ブランド銀鮭に特化した業態で、坪月商40万円を達成!

宮城・仙台の国分町にある「宮城ゴチ酒場 銀結び」は、宮城産のブランド銀鮭「銀王」を使った料理のみを提供する鮭料理専門店。素材の良さがダイレクトに伝わる約40種のメニューを売りに繁盛店に成長している。

URLコピー

宮城ゴチ酒場 銀結び

宮城 仙台 居酒屋

宮城の養殖銀鮭「銀王」を使った約40種のメニューが女性を中心に大人気!

 多くの飲食店がひしめく宮城・仙台の歓楽街・国分町。その中心部から少し離れたエリアのビル2階にあるのが、鮭料理専門店「宮城ゴチ酒場 銀結び」。三陸で養殖された銀鮭「銀王」を使った料理を売りに、20~30代の女性から人気を集め、9坪20席、客単価4,000円で、坪月商40万円を売り上げている。

カウンター6席と座敷席3卓のこぢんまりとした空間。至る所に遊び心ある鮭のグッズが置いてあり、壁には40種類以上のメニューを掲示

 オーナーの田畑雄介氏は、アジア料理やフレンチ、イタリアンなど多様な店で修業し、2019年7月に同店で独立を果たし、「カウンターと座敷席を合わせて20席と広くはありませんが、私一人で営業できる店を目指していたのでベストだと考えました」と田畑氏。

 一方で、国分町の中でも比較的人通りが少なく、フリー客が見込めない立地な上に空中階であることから、目的を持って来店してもらえるような明確な売りが必要と考えた。そんな中、田畑氏は宮城県・女川町のブランド銀鮭「銀王」の存在を知る。「もともと宮城県は鮭の養殖が盛んで、特に『銀王』の養殖を手掛ける株式会社マルキンは、日本における鮭養殖のパイオニア。『銀王』をメニューの軸に据えて宮城の名産としてアピールすることで、県内外からお客様を呼べるのではと考えました」と、田畑氏。「銀王」はあっさりとした良質な脂と濃厚なうま味が特徴。また、餌などを徹底的に管理することで臭みがなく生食も可能なため、さまざまな料理にアレンジできる。そこで、「銀王」を使ったメニューのみを提供する鮭料理専門店に業態を定めた。

【POINT1】素材の味が伝わる&多彩な鮭料理でリピーターを獲得

サク状の銀王に、細挽きのパン粉を付け、180℃以上の油で30秒ほど揚げた「銀王のレアカツ~藻塩と山葵で~」。鮭のレアな食感が楽しめる
  • 一般的には煮た鮭を使う宮城県の郷土料理「はらこ飯」をアレンジし、銀王の刺身を使った「生はらこ飯」。銀王から取った出汁で米を炊いており、三陸産のイクラをのせている
  • 「銀王」の濃厚なうま味が味わえるよう、「銀王のお刺身」などでも提供

 看板メニューは、「銀王のお刺身」(770円)、「銀王のレアカツ~藻塩と山葵で~」(858円)、宮城の郷土料理をアレンジした「生はらこ飯」(1,650円)の3つ。「『銀王』独特の上品な脂や繊細な舌ざわりを楽しんでいただけるよう、あまり火を入れずに食材本来の良さがわかるメニューを看板に据えました」と田畑氏。これらはほぼ100%のオーダー率を誇っており、特に初めての人は「銀王」のとろける食感と濃厚な味に驚きの声を上げるという。

  • 「銀王の和風カルパッチョ」。一口大にカットした銀王とトマト、ミョウガ、カイワレ、万能ネギにしょうゆとオリーブオイルと合わせた一品
  • 日本酒も「銀王」と相性がよいものをラインナップ。宮城県村田町の「乾坤一」(左)と、茨城県水戸市の鮭専用日本酒「サーモンデシュ」(右)の2種類を用意している

 このほか、前菜、おつまみ系、メイン、シメの麺なども、すべて鮭を使ったメニュー。「銀王の和風カルパッチョ」(858円)や「銀王香草チーズ焼き」(858円)、「銀王の唐揚げ~自家製いくらタルタルソース~」(968円)、銀王を使ったカルボナーラ「鮭ボナーラ」(1,188円)、銀王でだしを取った「銀王そば」(1,078円)など、40種類以上をそろえている。「オープン当初は20種程度でしたが、常連のお客様を飽きさせないように増やしていきました。頭の中にはまだ100個以上のレシピがあるので、お客様のニーズや反応を見ながら、鮭の新しい可能性を提案できるような料理に挑戦したい」と田畑氏は笑顔を見せる。

【POINT2】インフルエンサーの来店&SNS効果で集客アップ!

