虎ノ門「日常茶飯時」の「味噌漬けローストポーク」が白米泥棒すぎる!箸でほどける極厚肉

「お米が主役です」とうたうお店は割とありますが、本当にご飯がすすむように料理が設計されているお店は案外、少ない気がします。主役を張るにふさわしいピカピカのお米があって、それを引き立たせるためのおかずが高級和食店レベル、そんなお店があったらなあ……という夢をズバリかなえてくれたのが、虎ノ門ヒルズの「日常茶飯時(にちじょうさはんじ)」でした!

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味噌漬けローストポーク

「味噌漬けローストポーク」(1,848円)

「一番好きな食べ物は炊きたての白米」という人にぜひ食べてもらいたい、“白米を加速させるために設計された究極の肉料理”を、ついに発見しました。今回は、週末の酒場巡りが趣味のフードライター・桑原 恵美子さんが、虎ノ門ヒルズの「日常茶飯時」の一番人気メニュー「味噌漬けローストポーク」を紹介します。

桑原 恵美子
フードライター。十数年間にわたり、新聞社系の媒体で大手チェーン飲食店や新オープンの商業施設の飲食店、食品メーカーを中心に取材。ぐるなび媒体「dressing」でも100軒以上の飲食店を取材。「ラクなのに美味しい 驚異の弱火調理法」(三空出版)など料理レシピ本の構成にも携わる。
訪れた飲食店を紹介している個人ブログ:
https://ameblo.jp/amaguri0111/theme-10066247104.html

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日常茶飯時(東京・虎ノ門)

【店舗Data】
日常茶飯時(にちじょうさはんじ)
業態: 和食店
席数: 80席(カウンター席、テーブル席、掘りごたつ式座敷)
客単価:昼1,700円、夜5,000円
客層:0~50代、男女比3:7、平日はオフィスワーカー、週末はファミリーが多い
住  所:東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズステーションタワー2F
アクセス:日比谷線虎ノ門ヒルズ駅直結・銀座線虎ノ門駅徒歩10分
営業時間:火~金曜日11:00~15:00、17:00~23:00、土曜日11:00~16:00、17:00~23:00、日曜日・祝日11:00~16:00、17:00~22:00
定休日 :月曜日
https://www.instagram.com/nichijosahanji_toranomon/
https://r.gnavi.co.jp/cagfz3gs0000/map/

目次
お米が引き立つおかずを、家庭ではできないクオリティーで提供
”ご飯との往復”で完成する味「味噌漬けローストポーク」
虎ノ門界隈の住民が求める「日常の贅沢」をリサーチ
オフィス街で、ファミリーにも愛される店を実現

お米が引き立つおかずを、家庭ではできないクオリティーで提供

「日常茶飯時」があるのは、先鋭的な飲食店が結集していることで知られる虎ノ門ヒルズステーションタワーの2階。2023年10月に開業した同施設ですが、飲食店エリアは順次オープンする形で段階的に拡大。2024年1月16日、他の飲食を中心とした26の店舗と同時にオープンしました。

  • 明るくスタイリッシュな空間。コンセプトは、“すべての年代に心地いい場所”であること
  • 入り口に設置されたA看板。「お米が主役」の文字と写真が目を引く
一人でお酒を楽しめるカウンター席から4人席、団体用大テーブル席まで。ベビーカーや車いすが通りやすいように床の段差を極力無くし、テーブルの間隔を広くとっている
  • 小さな子ども連れのファミリーもくつろげる掘りごたつ席を窓際に用意
  • 店奥に、会食に使える個室もある

料理の特長は「お米が主役」であることと、「家庭料理をアップデートしている」こと。ランチコースを注文すると、こだわりの白米がおかわり自由。ディナータイムには五ツ星お米マイスターが選んだ5種類の特級米5種類から好みの品種を選べる「炊き立て白米(1合)」(1,078円)を提供しています。

