地元食材を前面にアピール！ 桜島の溶岩を使った「溶岩焼き」で人気店に

溶岩焼 鳥金

鹿児島 霧島　居酒屋

鹿児島の黒さつま地鶏を売りに、業態変更して内装も刷新！

　鹿児島・JR隼人駅から徒歩20分のロードサイドにある、鶏料理がメインの居酒屋。8年前に低価格業態のフランチャイズとして出店し、2年前、現在のオリジナル業態にリニューアルした。オーナーの田中昭二氏は、「鹿児島にはおいしい食材がたくさんあり、なかでも地鶏は抜群。“鶏を食べるなら鳥金”と言っていただけるような、満足度の高い店を目指しました」とリニューアルの狙いを語る。同時に内装も一新し、梁だけ残して天井を外し、吹き抜けの開放的な空間を実現。欄間もあるスタイリッシュな和テイストの店内や、山小屋風の外観など、記憶に残るユニークな空間を作り上げた。

　料理の売りは「溶岩焼き」で、鶏の様々な部位を網羅した「七種盛り」（1,848円）などを楽しんでもらう。各テーブルに設置したコンロの中に桜島の溶岩片を入れ、溶岩から出る遠赤外線効果で素材にじっくりと火を通すスタイルだ。そのほか、「鶏だしおでん」（おまかせ５点盛／638円）、「鶏白湯らーめん」（968円）など、自慢の鶏料理を数多く開発し、差別化を図る。また、鹿児島が誇る地鶏の1つ「黒さつま鶏」を、霧島市内の農場から朝挽きで直送。霧島連山の麓で、伸び伸びと育った高品質の地鶏をお刺身で提供している。

　鶏以外の食材も鹿児島、特に霧島産にこだわる。米は霧島の竹子米、野菜は霧島産の農薬不使用の野菜などを、生産者から直送で仕入れている。「リニューアルにあたって、知人や商工会議所などから地元の生産者を多数、紹介してもらいました。彼らを訪ね歩いて、霧島の食材の素晴らしさを実感し、仕入れルートを開拓していきました」と田中氏は語る。また、若いスタッフとともに生産地を訪問して、農業の苦労や喜び、生産者の想いを直に学んで、スタッフの育成と接客に生かしている。

　もちろん、最初からすべてが順調だったわけではない。特に「リニューアル1年目は苦戦が続いた」（田中氏）という。そこで、2019年秋からWebでの販促を強化。ネット予約を活用するとともに、「ぐるなび台帳」での顧客管理に力を入れた。さらに、ぐるなびが発表した2019年のトレンド鍋「発酵鍋」のNo.1を決める「発酵鍋グランプリ」にもエントリー。鶏すきやき鍋にラクレットチーズを組み合わせて独自の発酵鍋を開発したところ、地元のテレビ番組に取り上げられ、一気に認知が拡大。今では、40～50代の地元のビジネス層を中心に、女性やファミリーの来店も増加している。海外からの出張客や、鹿児島空港を利用するパイロットなど外国人の来店もあり、「ぐるなびインバウンド大作戦」に参加して、外国語メニューブックを作成するなど受け入れ体制の強化を図っている。

　そのほか、ポイントカード（1,000円ごとに１ポイント付与、50ポイントで1,000円引き）を配布し、プレミアム会員には、来店ごとに「鳥金セット」（1,078円）をサービスする。また、「キッズ会員」制度も作り、12歳以下はソフトクリーム無料の特典を付けるなど、ファミリー歓迎の姿勢を打ち出している。

　目標は「飲食業で鹿児島を盛り上げること」と田中氏。今後も、鹿児島の食文化の発信に力を入れていく。

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