「豚の角煮定食」
土鍋ご飯 いくしか(東京・渋谷)
若者文化の発信地として発展し続ける渋谷。今では世界中の人々から知られ、東京を訪ねたら必ず行きたい観光スポットとして挙がるほどで、毎日大勢の人が行き交う街です。飲食店が山ほど存在する環境のなか、SNSの情報からこの店を目的に来店する人が絶えない、超人気店があるといいます。
今回は、"生きがいはおいしいランチとスイーツ"というフードライター 小田中 雅子さんが、複合商業ビル・渋谷PARCO内にある「土鍋ご飯 いくしか」の「豚の角煮定食」を紹介。料理のおいしさから当記事の取材打診をした後に、オーナーが人気ユーチューバーで、本業は動画の企画、制作、配信などの株式会社いくしまる.comが運営する飲食店であることが判明…!渋谷という若者の街で、なぜ「土鍋ご飯×おかず」をコンセプトとしたのか、そのメニュー開発の裏側に迫ります。
・渋谷のど真ん中に現れた、どこか懐かしい和定食店
・ボリューム満点!甘辛の豚の角煮と白米は鉄板の相性
・一日に下ごしらえする豚肉は、35kg
・店舗面積13.5坪で、月商1,250万円の秘密とは
・食を通じて皆を笑顔にすることが願い
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渋谷のど真ん中に現れた、どこか懐かしい和定食店
「土鍋ご飯 いくしか」(以下、「いくしか」)があるのは「渋谷PARCO」地下1階の「カオスキッチン」。その名の通り、各店舗がオープンな作りで、フロア全体が一体となってにぎわいを演出しています。
「食・音楽・カルチャー」をコンセプトに、まるで横丁のように通路を挟んで、多種多様な飲食店が軒を連ねています。天井や床には鏡面素材が使われ、店舗の照明やファサードが映り込む様子はまるでどこかアジアの路地裏を歩いているよう。フロアいっぱいに飲食を楽しむ人たちのざわめきが満ちています。
「いくしか」の目印は土鍋のアイコンが描かれた、キリリとした白いのれん。モノトーンで統一された店内には木製のテーブル、畳の椅子など和を感じる家具が置かれ、和モダンな雰囲気がオシャレです。
この一見カフェのような店内でいただけるのは、土鍋で炊いた炊き立ての白米と、豚の角煮や鮭いくらといった白米と相性抜群のおかずを組み合わせた定食。日本の日常になじんだ定食が、土鍋で炊いた白米と共に供されるだけで、ちょっぴり心豊かな気分になります。
ボリューム満点!甘辛の豚の角煮と白米は鉄板の相性
「いくしか」の一番人気で、筆者も大好きなメニューが「豚の角煮定食」。訪れた人の6割が頼むという人気メニューです。
セット内容は豚の角煮とおひつに入った炊き立てご飯、ひじき煮、だし巻き卵、みそ汁。
豚の角煮は圧倒されるようなボリューム感で甘辛い匂いにノックアウト寸前。箸で切り分けることができるほど、ホロホロに柔らかいのです。トロンとした甘辛い肉をご飯にオン! 白米に甘辛い肉のうま味がしみて、箸が進んでとまらないおいしさです。
味が染みた煮卵が添えられ、角煮の下には白だしで煮た厚切りの大根が。大根をあっさり味にすることで角煮と味のメリハリをつけているため、飽きずに一皿をペロリと食べることができます。
おひつのふたを開けるとフワッと立ち昇る湯気から漂う甘い白米の香り、白米はツヤツヤとして一粒一粒立っています。日本人で良かったとしみじみ思える瞬間です。
おひつには白米が1合入っていて、さらにお代わり自由。好きなだけ白米が食べられるという、渋谷のど真ん中にある飲食店とは思えない太っ腹ぶり。ご飯がすすむおかずなので、若い女性でもお代わりする人が続出するというのも納得です。
「いくしか」の主役は何と言っても白米。店で“おいしい和食”を出すと決めてから、ご飯は必然的に土鍋ご飯になったのだそう。
使っている米は福島県産ひとめぼれ。白米を炊くとき、浸水からだし昆布を入れ、米の吸水時に昆布からのうま味を吸うようにしています。「白米の粒がたって、ふっくら炊けるのも土鍋の良さですね。鍋に厚みがあるので、白米の中からじんわりと火が入っていくので、うま味も甘みも引き出されます」と「いくしか」店長の加藤 雄大さんは土鍋で炊いたご飯のおいしさを語ります。
一日に下ごしらえする豚肉は、35kg
豚の角煮で大切にしていることは大きさと味付け。「肉は煮れば煮るほど小さくなるので、できるだけ大きな塊で煮るようにしています。一人分が250g。1日で最低140食は出るので、35キロの肉を毎日煮ていますね」(加藤さん)。