そして料理は、そのとびっきりのお米を引き立たせるためのおかずを探求。誰もが知っている家庭料理を、家庭ではたどり着かない家庭料理に仕上げることを重視しているそうです。

かわいらしいお米型のペンダントライトの下には、バーミキュラのライスポットがぎっしり。多くの鍋を試した結果、バーミキュラが最も米のポテンシャルを引き出せると判断し、採用。ランチタイムの11~15時まですべての鍋をフル稼働させ、常に炊きたての状態で提供している
  • 「炊き立て白米(1合)」(1,078円)は2合より注文可能で、バーミキュラの鍋ごとテーブルに運ばれる。炊き立て白米を潰さないように、しゃもじで切るようにスタッフが混ぜてくれる
  • 米は直接農家から仕入れている品種もあれば、米の卸問屋に料理を食べてもらい「こういう料理ならこのお米が合うのでは」と選定してもらった品種もある。炊き立ての白米を、「ご飯のお供」(10種類198円~)や「味噌汁」(220円)とともに楽しめる

”ご飯との往復”で完成する味「味噌漬けローストポーク」

お米が進んで止まらない魅惑の料理の中でも、最も“お米推進パワー”が強大だと思うのが、今回紹介する「味噌漬けローストポーク」。

「箸じゃ無理、やっぱりナイフとフォークをください」と喉まで出かけた厚み!老若男女全ての層に人気のため、コースのメイン料理にも組み込んでいる

運ばれてきてまず驚くのが、軽く2cmは超えそうな豚肉の厚み。その上に見るからにおいしそうな黄金色のソースがたっぷりかかっています。この味噌は昭和9年(1934年)、創業90年を超える老舗「佐野みそ 亀戸本店」の70種類以上の味噌から選び抜いた西京味噌。食べる前にまず、この甘く香ばしい味噌の香りでノックダウンされそう。

そして次に驚いたのが、お肉のやわらかさ。「やわらかいのでお箸でどうぞ」とスタッフさんに言われても半信半疑だったのですが、まさに箸の重みだけで自らくずれていくような柔らかさ…!100度の温度で4時間じっくり火を入れるという、フランス料理のコンフィと同じ調理法で仕上げているのがその秘密だとか。

箸を乗せただけで自然にほぐれていく衝撃のやわらかさ

味噌の香ばしさで食欲が増し、焼き込んだ白味噌の濃い味が白米を呼び、白米で豚肉の脂がリセットされ、またお肉が進む。“ご飯を最も進ませる肉料理”として最強なのではと思う味なのです。お皿に添えられたマスタードソースで味変すると、また食欲が爆発。味噌とマスタードがこれほど合うのも大発見でした。

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虎ノ門界隈の住民が求める「日常の贅沢」をリサーチ

「日常茶飯時」を運営している株式会社ミナデインは、飲食店経営を起点にしながら、地域ごとに異なる個性を生み出して“まちづくり”を行っている企業として知られています。「日常茶飯時」も、虎ノ門というエリアを研究して生まれた業態だそう。

  • 株式会社ミナデイン営業本部部長で「日常茶飯時」店長を務める西山 征希さん。「お米もワインと同じで、品種が変わると味がガラッと変わります」と熱く語る
  • 笑顔の接客でお出迎えしてくれるスタッフの皆さん

「お米を主役」に据えたきっかけは、お店のある虎ノ門ヒルズを開発・運営している森ビル創業家のルーツが、西新橋のお米屋さんにあると知ったこと。その背景に着想を得て、お米の価値を改めて見つめ直し、“日本人の日常に深く寄り添う食文化である”として、お米とお茶を軸にしたそうです。

「"日常の贅沢"という商品コンセプトを深掘りするため、オープン前にリサーチしたところ、“お米好きな人”のための飲食店の客単価が二極化していることに気付きました。そこで、中価格帯でおいしいお米を味わえるお店が求められているのではと考えました」(西山さん)。

  • 見慣れた定番のメニュー名からはイメージできない、スペシャルな家庭料理。他に、3カ月ごとに変わる季節のメニューもある
  • 虎ノ門ヒルズの立地で、飲み放題のコースが5,000円からあるのは珍しい

