これからのシーズン、旬を迎える春野菜。今回は、春のテーブルを彩る"春野菜"とそのおいしさを一層引き出す、"ディップ"を組み合わせたメニューを3名のシェフにご提案いただいた。
春キャベツと白子の桜ディップ
笹岡 隆次 氏
恵比寿 笹岡 本店 オーナーシェフ
想定価格
1,000円(※想定価格は、アラカルトのメニューでの提供時)
テーマ
旬の春キャベツがよりおいしく食べられるディップ
提供イメージ
コースの中の前菜として提案。食前酒などと合わせていただくイメージ
材料 ※2人分
[使用した春野菜]
春キャベツ 2枚
[ディップ]
たらの白子 60g、甘えび 4本、桜の塩漬け 適宜、塩 少々、酒 少々
作り方
- 春キャベツは1分程度ゆがいて冷ましておく。
- 春キャベツの芯をとり、広げて端から巻いて、両端をカットする。
- 白子を約3~5分程度ゆがく。このとき、沸騰させすぎると皮が破れて旨味が逃げ出し、固くなるので注意。
- (3)を熱いうちに裏ごししてペースト状にし、煮切った酒、塩、軽く水洗いした桜の塩漬け、出汁を加えて混ぜる。
- 軽くたたいて小口切りにした甘えびを(4)に加え、混ぜる。
Chef's VOICE
旬を迎え、一層甘くやわらかくなる、春キャベツの甘みを味わっていただけるメニューです。キャベツの味は淡白なので、白子とえびの旨味をプラスして、よりパワーのある味に仕上げました。白子の旨味を酒で引き出し、塩と桜の塩漬けを刻んだもので全体を引き締めました。備前焼の器は春の大地、ガラスの器は雪どけ水をイメージしています。(笹岡シェフ)
編集部MEMO
ロール状に巻いたキャベツが、ザクザクとした歯応えで楽しい。桜の塩漬けで風味づけされたディップが春を感じさせ、キャベツの甘みとマッチして、おいしさの相乗効果を生んでいる。
白子はあまり縮れていない、大きめの房ものを選ぶとよい。味付けは、必要に応じて塩以外に薄口しょうゆを加えてもよいが、塩の方がより味がシャープになる
桜の塩漬けの水洗いは表面の塩を軽く落とす程度。水気をしぼり、茎を外し、花びらの部分を刻んで使用。ディップに入れる塩の量は桜の塩漬けを考慮して、控えめに
キャベツは巻く前に、一度巻き込んでくせをつけるときれいに巻ける。端からていねいに巻き、最後に全体をにぎって水気をしぼると、よりパリッと仕上がる
笹岡 隆次1962年生まれ。赤坂の料亭「長谷川」で料理人の世界に入り、赤坂「料亭 川崎」出身の吉原綾二氏に師事する。新橋「一楽」、三田「菱沼」で活躍した後、独立。「天現寺 笹岡」や「恵比寿 笹岡 新丸ビル店」をオープンし、話題になる。TVや雑誌でも活躍する一方、食育の活動にも熱心に取り組んでいる。
東京都渋谷区恵比寿2-17-18 中村ビル1F
http://r.gnavi.co.jp/p856600/恵比寿の隠れ家的な本格和食の料亭。素材の持ち味を最大限に生かした、繊細かつ鮮やかな日本料理が多くのファンを引きつける。