大量の豚肉をまず水で煮て、丁寧にアクを取り除き、それから醤油などの調味料で煮込むという、調理には手間も時間もかかります。「いくしか」の角煮は味つけは控えめ。「一口目からおいしいと感じるのではなく、全部食べ終わった後に、ああ、おいしかったなと思う。そんな味付けを目指して、あっさりめに仕立てています」(加藤さん)。
店舗面積13.5坪で、月商1,250万円の秘密とは
「いくしか」は、「コヤッキースタジオ」をはじめとしたチャンネルで登録者数累計220万人を超える人気ユーチューバー・コヤッキーさんのアイデアで、彼が代表を勤める株式会社いくしまる.comが運営しています。動画制作に携わるスタッフたちは生活が不規則で、食もおろそかになりがち。皆が、外でもバランスが良くおいしいご飯をお腹いっぱい食べられるようにという想いから、「いくしか」が生まれました。
「いくしか」を担う人材として白羽の矢が立ったのが店長の加藤さんです。調理専門学校を卒業後、料理人として仙台や東京でキャリアを積んできた若いながらに実力派の料理人。もともとコヤッキーさんの大ファンだったという加藤さんが「いくしか」のオペレーションや料理を担当。訪れる多くの人たちの“おいしい”を支えています。
店舗面積は13.5坪。この規模ながら月商はなんと約1,250万円。取材に訪れた日もディナータイムの開店1時間前にはすでに行列ができていました。 “バズった”秘密はなんだったのでしょう。
「人気が出ればいいなという気持ちはありましたが、ここまでとは思ってもみませんでした。一気にお客様が増えたのは、オープンして3カ月ぐらい経って、グルメインスタグラマーと言われる人たちに取り上げてもらったあたりからですね。最近の若い人たちは街を歩いていてここに入ろうかなというよりも、SNSで調べてここに行きたいとリストにして、それから訪れる人が多いと思うんです。認知度がどれほどあるのかが飲食店にとって大事なことだと思っています」(加藤さん)。
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もちろん、インスタグラマーに取り上げてもらったからと言って、この2年近くの人気を維持できるわけではありません。
オープン当初はじっくりとオペレーションを練っていたといいます。「いくしか」では並んでいる間に注文を聞き、席に着けば3分ほどで料理が運ばれてきます。「レシピを開発する段階で、いかにお客様をお待たせしないかを考えています。行列に並んで食べても満足してもらえるおいしさや質の高さを常に維持できるように努力しています」(加藤さん)。
身体に良いおいしいものをお腹いっぱい食べて心を満たしてもらう。シンプルですが、その基本を加藤さんが大切にしていることが伝わってきます。
食を通じて皆を笑顔にすることが願い
「ご飯を食べることは、お腹をいっぱいにするためだけではない。食は楽しいものでありたいし、食べる時間が心を豊かにする時間であってほしいと思っています」と語る加藤さん。食を通して笑顔にしたいという加藤さんの想いは、お客さんだけでなく、店の外にも広がっています。
加藤さんは福島県相馬市出身。震災で大きな被害を受けた故郷を応援したいと福島県産の米を使っています。取引先の卸業者では売上の一部を南相馬市の子どもたちに寄付する活動をしているのだそう。「地元に少しでも貢献できればと考えて、お米を仕入れています。お店が盛り上がれば、寄付される額も増えるので、もっと大きくしていきたいですね」(加藤さん)。
現在、さまざまな商業施設から出店の依頼が殺到しているという「いくしか」。2号店、3号店の出店を現在計画中だといいます。もっとお客さんに喜んでもらえるメニューも開発したいとも。これからも「いくしか」の活躍に目が離せません。
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO B1
https://r.gnavi.co.jp/ev7cdp0u0000/
参考
コヤッキースタジオ(https://www.youtube.com/c/koyakky-st)
コヤッキーチャンネル(https://www.youtube.com/@koyakky-ch)
秘密結社コヤミナティ(https://www.youtube.com/channel/UCJI0Zz7WomTTAx6lQw-HC_Q)
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