「エッグベイビーサンド with フレンチフライ」
egg baby cafe(エッグベイビーカフェ)(東京・上野)
サンドイッチやカルボナーラ、プリンやフレンチトーストなど、「卵を専門とするメニュー」をめがけて人が押し寄せているカフェがあるといいます。今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター・小田中雅子氏が、東京・上野にある「egg baby cafe」の半熟卵サンド「エッグベイビーサンド with フレンチフライ」を紹介。卵にスポットをあてたメニュー開発でカフェを成功させている、商品の魅力を深掘りします。
・東京の下町に現れた、ニューヨーク・ブルックリンを彷彿とさせるカフェ
・とろ~り、ツヤツヤの半熟卵の誘惑! 卵好きのハートをわしづかみ
・きちんとした料理で伝える、世界中で愛される卵の魅力
・街に無いものをあえて作るというチャレンジ
東京の下町に現れた、ニューヨーク・ブルックリンを彷彿とさせるカフェ
「エッグベイビーカフェ」は御徒町駅すぐ近くの高架下にあります。秋葉原駅から御徒町駅にかけて、それまで倉庫や駐車場としてしか使われていなかった場所を「歩きたくなる高架下」として再開発。「エッグベイビーカフェ」も再開発の一貫として誕生しました。
店舗デザインのコンセプトは「ニューヨーク下町、ブルックリンにあるような古い倉庫をリノベーションしたカフェ」。天井まで届く大きな窓や英語のロゴ入ったアンティーク風のドアといった外観が外国にあるカフェのようで、下町情緒あふれる街並みの中でひときわ目をひきます。店内もコンクリート打ち放しやむき出しの配管といった武骨な素材に、アンティーク風の家具や海外から取り寄せたビンテージ風の照明を配しているのがなんともおしゃれ。このセンス抜群の空間も「エッグベイビーカフェ」の魅力の一つです。
訪れたのは平日午前、開店の少し前。オープンを待ち兼ねるようにすでに人が並んでいます。開店して30分ぐらいで店内(94席)は8割方埋まってしまう人気ぶり。週末は行列ができるというのもうなずけます。訪れているのは圧倒的に女性が多く、次いで多いのが外国人。ニューヨーク風のインテリアの中で各国の言葉が飛び交う様子は、まるで海外旅行をしているような気分になります。
とろ~り、ツヤツヤの半熟卵の誘惑! 卵好きのハートをわしづかみ
「エッグベイビーカフェ」のフードメニューはシンプルに4種類のみ。10時から22時まで通し営業で、いつでも同じメニューが楽しめます。メニュー表示はすべて写真と英語付き。どんな料理かが一目でわかります。
一番人気は「エッグベイビーサンド with フレンチフライ」。そのビジュアルに思わず目が釘付け! カットされトロリとした2個の半熟卵の断面は、これぞ萌え断。黄身がトロリとこぼれ落ちんばかりでツヤツヤとした照りがたまりません。思わず写真を撮ってSNSにアップしたくなる気持ちがわかります。
黄身がこぼれないようにガブリとかぶりつくと、甘くてとろける黄身のおいしさが口いっぱいに広がります。半熟加減も絶妙。白身はプルンとした食感なのに、黄身は最後の一口までしっとりとろける柔らかさです。
「エッグベイビーサンド」のおいしさを支えているのは、自家製タルタルソース。固ゆで卵を粗みじん切りし、マヨネーズのほか、コルニッションとベーコン、粒マスタードを混ぜています。コルニッションとはピクルスより小さいサイズのキュウリをビネガーやハーブ、スパイスなどと漬け込んだもの。さっぱりとした風味で肉料理の付け合わせなどによく使われています。このコルニッションやベーコン、マスタードが酸味や塩味、コクなどをタルタルソースにプラス。味に深みが生まれ、半熟の黄身の甘い味わいを引き立てます。
パンはエッグサンド用に作った自家製パンで、具材を挟んだ後、外側を鉄板でトーストしています。内側がふんわり、外側がカリッと香ばしいパンは、トロリ卵との食感のコントラストがたまりません。
きちんとした料理で伝える、世界中で愛される卵の魅力