店のTwitterやInstagramで情報を発信。全日本サーモン協会代表でテレビなどにも出演しているサーモン中尾氏のツイート(写真)で認知度が飛躍的に上昇し、集客アップのきっかけに

 こうした鮭料理を売りに意気揚々と船出を切ったが、不利な立地ということもあり創業当初は集客に苦しんだ。「認知度を上げるため、オープンとほぼ同時にTwitterやInstagramを始めましたが、効果はなかなか出ませんでした」と田畑氏。そんな中、2020年8月、サーモンの専門家として多くのメディアに出ている全日本サーモン協会代表・中尾晋(サーモン中尾)氏が来店。自身のTwitterで「宮城ゴチ酒場 銀結び」を紹介したことで認知度が爆発的にアップすることに。そのツイートが、2.8万リツイート、10.9万の「いいね!」を獲得。同じタイミングで始まったGoToキャンペーンも追い風となり、全国から足を運ぶ人が急増。1日120人以上が押し寄せて大行列になり、坪月商40万円を記録するまでになった。繁盛のきっかけはSNSだったが、一過性のブームに終わらず、実際に食べた人が「こんなにトロけるサーモンは食べたことがない!」と熱烈なリピーターへと変わり、時短営業を余儀なくされている2021年7月現在も、連日満席が続いている。

【POINT3】来店客の縁をつなぐ「ゴチシステム」が話題に

オープン時から行っている「ゴチシステム」。ボードに「只今のゴチメニュー」として支払い済の料理を掲示。常連同士で顔なじみも多いため、特定の人を指名して事前に支払うケースも

 一方で、ユニークな取り組みとして話題を集めているのが「ゴチシステム」だ。これは、来店客が料理代金を先払いし、その後に来店した別の人が無料でその料理を食べられるというもの。「『銀結び』という店名には、銀王を通して生産者やお客様など当店にかかわるさまざまな人の縁を結び付けたいという思いが込められています。ゴチシステムを通して、新しい縁が生まれたらうれしい」と田畑氏。常連客が初めて来店する人のために「この料理を食べてほしい」と先払いしておいたり、今度来店を予定している知り合いの名前を指定して料理代を先払いするなど、さまざまなかたちで利用されている。

  • 今年新設した加工場では「銀王塩麹ルイベ漬け」(200g1,980円)など、10種類の加工品を製造。今秋から各種ECサイトや仙台朝市のアンテナショップでも販売する予定だ
  • 同じビルの1階に2号店の「鮭cafe&bar 銀結び」をオープン。以前入っていた和食店を居抜きで利用。本店と同様、店内は鮭グッズであふれている

 店の運営が軌道に乗ったことから、2021年6月には同じビルの1階に2号店となる「鮭cafe&bar 銀結び」を出店。料理は、「銀王のだし巻きオムライス」(858円)など、「銀王」を使った洋風のカフェメニューが中心。1号店が満席で入れなかった人の受け皿としての役割も担っている。

 加えて、「銀王」が昨年6月にASC認証(養殖魚を対象としたサスティナブルな漁業の認証制度)を取得したことから、「サステナビリティの観点からも今後さらに注目されるはず」(田畑氏)と、「銀王」を軸にした事業の多角化にも乗り出している。その一つとして、今年春に宮城・富谷市に新設した加工場で、「銀王塩麹ルイベ漬け」(200g1,980円)など、加工品の製造に着手した。「加工品の販売は独立当初から描いていた構想。今年の秋から各種ECサイトで販売を開始する予定で、今後は『銀王』の加工・販売事業にも力を入れていきます」(田畑氏)と、さらなる挑戦に意欲をのぞかせている。

宮城ゴチ酒場 銀結び(宮城 仙台)
宮城県仙台市青葉区国分町2-13-28 ニュー若竹ビル2F
https://r.gnavi.co.jp/9r3v8dvg0000/
2019年7月にオープンした、ブランド銀鮭「銀王」料理の専門店。平均客単価は3,000円で、来店客の8割が女性。Jリーグなどイベントへの出店や加工品の販売など多角的に事業を拡大している。
オーナー 田畑 雄介 氏
秋田県生まれ、仙台育ち。客として訪れたショットバーのオーナーに憧れ、美容師から飲食業界へ転身。さまざまな業態の飲食店で修業した経験を店づくりに生かす。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

ぐるなび通信をフォローする