FOCACCIA(フォカッチャサンド)
昨今、人気の料理店が新業態として、テイクアウトできるおにぎりやサンドイッチ、スイーツを主体にした店舗を次々とオープンしています。料理というフィールドを広げ、これまでに培ったスキルをもとに仕上げたメニューは、従来とはひと味もふた味も違う“おいしさ”や“楽しさ”があります。
今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター・小田中 雅子さんが、2024年10月、「GAKUDAI KOUKASHITA(学大高架下)」にオープンした「TUTU」の、アイデアあふれる「フォカッチャサンド」をご紹介。食通の間でも評価の高い、その魅力を深掘りします。
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TUTU(トゥトゥ)
TUTU(トゥトゥ)
業態:イタリアン・フォカッチャサンド専門店
席数:店内にスタンディングテーブル2卓、テラス10席
客層:20~40代 女性が中心
客単価:2,500円
アクセス: 東急東横線学芸大学駅 徒步3分
営業時間: 月・水~金曜日11:00-15:00、17:00-23:00、土・日曜日・祝日11:00-23:00
定休日:火曜日(最新の営業スケジュールはInstagramにて告知)
https://www.instagram.com/tutu_gakudai/
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目次
・名物店が仕掛ける新たな挑戦
・ソースが感動的においしい! 多彩な味わいが魅力
・ワインに合うフォカッチャサンドと、具材豊富なオードブルで昼飲み
・街の止まり木のように、新たなにぎわいが生まれる店
・カフェもナチュラルワインも。昼夜問わず楽しみ方は自由
名物店が仕掛ける新たな挑戦
個性が光る小さな飲食店がそろい、おいしいもの好きにはたまらない街、学芸大学。そんな街に新たなにぎわいスポットとして登場したのが「GAKUDAI KOUKASHITA」です。駅から続く高架下には魅力的な飲食店がずらりと並び、どこで食べようか迷ってしまうほど。
なかでも筆者のイチオシが「TUTU」。東京のパンメニューを語るなら外せない、と言いたくなるほど、他にはないユニークな「フォカッチャサンド」がいただけます。
「TUTU」は2024年10月に、「リ・カーリカ」を運営する株式会社タバッキにより「GAKUDAI PARK STREET」内に開店しました。「リ・カーリカ」は2013年に創業。今では学芸大学の顔とも言うべき人気店となり、現在、都内で6店舗を展開しています。
「TUTU」のコンセプトは「街の止まり木」。老若男女、子供も大人も、ペットも大歓迎。お昼にフォカッチャサンドを食べたり、カフェでホッと一息ついたり、ワインとつまみで和んだりと日常のさまざまなシーンを彩る店です。
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「GAKUDAI PARK STREET」は各店のテラス席が連なり、開放感抜群 -
店内カウンターでフォカッチャサンドやドリンクを注文。テーマカラーのグリーンを配した床のタイルがおしゃれ
メインとなるのは「フォカッチャサンド」。パンにハムやチーズを挟んだもの、それが多くの人がイメージするフォカッチャサンドかもしれません。「それじゃ、おもしろくないよね!」と料理人たちが知恵を絞って生まれたのが、一皿の”料理”を丸ごと挟んだような「TUTU」のサンド。その魅力をさっそく深掘りしてみましょう。
ソースが感動的においしい! 多彩な味わいが魅力
「TUTU」のフォカッチャサンドには、2つのこだわりがあります。
一つは“軽さ”にこだわったフォカッチャ。「リ・カーリカ」オーナーシェフであり、「TUTU」も手がける堤 亮輔さんは、欧米のようにボリュームのあるフォカッチャサンドを提供したいと考えていました。ただ、あまりに量が多すぎると、食べきれない人も少なくありません。
そこで、挟むパンそのものを軽くアレンジ。国産小麦を使い、あえて練りすぎずグルテンを控えめに。加水量を高めにして一晩かけてじっくり発酵させることで生地に大きな気泡が入り、焼くとカリッとしながら、中はモッチリ、フンワリとした食べ心地の軽いフォカッチャを生み出しました。
もう一つは“料理人が作る”具材。例えば、ローストキノコは焼いたキノコをマリネ液に漬け込んで味付けをし、牛バラ塊肉のローストは3~4時間オーブンで火入れします。ハム類は注文を受けてからスライスし、ソースはそれぞれの素材にあわせて手作りしています。
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パンの片面に自家製リコッタを塗る -
モルタデッラ(イタリア・ボローニャを発祥とした極太ソーセージ)は、「ハムスライサー界のフェラーリ」とも言われるBerkel(ベルケル)社製スライサーで極薄にスライス
