旬や季節のエッセンスを取り入れたメニュー提供は、来店客の笑顔や驚きを引き出す、まさにシェフの腕の見せどころ。今回は、暑い季節にぴったりなメニューを、「スタミナ」と「冷やし」の2つのキーワードで、気鋭のシェフ3人に考案いただいた。立夏を過ぎ、夏の気配が近づくこの季節、ぜひメニュー開発の参考にしていただきたい。
うなぎオムライス 冷やしだし茶漬け
川﨑 祐介シェフ
洋食ボストン(昭和町 BOSTON 蒲生店)(大阪・蒲生四丁目)
材料
生うなぎ開き、うなぎの骨・頭・肝、タレ(醤油・みりん・酒・砂糖)、卵、ご飯、ごぼう、山芋、三つ葉、プチトマト、わさび、刻み海苔、粉山椒、白ゴマ、糸唐辛子
作り方
1.タレを作る。うなぎの骨と頭をよく焼き、酒・みりんの中に入れて煮切り、醤油、砂糖を加える。
2.肝吸は、湯通しした肝と焼いた骨で出汁をとり、塩、醤油、みりんで味を調えて冷やす。
3.うなぎを焼く。タレとからめて焼き、またからめて焼くのを3~4回繰り返す。市販の蒲焼でも代用可。
4.ごぼうはさきがきにしてゴマ油でいため、タレとからめておく。ごはんに、短冊に切ったうなぎとごぼう、白ゴマ、1 のタレを混ぜ、卵で包む。
5.4 にすりおろしてタレを少し入れた山芋をかけ、焼いたうなぎを載せ、山椒と刻み海苔、糸唐辛子を載せる。
6.冷えた肝吸(出汁)に氷と三つ葉、湯むきしたプチトマトを浮かべる。
CHEF’S VOICE
「スタミナ」「夏」から、真っ先にうなぎを思い浮かべました。ただ、“洋食”には基本的に冷たいメニューがなく、うなぎと相性が良いはずのオムライスも、冷えてしまってはおいしくありません。そこで冷たい肝吸(出汁)をかけてひつまぶしのように食べるスタイルにしました。最初はそのまま、次は薬味とともに、そして最後は肝吸をかけて食べていただきます。山芋ソースと薬味、肝吸で様々な味の変化が楽しめます。「BEST OF MENU 2012」の優勝作品を少し意識しました(笑)。
編集部IMPRESSION
そのまま食べると温かく、肝吸をかけると冷やし茶漬けになり、温・冷両方満喫できます。味はしっかりしていますがサラサラといけるので、体が疲れているときにも良いと思います。ごぼうのシャキシャキが食感のアクセントになっています。
川﨑 祐介 シェフハンバーグやオムライスなど、日本人に愛されて続けてきた“洋食”にこだわり、老舗の洋食屋などで修業後、現在、料理長として活躍。日本最大級の料理コンテスト「ぐるなびシェフ BEST OF MENU2012」料理部門優勝。フジテレビ系列「アイアンシェフ」にも出演。
大阪府大阪市城東区蒲生4-16-12
http://r.gnavi.co.jp/ka8d101/本格派の洋食と、長屋をリノベーションした昭和レトロの雰囲気を楽しめる。大阪市内で6店舗を展開するハンバーグレストラン「BOSTON」の一店舗として、2009年12月、地下鉄 蒲生四丁目駅の交差点そばにオープン。