チーム力につながる朝礼＆ミーティング（4ページ目）

チーム力を上げる朝礼・ミーティング活用事例

確認事項をまとめたシートを使い目標を共有して総合力アップ！

【東京・立川】MOTHERS ORIENTAL

発声や握手で士気を高め、気づきノートなども活用

東京都の郊外、ＪＲ立川駅前にある「ＭＯＴＨＥＲＳ ＯＲＩＥＮＴＡＬ」は、高い天井の開放的な空間が特徴のイタリアンレストラン。全75席で、ビジネスランチや記念日、接待、結婚式の二次会など、幅広く利用されている。

営業時間はランチが11～15時30分（日曜日・祝日は15時まで）、ディナーが18～24時（同17～22時）。「すべての判断基準はお客様の笑顔」などの企業理念を実践すべく、開店前に朝礼、ディナー開始前に中礼を行い、毎週月曜日のアイドルタイムにはスタッフ全員で行う定例ミーティングも欠かさない。スタッフは全15名中、10名がアルバイト。ランチは約12名、ディナーは約10名で回している。

同店のマネージャー・永田真二氏は、朝礼やミーティングを行う目的を、「予測し、準備し、イメージし、チームとしての総合力を上げるため」と説明する。飲食店の仕事は、テクニックに大きな個人差は出にくいが、心と体をどう準備したかで差が出るため、「起こりうる事態を予測し、いかにイメージを持って仕事に臨めるかが大事」と考えている。さらに、「特に今（取材をした5月末）は、スタッフの入れ替わりから間もない時期。チームとしての力を従来の水準に短期間で引き上げることも、朝礼やミーティングの大切な役割」（永田氏）と語る。

朝礼では、予約状況と商品情報を共有してから「改善シート」を確認する。このシートには、売上目標から基本の接客ルール、商品説明の方法まで様々な確認事項を記載。チームとしての成長段階に合わせて、永田氏が内容を決め、日々目標を共有しているのだ。

そして、理念の唱和、接客用語の発声を行い、最後に全員で握手を交わす。「声を出すことで、スタッフ全体の“温度”のようなものを上げて、お客様を迎えられる状態にします。握手は士気を高めるのが狙いですが、私は同時にスタッフの体調や、“活力”を感じ取る場ととらえています」（永田氏）。

また同店では、朝礼前の5分間を全員で紅茶を飲むティータイムに充てている。「掃除のときと同じ顔でお客様を迎えるのではなく、ほっとした時間を持つことで自然と笑顔になってほしい」と永田氏。こうした取り組みも士気や一体感の向上につながっている。

一方、朝礼で伝えきれなかった情報やスキルは、月曜日のミーティングで伝達。コース料理の説明方法や、店内イベントの内容などを議題にし、ロールプレイングも積極的に取り入れている。永田氏はミーティングの役割について、「現段階では、スタッフの参加意識を高めることが狙いです。全員で考え、発言してもらい、結論に到達できるよう促しています。いずれはスタッフに進行役を任せたいですね」と語る。

さらに、朝礼やミーティングの役割を補完するものとして、誰でも気付いたことを書き留めておける「気づきノート」がある。最近はＬＩＮＥでスタッフのグループを作り、ノートと併用して情報共有を促進。これらをとおしてスタッフから提起された事案が、朝礼やミーティングの議題になることもあり、相乗効果でモチベーションとチーム力アップに貢献している。