2021/05/21 特集

注文したくなる!おすすめドリンク~飲む楽しさを提案して、売上アップ~

気温が高い時期はドリンクの需要が高まるのは確実。どんなドリンクで、どんな提案をすれば、人を引き付け、注文率や売上アップにつながるのか。4店舗の飲食店の事例から探っていく。

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更新日:2022.7.15

目次
ペアリングの提案と自家製シロップのドリンクで注文が増加!
「西千葉 イタリアンカフェ DEAR FROM」(千葉・中央区)

フレッシュフルーツを使い、色鮮やかに仕上げて女性を引き付ける
「お肉と牡蠣のNYイタリアン CARTA(カルタ)渋谷店」(東京・渋谷)

「大分産かぼす+麦焼酎」コンセプトを表現するドリンクでファン獲得!
「ウラニワ 聖蹟桜ヶ丘」(東京・多摩)

店内醸造のビールを銘柄を入れ替えながら3つの色で提案!
「ブリューパブ テタールヴァレ」(大阪・天満橋)

 気温が高まる時期は、ドリンクの需要が高まるのが確実。どんなドリンクで、どんな提案をすれば、人を引き付け、注文率や売上アップにつながるのか。フードとドリンクのペアリングや自家製シロップを使ったドリンクをアピールしているイタリアンカフェ、女性好みのフレッシュフルーツを使ったドリンクを提案しているイタリアン、「大分産かぼす+麦焼酎」でファンを獲得している居酒屋、オリジナルビールや自家製ソーダを売りにするブリューパブの飲食店の事例から紹介する。

ペアリングの提案と自家製シロップのドリンクで注文が増加!

西千葉 イタリアンカフェ DEAR FROM【千葉・西千葉】
千葉県千葉市中央区春日2-10-8 1F
https://r.gnavi.co.jp/bvhtds7r0000/
本格ピザやパスタ、煮込み料理などが売りのイタリアンカフェ。カウンター、テーブル、ソファ席があり、さまざまなシーンで利用できるため、近隣住民が多く来店する。

人気ドリンクが入った単品飲み放題も好評!

 千葉のJR西千葉駅南口から徒歩2分の場所に店を構える「DEAR FROM」。多国籍な料理を提供するカフェダイニングとして2010年にオープンし、2017年からは食事もドリンクもしっかり楽しめるイタリアンカフェとして営業している。

 客層は近隣の大学に通う学生や地元の主婦、ファミリー、年配の夫婦と幅広い。女性が7〜8割を占めるが、近年は男性も増加。「以前は女性が約9割を占めていましたが、女性は財布の紐が固い。そこで男性を取り込むため、2017年より日本酒やサワーをドリンクのラインナップに加えました」と代表取締役の小永井賢氏は振り返る。また、「男性は料理を選ぶときに『何でもいいよ』となりがち」と感じていた小永井氏は、男性が注文しやすいようにフードとドリンクのペアリングの提案を開始。「海老のサクサク揚げ春巻き」(968円)とそれに合うさっぱりとした「本格お茶ハイ」(3種/各528円)、「絶品! こだわりの鶏白レバームース」(638円)とすっきりとした「千葉県産 希少な溢れ日本酒」(1408円)など、組み合わせて写真とともにメニューブックに掲載したところ、ペアリングを提案したメニューは注文率が上昇。「揚げ春巻きの注文数は1.5倍に増えました」と小永井氏はその効果を語る。

フードとドリンクを組み合わせて注文しやすく!

緑茶ハイ(手前)528円、烏龍ハイ(奥)528円、ぷりぷり海老のサクサク揚げ春巻き(右)968円。揚げ春巻きには、口をさっぱりとさせてくれ る烏龍ハイなどのお茶ハイを。メニューブック にペアリングを掲載後、揚げ春巻きの注文 数は1.5倍に増加
千葉県産 希少な溢れ日本酒(2合/奥)1,408円、絶品! こだわりの鶏白レバームース(左)638円。濃厚なレバームースとすっきりとした日本酒の組み合 わせ。日本酒は地元・千葉県産のものを提供し、特 に年配の男性のオーダー率が高い
  • フレッシュ生レモンサワー(右)528円、フレッシュ生トマトサワー(中央)528円、葡萄とブルーベリーサワー(左)528円、ぷりぷり海老とブロッコリー・エリンギ茸のアヒージョ(手前)638円。同店の名物の一つであるアヒージョは、こってりとした油とのバランスを考え、甘みの少ないサワーと組み合わせることを提案
  • 緑茶ハイ(手前)528円 、烏龍ハイ(奥)528円 、ぷりぷり海老の サクサク揚げ春巻き(右)968円。揚げ春巻きには、口をさっぱりとさせてくれる烏龍ハイなどのお茶ハイを。メニューブックにペアリングを掲載後、揚げ春巻きの注文数は1.5倍に増加

