホルモン盛り合わせ」(45g×4種/1000円)には“お得です”の表示を付け、コストパフォーマンスの高さをアピールし、高い注文率を誇っている。「お客様にお得感を感じてもらえると自信を持っているので、お得マークをつけました」と萬野氏は笑顔を見せる。

そのほか、紙や黒板にその日のおすすめ部位などを書いており、こちらも接客時に会話のなかでお得感をアピールし、オーダー数をアップ。牛肉の知識を凝縮した「牛図鑑」も制作するなど、こだわりを伝える取り組みで多くのファンを生んでいる。

POINT1 おいしい食べ方をわかりやすく指南  肉をよりおいしく食べるためのアドバイスを「食べ方指南書」として掲載。イメージしやすいように写真を使い、焼き方や焼き時間などを解説。肉を焼いている写真を掲載することで、食欲を刺激し、注文数もアップ!
POINT2 部位やジャンルでページを分け見やすいインデックスで誘導  「赤身」や「タン・ハラミ/ホルモン」「ドリンク」など、部位やジャンルごとにページを分け、ページ下にわかりやすいインデックスタブを付けて誘導。ページの順番は「来店客に食べてほしい順」を意識している
その日のおすすめ部位などを書いた黒板メニューは、来店客全員に必ず説明。お得な盛り合わせの内容などを会話で直接伝え、注文率アップ
いちばん注文してもらいたい「盛り合わせ」のページ。インパクトのある大きい写真で、目を引くことでオーダーにつなぐ
希少部位も含め、牛肉の各部位を紹介する「牛図鑑」を制作。希望する客に見せて会話のきっかけにするほか、スタッフの教材としても活用
ホール主任
萬野 敏輝氏接客や人材管理などのマネジメント業務に従事。父である株式会社萬野屋代表取締役・萬野和成氏の店づくりをサポート。
やきにく 萬野 本店
大阪府大阪市天王寺区勝山4-10-25
http://r.gnavi.co.jp/kbmc200/客層は30~40代がメインだが、20代やシニア層も少なくない。土・日曜日はファミリーを中心に賑わい、平日は仕事帰りのサラリーマンのグループなどが来店。掘りごたつの座敷席のほか、カウンター席もあり1人でも気軽に入れる。

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