2018/04/10 特集

どう集めて、どう活かす? ファンを増やす顧客情報活用術(2ページ目)

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誕生月用のDMで来店間隔が空いた客の再来店を促進

【東京・大井町】屋台屋 博多劇場 大井町店

会員になった人には、特典付き誕生月カード(写真)を渡し、その場で名前と住所などを記入してもらう。誕生月の前月に送付し、リピートにつなげている

会員登録に必要な情報を最小限に抑えて入会促進

屋台のような雰囲気のなか、名物の「鉄鍋餃子」(6個290円)などを楽しめる「屋台屋 博多劇場 大井町店」。同店がビジネス層を中心に高いリピート率を誇る背景には、お得な会員制度と顧客情報の有効活用がある。

「屋台屋 博多劇場」では、系列全店共通の会員(入会金200円)を集めており、会員数は約1万人。入会方法は、専用アプリをスマートフォンなどにインストールして、「ニックネーム」「性別」「誕生月」「入会店舗」を登録するだけ。名前や住所、メールアドレスなどは不要で、登録のハードルが低いのも特徴だ。会員には、「名前に『さくら』が付く人が来店するとドリンク1杯無料」などのお得な情報が配信されるほか、来店回数に応じてアプリにスタンプが貯まり、その数に応じて特典が付く仕組みだ。

また、入会したタイミングで、誕生月に持参すると年齢分の餃子が無料になる「誕生月カード」(ハガキ)も渡す。「その場で住所などを記入してもらい、カードは店で保管。それぞれ誕生月の前月末に送付して再来店につなげています。この誕生月カードは、常連の方はもちろん、来店の間隔が少し空いている方に『こんな店があったな』と思い出してもらう効果があり、実際に利用率も高いです」と、店長の太田真二氏。こうした取り組みが奏功し、連日リピーターが来店。客単価は約2400円(会員は1900円)と高くはないが、4回転する日もあり、上々の売上を記録している。

各テーブルには会員特典の内容をまとめたPOPを置き、入会を促している
来店客におしぼりを渡す際に、会員かを確認。興味がありそうなら、詳しい説明も行う
会員には「名前に『さくら』が付く人はドリンク1杯無料」など特典を配信し、再来店を促進
10回来店した会員には、餃子が累計100個分無料になるカード(来店は何度でも可)を贈呈
店長(※取材時)
太田真二氏「屋台屋 博多劇場」の系列店に勤務後、営業職を経験し、再び飲食業へ。大井町店の店長を務め、春から「青物横丁店」店長に就任。
屋台屋 博多劇場 大井町店
東京都品川区大井1-9-4
https://r.gnavi.co.jp/h4dtv84j0000/大井町駅から徒歩1分の立地に、2017年6月オープン。博多の屋台をイメージしたつくりで、平日はビジネス層、土・日曜日はファミリーを中心に集客している。

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