「出汁割り」を新しい日本の飲酒文化に。幅広い業態へ展開
なぜ今、飲食店で「出汁割り」なのか
日本酒の課税数量(酒蔵から出荷された総量)はピーク時の1973年と比較して約4分の1(78%減)にまで減少しており(※1)、業界全体で新たな需要開拓が急務となっている。そうした中、総合酒類卸の榎本酒類株式会社が着目したのが「Z世代の体験型消費」と「インバウンド需要」の2大市場だ。
近年の調査によれば、Z世代の飲酒意向は外食空間での「体験」と結びついた際に高まる傾向(※2)がある。また、訪日外国人客にとって出汁(うま味)と日本酒は、いずれも高い関心を集める日本食文化の象徴である。こうした背景について、同社常務取締役・営業本部長の榎本 泰幸 氏は「この2つの需要を掛け合わせた『出汁割り』は、単なるドリンクメニューにとどまらず、その店舗が引いた出汁の味覚を体験する一杯として、強い訴求力を持つと考えています」と語る。
出汁割りの汎用性は和食や居酒屋にとどまらない。中華料理店の鶏ガラスープ、洋食店のブイヨンやコンソメ、ラーメン店の魚介スープなど、各業態が普段から料理に使用している仕込み出汁を活用可能だ。自店の味覚をそのまま看板メニュー化できるため、洋食や中華といった従来日本酒が動きにくかった業態でも、独自のアルコールメニューとして展開できる。プロジェクトでは、こうした「店舗ごとの仕込み出汁」を軸に、「出汁割り」を新しい日本の飲酒文化として、幅広い業態へ広げていく構想だ。
(※1)出典:国税庁「酒のしおり」
(※2)出典:
IWSR Bevtrac Survey「Gen Z NOT the generation of moderation, survey reveals」2025/6/26発
【Z世代の傾向がわかる、有識者インタビュー記事もチェック!】
僕と私と株式会社・今瀧 健登 氏に聞く、Z世代を動かす外食トレンド最前線
発足:2026年10月1日
展開地域:首都圏と関西地区より開始
参加酒販店:榎本酒類株式会社、株式会社小倉、株式会社幸田、東酒類株式会社、株式会社オリカサ、株式会社塩田屋(2026年10月現在)
導入目標:初年度1,000店舗
公式アンバサダー:塩見 なゆ 氏
酒場情報メディア「Syupo」
Youtubeチャンネル「居酒屋の達人 by 塩見なゆ」
目次
出汁割り推奨PB商品「菊佳盃(きっかはい)」
導入事例:「角打ちKAN」に見る出汁割りのポテンシャル
酒場案内人・塩見なゆ氏が公式アンバサダーに就任
出汁割プロジェクト 参加酒販売店
会社紹介/榎本酒類株式会社
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出汁割り推奨PB商品「菊佳盃(きっかはい)」
2026年11月下旬より販売を開始
プロジェクトの始動に伴い、出汁割りに特化した推奨PB商品「菊佳盃」が開発された。創業1659年、367年の歴史を持つ菊正宗酒造が、他社との企画製造として初めて手掛けた飲食店向けの1.8L専用商品となる。
■酒質:生酛造り 本醸造
■原材料名:国産米100%
■容量:1.8L
■アルコール分:14%以上15%未満
■日本酒度:+5
「菊佳盃」は、生酛(きもと)造りの本醸造酒。出汁と合わせた際に酒質がぼやけず、うま味を引き立て合う辛口の味わいを追求した。ナショナルブランドの同等品と比較してアルコール度数を1度低い「14%以上15%未満」に調整しており、出汁と割った際に口当たりがマイルドになり、より飲みやすい設計となっている。
導入店舗に対しては、出汁割の黄金比「出汁120ml + 日本酒30ml」を提唱。業態別・シーン別の各種POPやSNS宣伝素材の提供に加え、30mlと150mlの目盛りが刻まれた専用グラスなどの備品支援も用意。提供品質のブレを防ぎつつ、現場でのスムーズな提供を後押しする。
【出汁割りの黄金比】
出汁120ml + 日本酒30ml(4対1)
アルコール度数2.8~3.0%
純アルコール量3.36~3.6g
※当プロジェクト出汁割り推奨清酒(アルコール度数14%以上15%未満)を使用時
