2015/06/23 特集

チーム力につながる朝礼&ミーティング(2ページ目)

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朝礼&終礼、ミーティングでやるべきこと

【朝礼&終礼】日々のPDCAサイクルを推進し、課題の意識付けを

朝礼は、1日のPDCAサイクルの出発点にあたる。したがって、「その日の戦略を実行するために必要な情報を共有し、確認する場であることが求められます」と工藤氏。

そのため、まずは定量目標(売上など)や定性目標(数字で表せない目標)を確認し、その日の予約状況、商品情報を共有することが必要だ。さらに、その日の役割分担、おすすめのメニューなど、業務上で必要な情報や段取りを確認していく。もちろん、店長は前日の反省や改善点を、その日の朝礼で伝えることも忘れてはいけない。

さらに、工藤氏は「朝礼で大切なことは、これからお客様を迎えるための“士気のアップ”です」と語る。理念の唱和や発声練習、ハイタッチなどは、そのために行うテクニックの1つで、仲間意識を高め、仕事へのスイッチを入れる大切なステップといえる。

一方、終礼では、その日の目標に対する実績の検証と、課題解決の方向性を確認する。ただし、「反省点ばかりではよくありません。成功体験を汲み上げて、達成感や充実感を感じられる要素を組み込むことで、翌日の仕事への意欲となるように気を配ります」(工藤氏)。終礼を実施しない店の場合は、翌日の朝礼で行うのがよいだろう。

もう1つ、工藤氏が朝礼や終礼が持つ重要な役割として強調するのが、「意識ベースの課題へのアプローチ」だ。ルーティンの作業は自然にできても、来店客に笑顔で話しかけたり、感想を聞くなどの“意識してやるべき課題”は、「常に働きかけて、意識付けすることが不可欠です。その点、朝礼や終礼は毎日行うので、意識付けにはもってこいの場」と工藤氏は語る。

朝礼や終礼をとおして、課題の認識と実践、成功体験と一体感を、日々仲間と共有することが、チーム力の土台になるということを再認識したい。

【ミーティング】適切なテーマと着地点を設定。日々のコミュニケーションも重要

ひと言にミーティングといっても、店の規模などによって、テーマ、開催頻度、参加者などは様々。社員だけで売上増強の戦略を話し合うこともあれば、個人の意識を高める狙いで、アルバイトだけのミーティングを行う場合もある。だが、「どのミーティングもPDCAサイクルをしっかり回すために行うこと。そして、仕事への意欲を高め、成長を促す場とならなければ意味がありません」と工藤氏は念を押す。

そこで頭に入れておきたいのが、「ミーティングが失敗する4つのケース」(下記参照)。これらを避けるためには、「参加メンバーや目的に合わせた、適切なテーマと着地点を決めること。同時に着地点に導く“仕切り”のスキルが、ミーティグを招集する店長に求められます」と工藤氏。「議事の進行を自然の流れに任せず、全員が発言できる環境を意識的に作ること。そして、決めるべきことは多数決を採ってでも決め、決めたら実行に移す段取りまで提起することが重要」と付け加える。

さらに工藤氏は、ミーティングの成功のためには「日頃のコミュニケーションが大事」と指摘。声がけや定期的な面談でスタッフの性格や本音を把握するとともに、共有ノートやSNSなどを活用して情報共有や意見の吸い上げを図る。そうして培った信頼関係が、ミーティングでも活きてくるのだ。

次ページでは、ミーティングの進行に沿って、さらに具体的なテクニックを、工藤氏に解説してもらおう。

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