臭みゼロの鹿肉を提供。コースで人気拡大

京都府福知山市の有限会社田舎暮らしでは、「京都丹波ジビエ」として鹿肉と猪肉の販売を開始。その鹿肉の食感に衝撃を受け、メニューに取り入れたのが東京・渋谷の「アカバル ITALIAN」だ。

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有限会社 田舎暮らし 代表取締役
中島 健太郎 氏高校の農業科で食肉解体を学び、卒業後は、和食レストランに勤務。退職後、就農研修を経て実家で農業を始め、同社を設立。農作物の獣害対策のため、狩猟を始めた。
米山氏おすすめの食べ方は、肉の横に添えた、苦みと胡麻の風味が特徴的なセルバチコとともに。黒トリュフ入りのイタリア産塩と、フランス産塩、マスタードも一緒に提供する

臭みゼロの鹿肉を、通年提供。コース料理で浸透を図る

京都府福知山市の西端に位置する夜久野町は、農業と林業が基幹産業の小さな集落。中島健太郎氏がそこに有限会社田舎暮らしを設立したのは2001年のことだ。中島氏自身が生産した米や大豆などを商品化し、販売まで行う六次産業化を視野にスタートした。

農業を始めてすぐにわかったのが、田畑を荒らす鹿や猪など害獣の存在。早速、狩猟免許を取得し、先輩猟師らと駆除に乗り出す。「当初、捕った鹿はすべて土に埋めていましたが、一度食べてみたらおいしかったので、販売を考えるようになりました」(中島氏)。その後、食肉加工や販売に必要な免許を取得し、2013年、自宅の隣に食肉処理加工場を設け、鹿肉と猪肉の販売を「京都丹波ジビエ」として開始。狩猟の際に心がけているのは「鹿の心臓がまだ動いているうちに、その場で完全に血抜きを行うこと。こうすることで肉に生臭さが残らなくなります」(中島氏)。最大約80キロもある鹿を一人で仕留めて現場で血抜き後、加工場へ運び、洗浄、内臓摘出、各部位に切り分け、冷蔵するまで1時間未満。素早い作業と強酸性水洗浄をていねいに2度行うことで、生菌の数を抑えている。

販売は当初苦戦したが、地道に地元の飲食店を回り、調理法も伝えるなどした結果、販売数が増加。モモ、ヒレ、スネ、ロースと、それらを下処理した商品を通年販売している。今後は「『京都丹波ジビエ』をさらにブランド化したい」と中島氏。実現に向け、飲食店との信頼関係を積極的に築いている。

そんな中島氏の鹿肉を、「ぐるなび戦略共有会議」東京会場で同時開催された「商品展示会」で知ったのが、「アカバル ITALIAN」オーナーシェフの米山浩司氏。ブースで提供されたのは、75℃でボイルした鹿のモモ肉。中までしっかり熱が通っていながら、柔らかい食感に驚愕した。「衝撃的で忘れられないくらいおいしく、ほかのブースを回った後、最後にもう1度試食したほど。提供する料理のイメージがすぐにわき、その後、現地の食肉処理施設も見学させてもらいました」(米山氏)。「200gジビエステーキフリットヘーゼルナッツ風味」(2678円)は、鹿のモモ肉を焼肉感覚で楽しんでもらおうと開発したステーキ。低温でゆっくり火を通してバターを絡ませ、最後に高温で表面をしっかり焼いている。「木の実を食べている鹿の味に合うので、仕上げにヘーゼルナッツのビネグレットをかけています」と米山氏。「京都丹波ジビエ」の特徴である美しい赤身をしっかり見せるようカットし、豪快に盛り付ける。2015年の夏頃から提供を始め、コースに組み込んでから徐々に人気を獲得。今では鹿肉目当ての来店客も増え、“肉バル”をアピールする料理として定着している。

生産者
田舎暮らし
京都府福知山市夜久野町直見915-2
http://shop.gnavi.co.jp/z468100/
創業から約10年間は米や大豆など農作物の生産、加工、販売会社として運営。2013年より新たに獣肉処理、加工部門を設立。食肉加工処理工場は第一次処理室、精肉室を設け、強酸性水洗浄を2度行う徹底した衛生管理で安全な獣肉を提供。
赤身がおいしい鹿肉は、肉の処理方法と、調理次第で味が大きく変わる。中島氏は生肉のほか、下処理した商品も販売している
清潔な食肉処理加工場の第一次処理室。泥など大まかな汚れを取り、吊るして内臓を摘出し解体。強酸性水による消毒も欠かせない
様々な部位を、通年出荷する。夏は雄、秋は雌が特に美味という
寒暖差の大きな福知山は、良質な農産物の産地。鹿も木の実など、山林の豊かな餌を食べて育つ
季節によって銃や罠を使い分け、現在も自ら狩猟を行う中島氏
飲食店
アカバル ITALIAN
東京都渋谷区渋谷2-11-1 ナガタビルB1
http://r.gnavi.co.jp/a9y3r5510000/
食のトレンドを取り入れた肉バルとして、2013年11月オープン。熟成肉と煮込み料理の人気が高く、「国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」は高いリピート率を誇っている。鹿肉を含め、店のおすすめ料理を盛り込んだコースが評判。
熟成肉や鹿肉などのイチ押しメニューを食べ比べできる宴会コースを、店内でしっかりアピール
ぐるなびの店舗ページでは「京都丹波ジビエ」を詳しく紹介している
国産牛のほほ肉を煮込んだシチューは、来店客の大半が注文するという
オーナーシェフ
米山 浩司 氏イタリアンや、ビストロ料理を提供する飲食店で修業し、2013年に独立。Webや料理人仲間から食材の情報を収集し、野菜は生産者から直接仕入れる。新メニューは毎月開発。

ぐるなびで“厳選食材”を検索・閲覧・購入可能!

ぐるなびPRO for 飲食店の「管理画面」からもアクセスできる「ぐるなび厳選食材」は、ぐるなびとつながる生産者が自信を持って生産する“厳選食材”が一堂に会するWebサイト。食材(加工品含む)の数は500種以上!気にいったら注文用紙をダウンロードして、FAXするだけで納品されるというお手軽で簡単なシステムだ。http://gnavi.search.zero-zone.jp/search

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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