導入事例:「角打ちKAN」に見る出汁割りのポテンシャル
プロジェクトの本格始動に先駆け、実店舗での可能性を証明しているのが、榎本酒類の直営店である虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内の「角打ちKAN」だ。
「2026年1〜8月の販売数(ドリンク計約3万2,000杯)のうち、『出汁割り』は1,245杯(構成比約4%)を記録しました。これは定番のレモンサワー(同約7.2%)に迫る実績で、通常の日本酒熱燗(同0.78%)を大きく上回りました」と榎本氏。
注文客の約7割を女性が占め、食前の1杯から食中酒、締め、2軒目のちょい飲みまでシーンを問わず動いているのが特徴だ。店舗の温かい出汁に日本酒を注ぐだけの簡易オペレーションでありながら高粗利を確保できる点も、飲食店の収益の柱となり得る実例を示している。
さらに同館「T-MARKET」内では、他業態3店舗が導入を前向きに検討する。
酒場案内人・塩見なゆ氏が公式アンバサダーに就任
「出汁割りプロジェクト」の公式アンバサダーには、酒場案内人でWebメディア「Syupo(シュポ)」編集長の塩見なゆ氏が就任した。テレビやYouTubeなど多様なメディアで酒場文化を発信する塩見氏は、プロジェクトの発信役として飲食店への導入支援と消費者への認知拡大を担う。
塩見氏は就任にあたり、「出汁はその店の個性が詰まった味の土台。出汁と日本酒の組み合わせは、和食だけでなく洋食や中華のスープとも深く響き合います。最初の一杯や食前のスープ感覚でも楽しめる『出汁割り』が、幅広い業態で親しまれるきっかけになれば」と期待を寄せている。今後は導入店舗の紹介やイベント企画、2027年には「出汁割りコンテスト」の開催なども構想されている。
プロジェクトが掲げるゴールは、一過性のブームに終わらせず、出汁割りを「日本の新しい飲酒文化」として定着させることだ。これまで日本酒に馴染みがなかった若年層や外国人にアプローチする新たな選択肢を提供すると同時に、飲食店には自店の出汁を生かした高粗利・差別化メニューをもたらす。卸・酒販店がワンチームとなり、国酒である日本酒の需要復興と外食産業の活性化を目指していく。
【塩見 なゆ 氏の酒場トレンドインタビュー記事もチェック】
外食トレンドキーワード2023(2)~酒場案内人 塩見なゆ氏~
【出汁割りプロジェクトに関するお問い合わせはこちらから】
榎本酒類株式会社:お問い合せフォーム
出汁割りプロジェクト 参加酒販売店
| 会社名 | 代表者 | 所在地 |
|---|---|---|
| 榎本酒類株式会社 | 代表取締役社長 榎本 一二 氏 | 東京都大田区西蒲田1-22-20 |
| 株式会社 小倉 | 代表取締役社長 小倉 尚登 氏 | 東京都港区芝大門2-13-6 |
| 株式会社幸田 | 代表取締役社長 小倉 拓也 氏 | 大阪府大阪市中央区東心斎橋2-5-27 |
| 東酒類株式会社 | 代表取締役社長 大井 義彦 氏 | 東京都千代田区神田淡路町2-9-11 |
| 株式会社オリカサ | 取締役社長 永井 潤 氏 | 東京都台東区鳥越2-9-14 |
| 株式会社 塩田屋 | 代表取締役社長 吉田 謙二 氏 | 東京都渋谷区東3-20-12 |
【榎本酒類株式会社 会社紹介】
首都圏を中心とした業務用酒類・飲料の総合卸。飲食店への安定供給にとどまらず、メニュー提案から販促支援まで、現場に寄り添った多面的なサポートを展開する。日本酒市場の需要開拓に向け、業務用酒販店との連携やメーカーとの共同開発によるPB商品展開など、飲食業界の活性化に挑み続けている。
社名:榎本酒類株式会社
本社所在地:東京都大田区西蒲田1-22-20
創業:1936年
代表:代表取締役社長 榎本 一二
売上高:302憶8,548万円(2026年1月期)
事業内容:業務用酒類・飲料全般の卸売および業務用販売、飲食店の経営
https://enomotonet.com/
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