黒潮鮨 西川田店
栃木 宇都宮・西川田 寿司
シーンに合わせたサービスで、慶事や法事の団体予約を獲得
宇都宮市と栃木市を結ぶ栃木街道(栃木県道2号宇都宮栃木線)沿いに、2014年10月にオープンした大型寿司店。北に10キロほど離れた創業40年の本店と比べ、ファミリーの利用が多いのが特徴だ。「開店当初は特別にファミリーを意識してはいなかったのですが、車で来店される家族のお客様が予想以上に多かったので、メニュー構成を実際の客層に合わせて徐々に変えていきました」と、代表取締役の小野惣也氏は語る。メインの握り寿司のほか、生魚が苦手な人や子ども、高齢者向けに各種天ぷらや「まぐろカツ」(1,188円)、さらに「和風出汁のまぐろロールキャベツ」(792円)など季節替わりの洋食メニューも用意して、幅広いニーズに対応している。
また、カウンターやテーブル席に加え、最大120名が収容できる座敷の個室も備え、ビジネス層の宴会や慶事・法事での団体利用も多い。特に法事は年間400件近い利用があり、四十九日、一周忌、三回忌など、それぞれに合ったコースを提案できるように、4,400円~3つのコースを用意する。慶事では、予約の段階でお祝いの内容を細かくヒアリング。還暦祝いでは赤いちゃんちゃんこを用意したり、記念写真の撮影や花火を添えた“寿司ケーキ”のバースデープレートを提供するなど、シーンに応じたサービスで喜ばれている。さらに、利用者にはDMを送ってリピートを促進。「慶事・法事での利用は昨年比120%と、年々増加。利用が集中する週末の売上は平日の3~4倍で、店の集客の大きな柱になっています」と小野氏。大容量の駐車場を備えるほか、団体客には送迎用のバス会社の紹介も行うなど、細やかな配慮が好評だ。
事前予約可能なアプリを導入し、テイクアウトの売上がアップ
売りの寿司は、その日のおすすめのネタを盛り込む「日替わり握り」(1,500円)や、握り10貫と茶碗蒸し、味噌汁をセットにした「女将握り」(2,970円)など、豊富なメニュー構成。ランチでは、寿司を含む各種御膳や丼、定食も提供し、女性を中心に人気だ。鮮魚は宇都宮市中央卸売市場からだけでなく、小野氏が北海道から鹿児島まで全国各地の漁港を訪ね、独自に仕入れルートを開拓。県内の他店ではなかなか食べられない旬の魚をラインナップし、差別化を図っている。
ドリンクは、鮮魚に合う日本酒に力を入れており、常時20種類以上を用意。ほとんどが県内からの来店客ということで、栃木の地酒だけでなく、全国各地の銘酒をそろえつつ、「日本酒人気ランキング」を掲示。特徴をわかりやすく伝え、注文を促している。
近年は仕出し弁当やテイクアウトにも力を入れており、1年ほど前には専用アプリをリリース。アプリを通じて事前にテイクアウトメニューを注文できるようにして、利便性を高め、売上アップに成功した。「小さい子どもがいて、店内でゆっくり外食をするのが難しいファミリーなどから注文が増えました。今後はデリバリーにも対応していきたいと考えています」と、小野氏は意気込む。
店のスタッフの多くはパートやアルバイト。人材育成では、接客・調理ともに作業をマニュアル化して動画を撮影。それを見せながら指導し、アルバイト・パートでもできる仕事を増やしている。その結果、社員の休日を確保するなど、働き方改革にも積極的に取り組む。
そのほか、店のメール会員を募っており、現在、約1,700名いる会員にはお得な情報などを掲載したメルマガを定期的に配信し、リピーター獲得につなげている。
ぐるなびでは、メニューや店内空間など画像を多数掲載してアピール。さらに、「ネット予約」も活用し、着実に手応えを実感。今後もより魅力ある店づくりに努めていく。
ここがポイント!
栃木県宇都宮市西川田町913-3