連日満席!名古屋「朧月夜 名駅本店」“また来たい”を引き出す、日本酒居酒屋のしかけとは?

名古屋駅から徒歩7分ほどの居酒屋「朧月夜 名駅本店」。月商は平均1,000万円を超え、コロナ禍後の2023年以降、売上は常に前年月を上回り成長を続けている。日本酒好きの常連や近隣に勤務するビジネス利用などで連日満席になる人気ぶりだ。

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日本酒ファンで連日にぎわう、一軒家の居酒屋

名古屋駅に近い立地ながら、大通りから入った路地に建つ、隠れ家のような佇まい

オフィスビルや商業施設が建ち並ぶ名駅エリアにある「朧月夜 名駅本店」。ランチはおばんざいや豚汁などの付いた御膳、夜はコースや一品料理に加え、充実した品ぞろえを誇る日本酒でファンを獲得している居酒屋だ。

日本酒は純米酒を中心にラインナップ。その理由は「さまざまな料理と相性が良く、翌日に酔いが残りにくいからです」と語るのは、店長を務める山田 稔 氏。全国各地の甘口、辛口、旨口の日本酒を幅広くそろえ、客それぞれの好みに対応している。さらに入手困難とされる銘酒も置いており、名古屋屈指の仕入れ力が強みだ。料理は鮮度と質にこだわり、毎日市場から取り寄せる海の幸を使った和食や、手間暇かけた酒の肴に定評がある。

  • 中庭を眺めながら食事を楽しめる、1階奥の掘りごたつ個室
  • 2階は4、6、8、12人席の掘りごたつ個室を用意。ふすまを開け、44人までフロア貸切が可能

山田氏が店長に着任したのは2018年。当時約450万円ほどであった月商を、今や平均1,000万円と倍以上に伸ばし、繁忙期の12月は1,300万円を叩き出した。コロナ禍は休業したものの、地道に既存の客への情報発信を続けたため、営業を再開してから客足の戻りは早く、以後は上り調子という。繁華街という立地で競合店がひしめくなか、何に注力して成長を遂げているのか。山田氏に話を聞くと、日々の「コミュニケーション」が数多くのリピートにつながっていた。

【店舗Data】
朧月夜(おぼろづきよ)名駅本店
業態:居酒屋
席数:60席
客単価平均:ランチ1,100円、夜・宴会平均5,500円
客層:40~50代のサラリーマン、日本酒ファン、男女比6:4

住  所:愛知県名古屋市中村区名駅2-36-12
アクセス:JR・名鉄名古屋駅から徒歩7分
営業時間:昼の部(月〜金曜日)11:30~14:00、夜の部(月~土曜日)17:00~23:00
定休日 :日曜日・祝日
https://r.gnavi.co.jp/n092901/
https://www.instagram.com/oborozukiyo_meiekiten/

繁盛へと導いた、3つのポイント

【POINT1】希少銘柄は自動納品!圧巻の飲み放題スタイル
【POINT2】素材の鮮度と質にこだわるコースメニュー
【POINT3】客・取引先・スタッフとのコミュニケーションを重視

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【POINT1】希少銘柄は自動納品!圧巻の飲み放題スタイル

「プレミアム飲み放題」(120分/5,280円)と「飲み放題」(100分/3,850円)を用意。日本酒好きの常連には、”店長専用冷蔵庫”に眠る秘蔵銘柄も登場する「プレミアム飲み放題」が大人気。ラインナップは仕入れ状況により異なるため、メニューには一部の銘柄しか載っていないという。飲み放題は日本酒に限らず、ビール、焼酎、酎ハイ、カクテル、ソフトドリンクなども注文できる

常連客をひきつけるのは「一期一会」の日本酒だ。定番のほかに、その日の仕入状況によってメニューに載っていない季節限定酒や、「十四代」「而今(じこん)」「新政」などの入手困難な銘柄、時には、店長専用冷蔵庫に眠る秘蔵銘柄と出合えることもある。

「日本酒は 『自動納品』されます。定番以外は、酒屋さんが売りたい酒を持って来てもらう。長年の付き合いになる日本酒の業者さんを大切にし、相手の事情に合わせているので、希少銘柄も時々入れてくれるんです」と山田氏は打ち明ける。

飲み放題の提供スタイルが特徴的だ。テーブルに一升瓶を5~6本並べ、客に自由に飲んでもらう。「注文してから提供されるまでの待ち時間を、飲み放題の時間に含めてよいのかな?という疑問から生まれた方法です。途中で、気に入られた銘柄と似たタイプや、逆に異なる味わいの酒などに総入れ替えもするから驚かれますね(笑)。異なる味わいをたっぷりと楽しんでもらっています」(山田氏)。

写真の銘柄は一例。飲み放題は客が自分で一升瓶から注ぐ。今まで飲んだことのなかった日本酒との出合いも楽しんでもらう

相手の喜びを第一とする山田氏の思いから生まれた、驚きの飲み放題サービス。客からは「ここに来たら間違いない」「日本酒好きはたまらない」と支持され、”また来たい”を引き出す最大のポイントとなっている。