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 一方、メインの客層である女性に向けては、自家製シロップを使ったドリンクでアピール。定番の「木苺とブルーベリー」「ピンク&ホワイトグレープフルーツ」のほか、期間限定3種のシロップを常備する。「リピーターを飽きさせないよう、シロップの種類は定期的に入れ替え。流行も取り入れながら開発しています」(小永井氏)。自家製シロップは、ホワイトラム(715円)、またはスパークリングワイン(759円)で割ることができ、炭酸水やミルク(各528円)でノンアルコールにも対応。シロップや割り方を替えることで、いろんな味が楽しめると好評を得ている。

いろんな飲み方ができる自家製シロップ

ダブルベリーミルキー(右)528円 ●林檎と紅茶とシナモンのラム割(中央)715円 ●ピンクグレープフルーツとホワイトグレープ フルーツのスパークリング割(左)759円。自家製シロップは、さまざま な割り方で楽しめると女性に 好評。ノンアルコールでは木 苺とブルーベリーシロップの ミルク割り(写真右)が人気

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 また、自家製シロップのドリンクやサワーなども含んだ単品飲み放題を用意。1時間1650円、2時間2200円としており、1人で利用する人も多いいう。「宴会は減少していますが、単品飲み放題は今もお客様の約半数が注文します」と小永井氏は話す。昨年末からは、前菜に飲み放題を付けた「昼呑みセット」を開始し、週末の昼飲み需要を獲得。「飲みながらたくさんは食べられない」という来店客の声に応え、前菜3種と飲み放題1時間で1650円、5種と飲み放題2時間で2200円という内容に。そこにパスタやピザなどをプラス715円で付けられるようにしており、自由度を高めている。

ドリンクのメニューブックではペアリングを大きくアピール。2杯目以降を注文する際に、一緒にフードをオーダーされることが多い
  • 単品飲み放題では、一人から利用できることと、3杯以上飲めばお得になることを強調
  • 昼飲み需要の高まりを受け、飲み放題と前菜を合わせた「昼呑みセット」を考案。週末を中心に注文が多い

 そのほか、メニューブックをタブロイド風にしたり、キャッチーな言葉でメニューを紹介したりと、印象に残り注文したくなる工夫も盛り込んでいる。さまざまな柔軟な発想が店舗運営に生かされている。

代表取締役 小永井 賢 氏
異業種を経て、24歳の時に調理師専門学校へ。2010年に入店し、2017年より現職。経営の傍らキッチンにも立ち、店を統括する。

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フレッシュフルーツを使い、色鮮やかに仕上げて女性を引き付ける

お肉と牡蠣のNYイタリアン CARTA 渋谷店【東京・渋谷】
東京都渋谷区宇田川町25-11江島屋ビルB1
https://r.gnavi.co.jp/9g8ktb530000/
「渋谷の隠れ家イタリアン&ダイナー」をコンセプトに、シックで洗練された空間を演出。イタリアンや生ガキ、肉料理を提供し、30~ 40代の女性を中心に集客する。

 2017年10月、東京・渋谷駅から徒歩3分のビル地下1階にオープン。当初はハンバーガーを提供し、若年層や外国人の利用が多かったが、コロナ禍で30代以降の女性が増えたことから、カジュアルイタリアンとハンバーガーの店として2020年10月にリニューアルオープンした。
 