「半熟卵のとろり加減にはオープンからこだわっています。半熟卵とタルタルソースに使った固ゆで卵の、2つの食感が1つのサンドイッチで楽しめるようになっています。食べたときに、しっかり卵を感じてもらう、卵が主役のサンドイッチなんです」とスタッフの砥出(といで)恵さんは語ります。
運営している株式会社エッジオブクリフ&コムレイドは、「東京ブッチャーズ」など塊肉とワインを楽しむレストランを都内に数店舗展開しており、「エッグベイビーカフェ」は同社初のカフェ業態。開業した2018年は、東京オリンピックを目前に控えていた時期で、世界中から訪れる人々に喜んでもらえるメニューは何だろうと考えたとき、浮かんだのが卵料理だったのだそう。卵は世界各地の料理で欠かせない食材。卵料理なら、より多くの国の人に楽しんでもらえるにちがいない。そんな考えから「エッグベイビーカフェ」が生まれました。
料理のコンセプトは「料理としてしっかりしたもの」を提供すること。レシピは系列のレストランシェフが監修。パンやソース、サラダのドレッシングも自家製にこだわり、基本となる卵は茹でて、殻をむく工程もすべて店内で行っています。その数は毎日何百個にもなるのだそう。
「茹でた卵を業者から仕入れることも考えたのですが、やはり店内で茹でた卵を手でむいて調理する方がおいしいかったんです」と語る砥出さん。味につながる作業は決して手を抜きません。
街に無いものをあえて作るというチャレンジ
オープンするやいなやSNSで人気となり注目を集めるようになったエッグサンド。けれど、SNS映えはまったく考えていなかったと言います。
「メニューを開発したとき、エッグサンドを看板メニューにしようとは思っていませんでした。ビジュアルも映えを狙ったわけではなく、最初はSNSでシェアされていることも知らなかったぐらいなんです。想像を超える人気になったということが本当にありがたいと思っています」(砥出さん)。
萌え断のビジュアル、老若男女問わず愛される卵という食材、自家製にこだわったエッグサンド。自然発生的に人気が出るのもうなずけるほど魅力いっぱいのメニューですが、鍵となるポイントに“そこになかったものを作った”ということがあるように思えます。
カフェを作った当初は、御徒町周辺でよく見かける男性のビジネスパーソンたちに社用などで使ってもらえればと考えていたのだそう。ところが、いざオープンしてみると、これまで周辺では見かけなかった若い女性たちがこぞって訪れるようになったのです。ニューヨーク・ブルックリンの雰囲気を再現したおしゃれなカフェ。そして、ビジュアルだけでなくおいしさにもこだわった料理。この魅力にいち早く気付いた女性たちの口コミで、たちまち行列ができる人気店となりました。
恵比寿や代官山にあるようなカフェを御徒町という下町の庶民的なエリアに作る。それは大きな挑戦でしたが、結果、潜在的なニーズを掘り起こすことに成功しました。何度も訪れたい、あのメニューを食べたいと思わせる力が空間と料理にあるカフェ。御徒町の名物カフェとして、これからも長く愛される存在になりそうです。
【こちらもチェック】
サンドイッチ界は「萌え断」時代の真っただ中!?フルーツサンドが流行る理由
※「テンポス フードメディア」へジャンプします。
田舎でパン屋を開業!年収はいくら?成功の秘訣とは?
※「テンポス フードメディア」へジャンプします。
東京都台東区上野5-10-9
https://r.gnavi.co.jp/1ed436kh0000/map/
【ヒットメニュー記事は他にも!こちらもチェック】
SNSで集客&味でリピーターを生む!「とろサーモンレアカツ丼」Seafood bar Ermitage @代々木
温度差×舌触りのコラボが大ウケ!「ネギトロ醤油で食べる おいしい油揚げ」たぬき@青山一丁目
飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、集客・リピート促進はもちろん、予約管理や顧客管理、エリアの情報提供など、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】