成功モデルをアレンジして昇華させる業態開発術
「コスパ系居酒屋 均タロー」(以下、「均タロー」)などを展開する株式会社ジュネストリー。社名の意味は“若人の物語”。率いるのは平成生まれの東明 遼 氏だ。18歳で居酒屋に就職し、店長を務めた後、2016年に独立し、焼き鳥居酒屋を22歳で開業。「居酒屋それゆけ!鶏ヤロー!」(株式会社鶏ヤロー、以下「鶏ヤロー」)のFC店舗を出店し、経営を軌道に乗せた。
その後、「鶏ヤロー」から学んだノウハウを生かして20代をメインターゲットとした「均タロー」を生み出し、4年間で1都3県に直営14店舗、FC4店舗を展開。2025年10月には新業態「魚(ぎょ)えもん」も出店。「10年で直営50店舗」を目標に掲げ、成功モデルを独自にアレンジして昇華させる東明氏の業態開発術に迫った。
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目次
・FC加盟とコロナ禍をきっかけに自社ブランドを開発
・格安食べ飲み放題の導入が予約獲得の原動力に
・大手チェーンから着想を得た魚の新業態もヒット!
・10年後の直営50店舗を目指し人材育成に取り組む
・「リーダー×一問一答」&「COMPANY DATA」
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FC加盟とコロナ禍をきっかけに自社ブランドを開発
――「鶏ヤロー」のFC加盟が会社の転機となったそうですね。
独立して個人店経営の難しさを感じていたときに、株式会社鶏ヤローの和田 成司(せいじ)社長のブログを読んで共感し、「鶏ヤロー」のFCに加盟しました。当時、「鶏ヤロー」は加盟金(50円)もロイヤリティー(50円)も業界最安値といわれ、加盟のハードルが低かったのも魅力でした。
その後、「鶏ヤロー」をFCで3店舗まで増やし、経営が軌道に乗ってきたのですが、「鶏ヤロー」の店舗数が増加したことで、出店できるエリアが徐々に限られてきたんです。加えて、社員からも自社業態の出店を望む声が挙がったこともあり、新業態開発に注力することにしました。この時はコロナ禍真っ只中で、補助金や融資が受けやすい状態だったことも新規出店の追い風になりました。
――そうして生まれた新業態が「均タロー」だったんですね。
「均タロー」は、「鶏ヤロー」の成功モデルをベースにしていて、出店立地や物件、ターゲットの年齢層、客単価などはぼぼ同じ。類似業態なので、事前に和田社長にも出店の許可をいただきました。1号店は、2022年7月、東京・下北沢にオープン。下北沢は当社が「鶏ヤロー」のFC店舗を運営していたので、客層のターゲットが同じ「均タロー」をテストする場所として最適だと考えたんです。
「均タロー」1号店は出店後わずか数カ月で軌道に乗り、既存の「鶏ヤロー」の業績も堅調なままでした。この2ブランドが同じエリアで共存可能だということがわかり、その後の出店エリアを考える上でも大きな判断材料になりました。
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格安食べ飲み放題の導入が予約獲得の原動力に
――「均タロー」がヒットした要因は何でしょうか?
「鶏ヤロー」の強みは残しつつ、独自のアレンジを加えました。その一つが、「食べ飲み放題コース」(2,980円)の導入です。狙いは、コース予約が取れるようにすることで、フリー客が期待できない物件でも勝負できるブランドにするため。ただ、この価格で食べ飲み放題をすると「安かろう、悪かろう」になりかねません。そこは妥協せず、お客様にご満足いただけるクオリティーの料理を提供するため、仕込みを店内でしっかり行うなど、調理に手間をかけて手作りにこだわりました。現状、お客様の半数が食べ飲み放題をオーダーされるので、安定した売上と客単価アップを実現できています。
直営14店舗の業績は月商850万円で、最高月商は横浜店の2,000万円(坪月商40万円)。FC展開も行い、現在、加盟金99円・ロイヤリティー9.9万円という本部の利益を度外視したパッケージで4店舗を出店しています。加盟金やロイヤリティーで利益を出そうとは考えておらず、FC店舗が増えることで認知度やブランド力が上がると考えています。
――絶好調の「均タロー」ですが、課題はありますか?