 流行に敏感な人が集まる土地柄のため、意識したのが〝SNS映え〞。「若い方や女性を引き付けるために、フルーツを使ったドリンクを開発しました」と店長の川邊倫紘氏は話す。中でも、フレッシュフルーツをたっぷり入れた「生フルーツビアー」(880円)は、人気のビアカクテル。使用するフルーツは季節ごとに種類を変えており、爽やかな味わいがビールとよく合い、女性だけでなく男性からも注文があるという。また、リンゴやモモなど旬のフルーツと日替わりのリキュールを合わせた「生果実カクテル」(748円)も人気ドリンクの一つ。「お酒が苦手な女性に好評です。リキュールは、お客様の好みや要望を聞いて臨機応変に変えています」(川邊氏)。

華やかさと爽やかな味わいが女性に人気

生フルーツビアー 880円。ラズベリーやブルーベリー、キウイなどのフレッシュフルーツを入れて爽やかな味わいに。フルーツを混ぜたりつぶしたりして、味の変化も楽しめる
生果実カクテル(手前)748円、自家製モヒート(奥)748円。女性に特に人気の「生果実カクテル」。リキュールはブルーキュラソーやコアントローなどを使用。「自家製モヒート」は夏に注文アップ

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 さらに、若い女性向けドリンクとして「ティラミス・ドルチェ・カクテル」(770円)も用意。「グループ店のイタリアンのシェフが作る自家製ティラミスを丸ごと1個入れています。デザート代わりのシメの一杯として楽しまれています」と川邊氏。

ティラミス・ドルチェ・ カクテル 770円。自家製ティラミスを丸ごとドリンクに入れた一杯。カルーアミルクをベースとし、板チョコと生クリームをトッピングして濃厚な口当たりに
ドリンクを写真と共にわかりやすく紹介。見た目の華やかさに引かれ、「生フルーツビアー」や「生果実カクテル」を注文する人も多い

 メニューブックでは、これらのドリンクの鮮やかな色合いが一目で分かるよう写真を添えてアピールし、注文につなげている。今後は来店客の反応を見ながら、さらにドリンクのバリエーションを増やしていきたい考えだ。

店長 川邊 倫紘(かわべ みちひろ)氏
和食の料理人を経て、2019年に運営元の株式会社Noi companyに入社。東京・池袋の姉妹店で調理を担当し、2021年1月より現職。

「大分産かぼす+麦焼酎」コンセプトを表現するドリンクでファン獲得!

ウラニワ 聖蹟桜ヶ丘【東京・多摩】
東京都多摩市関戸2-41-1聖蹟桜ヶ丘ミートセンターD棟
京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩1分。大分の郷土料理を豊富にそろえ、店内には大分の食材や観光地のポスターなどを貼り、前面にアピール。近隣で勤めるビジネス層が多く来店する。

シェアするエンタメ性や爽やかな見た目で人気に

 東京を中心に4店舗を展開する「ウラニワ」。〝大分の郷土料理が味わえる居酒屋〞をコンセプトに創業し、多摩市にある聖蹟桜ヶ丘店は2012年オープン。注文率9割を誇る「とり天」(3個280円)など、大分名物を打ち出し、30~40代の男性を中心にビジネス層を多く集客している。

すくってシェアして楽しめる!

ウスキボウル(写真は小)1,290円~。大分産の麦焼酎に氷を入れ、地元の生産者から直送されるかぼすのスライスを浮かべている。かぼすの清涼感と麦のほのかな香りのバ ランスがよい
人数に応じてサイズを小・中・大(1,290円/3,100円/4,980円)で用意。小は、どんぶりに焼酎250mlとかぼす半個を使用。大は、大きなボウルに焼酎1L!

 ドリンクは、大分名産のかぼすを使ったメニューを豊富にラインナップ。中でも、ボウルに大分産麦焼酎「常つねぞう蔵」と氷を入れ、かぼすのスライスを浮かべた「ウスキボウル」(小/1290円~)は創業当時からの看板メニューだ。元は大分・臼杵にある蔵元が考案したドリンクで、地元農家から直送されるかぼすを使用して、小・中・大の3サイズを用意。「柄杓ですくい、みんなでシェアして飲めるエンターテインメント性や爽やかな見た目、飲みやすさが受けています」と話すのは、広報・総務も兼務する店長の加藤英里氏。多くのファンが付いており、これを目当てに来店する人もいるという。また、「ウスキボウル」を全ての宴会コースに1人プラス300円で付けることも可能。「小は焼酎250mlで約3杯分。飲み切れる量なので、お1人様で注文する方もいらっしゃいます」(加藤氏)。