「アイデアは既存の料理から湧くこともあります。例えば、モルタデッラとピスタチオ、レモンの組み合わせはシチリア料理にあるんです。ただ料理としておいしくても、フォカッチャに挟むとおいしくなかったりする。それをサンド用にバランスを調整して、試行錯誤して今のメニューとなりました」(堤さん)。
具材の取り合わせのユニークさだけでなく、細部までこだわったバランスの調整。「TUTU」のフォカッチャサンドが多くの人を虜にしているのも納得です。
さっそく、できあがったサンドを専用ぺーパーで包んでガブリ! 行儀を気にせず、はみ出たソースが手に付くのも構わず、かぶりつきます。極薄のモルタデッラは香りやうま味が口の中に広がって溶けていきます。ピスタチオソースはナッティなコクがハムと相性抜群です。レモンと優しい酸味のリコッタで、意外と後口はさっぱり。手に余るほど大きなサンドをあっという間にペロリと食べてしまいます。
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ワインに合うフォカッチャサンドと、具材豊富なオードブルで昼飲み
こちらも「TUTU」ならではのメニュー「牛バラ塊肉のロースト×マンゴーハラペーニョソース」。イタリア北部の牛肉料理からアイデアを得たメニューで、ハンバーガーのようにガツンとくる、食べ応え満点のサンドです。
牛バラ塊肉は、一晩塩漬けした後、塊のまま、白ワインをかけながら3~4時間オーブンでじっくり火を入れます。ワインの蒸気で蒸すことで、牛肉にワインの酸味が染み込んでいくのだそう。この肉をスライスし、自家製紫キャベツの酢漬け・ザワークラウトと共にフォカッチャにサンドします。
ソースは、フルーティなマンゴーにピリ辛のハラペーニョを合わせたオリジナル。ほんのり酸味のある牛肉はホロホロとやわらかく、甘さの中にしっかりとパンチが効いたソースと相性抜群です。食べ進めるうちに、ピリッとした辛みがじわりと広がる、絶妙なバランスです。
2025年6月から本格的に夜営業もスタート。時折イベント的に開催していた夜営業がレギュラーとなり、昼夜フォカッチャサンドが楽しめ、昼飲みもできるようになりました。それに伴って、おつまみとなるアラカルトメニューも昼から登場します。
そんな“飲み”のひとときを盛り上げてくれるのが、「アッフェッタートミスト」。シャルキュトリーにフルーツやチーズ、ナッツなど、約15種類の食材が彩りよく盛り合わされています。どれもレストランで培った目利きで選び抜かれた素材ばかり。思わずワインが3杯は進んでしまいそうです。週末の昼に仲間と共にナチュラルワインとつまみを楽しんで、〆にフォカッチャサンドを食べてもいいですね。
街の止まり木のように、新たなにぎわいが生まれる店
「高架下プロジェクトのお話をいただいたとき、学芸大学にあまりないタイプの店を作ろうと思ったんです」と語る堤さん。飲み歩きができる街というイメージがありますが、大人も子どもも昼から楽しめて、幅広く、いろんな使い方ができるカフェみたいな場所が案外少ない。もっと学芸大学を盛り上げるような場所を作ろうと、「TUTU」をオープンしたといいます。
今まで手掛けてきた店はレストラン業態で、テイクアウトもイートインもできるという業態は、堤さんにとって「TUTU」が初めてのチャレンジ。作り置きを提供するのでなく、イキイキとしたライブ感にもこだわって、作り立てのアイデア豊富なフォカッチャサンドを提供。他にはない「リ・カーリカ」ならではの個性がある店ができあがりました。
カフェもナチュラルワインも。昼夜問わず楽しみ方は自由
ランチやカフェ利用、昼飲みもOK。使い勝手の良さは「TUTU」の魅力の一つ。それには堤さんならではの理由があります。
「最近は時間制や、お酒を飲まないお客様はお断りといった制限のある店が増えてきています。さまざまな事情があって、仕方がない部分もあるんですが、そんなときこそ真逆な店があれば、お客様はホッとするんじゃないかな。いろんなお客様が訪れて、それぞれが自由に楽しむ。そんな場になればいいと思います」(堤さん)
スイーツで新しく登場したのが「ブリオッシュ コン ジェラート」。ブリオッシュで濃厚ジェラートを挟んだスイーツです。ブリオッシュも自家製。カリッと軽めに仕上げています。パンはオーダーを受けてからリベイクし、アツアツのブリオッシュと冷たいジェラートのコントラストがたまりません。
「リ・カーリカ」のグループでは初めて本格的なエスプレッソマシンを導入。香り豊かな「カフェラテ」を楽しめます。
ナチュラルワインブームの先駆け的存在ともいえる「リ・カーリカ」。「作り手の個性が感じられるところが魅力ですね。生産者を訪ね、その思いを知るのも喜びです」と堤さんは語ります。「TUTU」もこだわりのナチュラルワインをラインナップ。フォカッチャサンドと共に楽しみたいですね。
これからやってみたいことを尋ねると、「フォカッチャに何を挟むのかは自由。これから各国料理の専門家や繋がりのある店舗とコラボして、いろいろなサンドを作ってみたいですね」と語る堤さん。学芸大学に来れば、何かワクワクするようなことがある。「TUTU」はそんな街のワクワクの一つとして長く地元の人々に愛されていきそうです。
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