約1時間かけて面接を行い、意欲を持って働ける人材を採用
【大阪・難波】とりとうどんと元気な酒 八風(はっぷう) なんば米印店
企業理念や教育方針も説明。最終判断は応募者に委ねる
株式会社八風が運営する「とりとうどんと元気な酒 八風」。店舗は、大阪・なんば米印店と堺店があり、アルバイトの離職率は低く、意欲的に働く人材が豊富だ。その理由を、なんば米印店の店長・池田篤史氏は、「1時間かけて行う面接の効果が大きい」と話す。
2009年の創業当初、同社は簡易的な面接しかしていなかったこともあり、元気のよい接客スタイルを理解せずに入店し、すぐ辞めてしまう人も少なくなかった。そんななか、2012年にオーナーが知人の飲食店経営者から聞いた、時間をかけてコミュニケーションを取る面接法を導入した。
まず応募者には、面接が1時間かかることを事前に伝えておく。「面接が長いと知って辞退する人もいますが、そういう人は仕事への意欲が低い場合が多い。事前告知は、いわば最初のフィルターです」と、池田氏。
面接は、名刺を渡す自己紹介から始まり、将来の夢や働く理由など16項目のアンケートを約20分で記入してもらう。その後、勤務時間の希望などを確認し、志望動機やアンケートに関する質問を行う。その際、注目するアンケート項目の一つが、「今までの人生は運がよかったか」だ。「『はい』と答える人は、人生で起こるできごとに肯定的で、課題にも前向きに取り組める、と考えています」(池田氏)。さらに、ほかの項目も含め、回答の理由を具体的に聞くなど、長いときは30分かけて人間性や価値観を見ていく。そして最後に、自社の教育方針や求める人材について説明し、終了する。
この時点で、意欲などを判断し、店長が「働いてもらいたい」と感じた場合、その場で応募者に働くかどうかを決めてもらっている。その際、「1日考える」「4~5時間考える」「即決」という3つの選択肢を提示しているが、多くの人が即決で入店を決めるという。かつて、この面接を受けた池田氏は、「時間をかけて話をするので、自分のことをわかってもらえ、同時に成長できる場所だと感じることができました」と振り返る。面接する側となった今は、応募者が「ここなら成長できる」と感じられる面接を心がけている。
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なんばCITYなんばこめじるし