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飲み放題付きコースは5品3,200円から用意し、「学生限定コース」(2,400円)もある。全てのコースに1人プラス300円で「ウスキボウル」を付けられる
17時30分までハイボールを1杯1円で提供。早い時間帯の集客はもちろん、フードの注文率アップにもつながっている

 「ウスキボウル」に入れるかぼすは、収穫期である冬には増量して提供するほか、「生かぼすサワー」(550円)などの限定メニューもラインナップ。「かぼすをもっとメニューに生かしていきたいと思っています。今後は知られていない大分の食材を発掘して、発信していきたい」(加藤氏)と、特色あるメニュー作りに力を注いでいく。

店長 加藤 英里 氏
人材業界で勤務後、2011年オーナーである夫とともに「ウラニワ」を創業。以来、経営に携わり、広報、総務、店舗の統括も担う。

店内醸造のビールを銘柄を入れ替えながら3つの色で提案!

ブリューパブ テタールヴァレ【大阪・天満橋】
大阪府大阪市中央区大手通1-1-2 アトランティス21ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/1sw7n80p0000/
クラフトビール好きのオーナー松尾弘寿氏が「醸造所付きのレストランをやりたい」とオープン。30 ~ 50代を中心に平日はビジネス層、週末は観光客などでにぎわう。

自家製ソーダも提供し、ビールが苦手な人にも◎

 大阪・天満橋にある「ブリューパブテタールヴァレ」は、2016年4月にオープン。普段使いでクラフトビールを楽しんでもらいたいと、店内に醸造所を併設し、そこで作られたオリジナルビールを堪能できるのが売りだ。

味わいを色で分けて分かりやすく

白・ベルジャンゴールデン(右) L/770円、琥珀・スチーム(中央)M/550円、黒・DOIシュバルツMarkⅡ(左) S/440円。店内で醸造するクラフトビールを常時3種類用意。どの銘柄もS/440円、M/550円、L/770円で楽しめる。色が濃くなるごとに、味わいも濃厚に
メニューシートでは白・黒・琥珀の3種のビールを詳しく解説。醸造を担当した醸造家の名前を入れ、こだわりなどを紹介

 ビールは「白」「黒」「琥珀(こはく)」に色分けして常時3種、3サイズ(S/440円、M/550円、L/770円)で提案しており、各色の銘柄は1〜3週間ごとに入れ替わる。「一つの樽で生産できるのは約200L。2週間で1種は必ず銘柄が入れ替わるため、来店するたびに違うビールが味わえます」とストアマネジャーの平泰斗氏は語る。ビールは季節や時期に合わせ、使用する素材や配合を変えて製造。基本的に色が濃くなるごとにアルコール度数は高く、味わいは濃厚になるため、「多くの銘柄を楽しんでもらえるよう白、琥珀、黒の順番でおすすめしています」(平氏)。

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 また、ビール作りで使われるガスを使用して自家製ソーダも製造。それを使ったノンアルコールドリンクも提供しており、今夏はザクロのシロップを使った「グレナデンフィズ」やこだわりのコーヒーで作る「エスプレッソトニック」(各550円)などを用意する。「自家製ソーダのノンアルドリンクがあることで、ビールが苦手な方も一緒に楽しめると好評です」と平氏。

自家製ソーダを使ったこだわりのノンアルドリンク

グレナデンフィズ(手前)、エスプレッソトニック(左)、モヒートソーダ(右)各550円。今夏、提供する自家製ソーダを使ったノンアルコールドリンク。スタッフの意見を聞きながら季節ごとにメニューを変更する
2号店で製造されたボトルビールを店頭や店内で案内。店内利用 の後、家族や友人へのお土産とし て購入する人もいるという

 以前より自家製ビールのテイクアウトを行っており、昨年春からは2号店で製造したボトルビールの販売も開始。3月には、台湾屋台風の料理とクラフトビールが楽しめる立ち飲み店もオープンした。今後もクラフトビールを気軽に楽しめるよう、さまざまな形でその魅力を発信していく方針だ。

ストアマネジャー 平 泰斗 氏
オーナーの松尾氏から誘いを受けて3年半前にブリューパブスタンダード株式会社へ入社。2019年より店舗責任者を務めている。

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