もう少し上の年齢層も集客したいと考えていて、客単価アップに向けたリブランディングに着手しています。食材や人件費の高騰から値上げの回避は難しいので、値上げしても満足感につながるように料理のクオリティーをさらに磨き、原価もしっかりかけて、売上をさらに上げたい。それを下支えするために、新たにセントラルキッチンも準備しています。
大手チェーンから着想を得た魚の新業態もヒット!
――2025年10月には新業態「魚えもん」も出店されました。
好条件だけど「均タロー」向きではないエリアや物件でも出店できるように、新たなカードとして開発したのが「魚えもん」(千葉・柏)です。業態開発する上でイメージしたのは大手チェーンの焼き鳥を多彩な魚料理に変換したブランド。客単価3,500円くらいで30~40代をメインに学生からビジネス層、ファミリーまでをターゲットにしています。低単価の魚業態は多くないので差別化になりますし、小ポーションで多彩な魚メニューを楽しめるのも強みです。
――「均タロー」も「魚えもん」も、既存のヒットブランドのアレンジ業態なんですね。
0→1の業態開発は苦手なんですが、成功モデルに手を加えて、新たな強みを持つ業態を生み出すのは得意だと思います。「魚えもん」は初月から1,300万円(坪月商26万円)を売り上げて好調なスタートが切れました。すでに2店舗目(新橋・2026年2月オープン予定)、3店舗目(大井町・2026年5月オープン予定)の出店も決まっています。
空中階が得意で若者メインの「均タロー」と、路面で勝てて客層の幅が広い「魚えもん」という2つの武器を手に入れたので、物件や出店エリアの選択肢が増えました。今後はさらに出店も加速できるのではないかとワクワクしています。
10年後の直営50店舗を目指し人材育成に取り組む
――快進撃の予感大ですね。現在の課題は?
人材の採用には難しさを感じています。ただ、2年ほど前からネパール人の社員採用を開始し、社員の3分の1がネパール人です。特定技能1号ですが、2号を取得して永住を目指す人も多く、重要な戦力になっています。いつかネパールへの出店につながる可能性もあると考えています。
また、店長の店舗運営が行き届かないと、店ごとに原価率がブレて利益も下がるので、店長教育も強化したいポイントですね。
――最後に、今後の出店戦略と展望を教えてください。
2026年は「均タロー」「魚えもん」ともに直営で2店舗を出店する予定で、当面はこの2ブランドを軸に1都3県を拠点に店舗を展開したいです。
長期的には、10年後に直営50店舗を目指しています。そのためには、右腕の育成が重要。今まで一人で決断してきましたが、今後は「壁打ち」ができる相手が社内にいないと成長は望めません。新ブランドのアイデアも社員から挙がることが理想。「自分のアイデアを実現できる」という社員のモチベーションが会社を発展させるからです。こうした環境を整えられれば直営50店舗は実現可能。10年後の答え合わせの時に向けて、一歩一歩進んでいきたいです。
リーダー×一問一答
■経営者として大切にしている事
理念にもある「人を大切に想い 人が人を豊かにする」
■愛読の雑誌やWebサイト
「月刊食堂」「フードリンクニュース」「フードスタジアム」
■日課、習慣
毎日昼か夜に外食すること
■今一番興味があること
店舗展開と業態開発
■座右の銘
ねだるな勝ち取れ
■最近、注目している店舗名、もしくは業態
「つむぎ堂」(馬淵 和也 氏)
■COMPANY DATA
株式会社ジュネストリー
東京都大田区大森北2丁目3-16 第1かぎわだビル2階
https://junestry.com/
設立:2019年
ブランド数・店舗数:2ブランド、直営16店舗、FC4店舗※その他「鶏ヤロー」FC4店舗(2026年1月時点)
従業員数:社員約60人、アルバイト約450人(2026年1月時点)
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