料理は主役のお米を引き立たせるためのおかず。「味噌漬けローストポーク」がそうだったように、誰もが知っている家庭料理が驚きの高クオリティーで運ばれてきます。「茄子の揚げ浸し」(858円)がフレンチのような華やかな盛り付けだったり、「季節の野菜スティック+味噌」(968円)がパーティー料理のように豪華だったりと、何を頼んでも驚きがありますし、それでいて食べ慣れた家庭料理の安心感もあるのです。

「お茶漬け」(1,408円)は、茶碗からはみ出すサイズの塩鮭とたっぷりのイクラがインパクト大!「炊き立て白米」は注文から50分ほど時間がかかるため、すぐに白いご飯を食べたい方におすすめ
カシス酒をほうじ茶で割った「ほうじ茶×カシス」(写真左858円)は、ほうじ茶の香ばしい甘味を感じる飲みやすいカクテル。酒粕と米を使用した「日醸クラフト」(同右1,078円)は、「エイトピークスブルーイング」(長野県茅野市)が「日常茶飯時」専用に醸造しているオリジナルのクラフトビール。フルーティでやさしい味わいがごはんにも料理にもよく合う

オフィス街で、ファミリーにも愛される店を実現

もう一つの驚きは、虎ノ門というオフィス街で小さな子ども連れのファミリーを集客している点です。「虎ノ門ヒルズだけでなく港区がそもそも観光客など外からくる人向けの店が多く、このエリアで生活している住民からすると『再開発が進むほど敷居の高い店ばかりになっていく』という課題があることがわかりました。実際、小さな子どものいるファミリー層が多いのに、子どもを連れて行けるお店が本当に少ないのです。そこでお子様ランチや離乳食(無料)を提供すれば、絶対にファミリー層のお客様が集まると確信し、集中的にプロモーションをかけました」(西山さん)。

虎ノ門ヒルズの飲食店の利用者はオフィスフロアの通勤者が圧倒的多数。そのためオープン当初は土日の売り上げが平日の半分ぐらいでしたが、1年後には週末の売り上げの方が高い、ファミリー層がメインの店に自然と移行したそうです。オープン以降、売上は毎月、前年を超えているそうですが、お話を聞くとその成果の陰には、「ご飯スタンプカード」の導入やお茶のサブスクサービスなど、さまざまな工夫の積み重ねがあるようです。

  • 4種類の離乳食の無料提供は、株式会社ミナディンが運営する大型店舗共通。乳幼児連れのファミリー客のほぼ全員がオーダーする人気のサービス
  • 来店ごとに押すスタンプカードを導入。回数に応じて星が増え、特典も豪華になる。あえてデジタル化せず、人間味ある接客と会話を重視し、リピーター創出とスタッフの成長につなげている
「日常のお茶活」(月額2,980円)は、“日本一”と称される茶匠がブレンドした日本茶と中国茶が飲み放題にできるサービスで、虎ノ門ヒルズのオフィスワーカーに大好評。店舗入り口にある「茶場」に日常的に立ち寄ることで、スタッフと顔なじみになり、来店動機につなげる狙いも

「もっと多くの人に当店を知ってもらいたい。おいしいものが食べたい時に、『虎ノ門ヒルズの2階に行こう』と言ってもらえる存在になるのが目標です」(西山さん)。

小さな子どもを伴った外食は両親が周囲に気を遣うことが多いものですが、スタッフの皆さんは小さなお子さんの対応が驚くほどうまく、親子ともどもリラックスして心から食事を楽しめているのが傍目にも伝わってきます。

お鍋ごと運ばれてきたご飯のふたを開けた瞬間、大盛り上がりするご家族を見るスタッフの表情もとてもうれしそう。お店いっぱいにお客さんとスタッフさんのハッピーが響き合っていて、週末に訪れるといつも、幸せのおすそ分けをもらっている気持ちになります。

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