2016/06/14 特集

リーダーが変われば店も変わる! 最強チームを生む 店長の心得

春に採用した新しいスタッフも仕事に慣れてくる頃。この先、“最強のチーム”をつくるために、店長は何をすべきなのか。コンサルタントの工藤昌幸氏に聞くとともに、チームづくりに力を入れる店長を取材した。

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春に採用した新しいスタッフも、徐々に仕事に慣れてくる頃。この先、夏を乗り切り、年末の繁忙期に向かうなかで、店全体のチーム力をいかに高めていくかが重要になる。では、スタッフが力を発揮する“最強のチーム”をつくるために、店長は何を考え、どう行動すべきなのか。コンサルタントの工藤昌幸氏に店長が考えるべきこと、やるべきことを聞くとともに、チームづくりに力を入れている店長にも取材を行った。

今回話をうかがったのは…

株式会社アンドワークス コンサルティング部部長 工藤昌幸 氏
旅行会社勤務を経て、飲食業界へ転身。2002 年に株式会社アンドワークスの創立に参加し、現場の経験を活かしたコンサルティングを展開。主に飲食店における組織づくり、接客指導、リーダー育成、店長教育、開業サポートなどを行う。

Introduction チームとは、目標を共有し、お互いに成長し合う集団!

そもそも、チームとは何だろう? なぜ、飲食店には強いチームが必要なのだろうか? こんな「そもそも」の問いに、工藤昌幸氏は明快にこう答える。「チームとは、1つの目標を共有し、それに向かってメンバーが自主的にチャレンジを続け、切瑳琢磨して相乗効果で成長する集団のことです。強いチームであればあるほど、メンバーの能力が向上し、チームとしてのパフォーマンスも上がります」。

実際、チーム力が強い飲食店は、オペレーションの質が上がり、売上アップに直結するという。「もちろん、1日や2日ですぐに数字が改善するわけではありませんが、チーム力の強さと店舗力は明らかに比例し、確実に売上に反映します。飲食店はマンパワービジネスですから、おいしい料理や素敵な店舗空間を生かすも殺すも、チーム力にかかっています」と工藤氏は力説する。

もう1つ、飲食店にとって「強いチームであること」が大切な理由がある。チーム力の強い店のスタッフは、定着率がいいのだ。なぜなら、「チームとは成長する集団だからです。人間は自分を成長させてくれる集団から離れたいとは思いません」と工藤氏。仮に、今いる飲食店が、チームというより単なる仲良しグループにすぎなかったら、より条件のいい職場が見つかった時点で、乗り換えられてしまうだろう。「特に新人スタッフは、作業に慣れてくる8週目あたりに、離職のピークがあります」と工藤氏は指摘する。このとき、店がチームとして機能していれば、離職の防止効果は高くなる。

では、強いチームをつくるためにはどうしたらよいのだろうか。

工藤氏はまず店長の役割を強調し、「飲食店にとって、チームのリーダーは店長です。強いチームができるかどうかは、ひとえに店長の振る舞いにかかっていると言っても過言ではありません」と言い切る。にもかかわらず、チームづくりにおける自分の役割の大きさを自覚していない店長も少なくないと言う。普段から数値管理など経営上の仕事も多いが、「忙しいなかでも、店長はチームづくりに力を割くべき」と工藤氏は忠告する。

次ページからは、具体的に、店長が何をしたらよいかを6つのポイントに分けて紹介。工藤氏はこれらを、「年間を通して追求することが重要」と説く。以下、それぞれのポイントについて、工藤氏に語っていただこう。

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