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【POINT2】素材の鮮度と質にこだわるコースメニュー

「だしを丁寧にひくこと、ご飯をおいしく炊くこと、美しく盛り付けること、そこから始まる和食のごちそう」をコンセプトとした、厳選食材を使った創作和食コース。鮮度と質にこだわる料理をそろえており、接待や歓送迎会などビジネス利用率も高い。

山海の幸を味わえる「120分飲み放題付き・贅沢三昧コース」(7,000円)の一部
  • 「贅沢三昧コース」の料理は全9品。季節の野菜の前菜、お刺身の盛り合わせ、西京焼き・牛ヒレのロース、国産牛の蒸籠蒸しと、酒に寄り添う肴がそろう
  • 「贅沢三昧コース」の焼物「赤魚の西京焼き」。素材の鮮度は、寿司店や和食割烹の板前の経験を持つ山田氏の目利きが光る

コースは、手頃感のある「100分飲み放題付き・越後もち豚コース」(5,500円)と「120分飲み放題付き・贅沢三昧コース」(7,000円)が人気を二分する。季節の野菜の前菜、旬の椀物、5種の刺身、国産牛の蒸籠蒸しなどの全9品を提供。なかでも刺身は元寿司職人という山田氏の目利きにかなった、東海地方の台所・柳橋市場から仕入れた鮮魚を使う。特に専門の卸問屋から調達したマグロに自信を持っている。それぞれの料理に旬の素材を取り入れており、どれも日本酒と相性が良いのが特徴だ。

県外からの客にも好評な「100分飲み放題付き・名古屋飯コース」(5,500円)の一部。名古屋グルメにも自信あり

「100分飲み放題付き・名古屋飯コース」(5,500円)は名古屋海老フライ、味噌串カツ、手羽先の唐揚げなど名古屋名物を満喫できる全10品のコース。観光や、出張で訪れたビジネス利用に好評だ。

取材時の「旬のおすすめ」メニュー。タケノコ、菜の花、ホタルイカなど、春の食材を使ったアラカルトがそろう
甘辛な味わいの「牛すじ大根」(写真手前/900円)やスタッフのまかないでも大人気の「自家製焼豚」(同奥/1,080円)

一品料理も、旬食材を使った季節の料理から定番まで豊富にそろい、あともう一品という需要にこたえる。4時間以上煮込む「牛すじ大根」、10時間かけて低温調理した「自家製焼豚」などが人気だ。

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【POINT3】客・取引先・スタッフとのコミュニケーションを重視

「コミュニケーションを通してお客様一人一人と、そして取引先とのつながりを大切にし、アナログでしかできない対応を追求したいです」と山田氏は笑顔で語る。理念として掲げる「お客様を笑顔に」を実現するには「まずスタッフが笑顔で働けること」が不可欠と言い、スタッフとスマホ向けコミュニケーションアプリで密に連絡を取り合い、日々気付いたことを発信している。

そんな山田氏について、前職から約20年、現在も「朧月夜」でともに働く土田 純也 氏は「僕の恩師。スタッフにもお客様にも分け隔てなくフレンドリーに接し、親しみやすい存在です。知識量の多さと接客術は、群を抜いていますね」と話す。

山田氏は店舗の経営母体、有限会社SHUNKANダイニングサービスの統括営業部長も務め、系列店のサポートも行う。直近では岐阜市の店「御月見堂/夜は夕月夜」に赴き、わずか1カ月で売上を130%に伸ばし立て直した。「スタッフに教えたのは、お客様がどんな理由や状況で来店してくださったのかを考えたうえで、コミュニケーションを取ること。そこから喜びや感動が生まれるからです」(山田氏)。

スタッフとの会話には、スマホ向けコミュニケーションアプリのグループチャットを活用。日常の気軽な会話から日本酒や食材などの豆知識、接客に関することまで、”伝える”ことを大事にしている

課題は人材育成とし、スタッフのスキルの底上げを目指す。酒蔵の情報をコミュニケーションアプリのグループチャットで共有するなど、日々伝えることに注力する。「例えば、日本酒への興味が増すようにスタッフに自分が推したい日本酒を選んでもらい、接客時に活かせる説明やアピールのためのネタ帳を作成してもらっています。私はその内容にアドバイスをしたり、伝え方の工夫を一緒に考えたりしています」と山田氏。

「今後もお客様に『期待以上だった』と喜んでいただける店作りを続けていきたいです」と山田氏は力を込める。こだわりの日本酒や料理とともに、アナログだからこそ感じられる人の温かみが、これからも集客に結びついていきそうだ。

店長 山田 稔 氏
フランス料理店のコック、寿司店および和食割烹の板前を経て、2018年に有限会社SHUNKANダイニングサービスへ入社。「朧月夜 名駅本店」「宵月夜」の店長を務めながら、統括営業部長として全体のマネジメントにも携わる。一方で、日本酒イベントを主催する「酒fine」統括実行委員長という顔も持つ。「お客様が笑顔になる」を目指すとともに、日本酒文化の伝承に努める。個人としての目標は、自らが手がけた陶器で料理を楽しんでもらうこと。

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