居酒屋のキャッチからスタートして繁盛店の経営者に
株式会社Buzz Foodsの代表取締役・鈴木 康平 氏は、埼玉県の強豪校で野球に打ち込み、引退後の高校3年時から大手居酒屋チェーンでアルバイトを始めた。大学時代は居酒屋のキャッチをするようになり、アルバイトながら月に40~50万円を稼いでいたという。
そんな中、知人の中国人経営者が居酒屋を開業したのだが、決してQSCが高いとは言えない店にもかかわらず集客できている様子を見て、「この店が成功するなら、自分でもできるはず」と、独立・開業を決意。2019年、23歳で千葉・津田沼に居酒屋をオープンした。
独立の翌年にはコロナ禍に見舞われたが、2020年8月に別会社の飲食店を譲り受けた。その後、法人化して、コロナ融資や補助金を活用しながら4店舗まで拡大するが、そこで多店舗展開の壁にぶつかり、人材育成や経営について本気で学ぶようになった。
転機となったのが、2023年、東京・錦糸町に出店した「
おでんと釜たき飯 あおちょ
」。お通しのおでん食べ放題のアイデアが受けてSNSで拡散され、月商1,750万円の人気店へ成長した。
現在、「あおちょ」ブランド4店舗のほか、バーなど10店舗を運営している。若くして独立した鈴木氏がなぜヒット店を生み出せたのか。独立からの道のりや経営者としての信条、今後の展望について伺った。
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目次
・ナンバー2の独立がきっかけで経営を学ぶように
・「おでんと釜たき飯 あおちょ」が最高月商1,750万円のヒット
・M&Aや新業態出店と多角的に事業拡大
・「年商100億円」と「社長10人の育成」を目指す
・「リーダー×一問一答」&「COMPANY DATA」
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ナンバー2の独立がきっかけで経営を学ぶように
――独立は2019年。直後に起こったコロナ禍はどう乗り越えたのでしょう。
千葉県の津田沼に出店した「八助」(現「~おでんと酒~ 傳八」)はオープン直後からぐるなびなどの飲食店検索サイトに掲載することで集客力が上がり、売上が大きく伸びました。ところがコロナ禍が発生し、1カ月でキャンセルの電話が400件くらい来ました。貯金も乏しい当時24歳の自分には厳しい状況でしたが、地元に住んでるアルバイトからは「学校もないから働きたい」と言ってくれて、なんとか営業を継続できました。
――その後、経営者としてのスタンスを変えるできごとがあったそうですね。
まだまだコロナ真っ只中の2020年8月に、以前勤めてた会社から同じ津田沼の80坪の大箱居酒屋を引き継ぐ話をいただいて2店舗目を出店し、同じ年の11月には法人化もしました。それから数年かけて千葉駅に3店舗目、赤羽駅に4店舗目を出店したのですが、社内の仕組み作りをおろそかにしたことで、幹部メンバーとの距離が少しずつ離れていったんです。そんな矢先に当時ナンバー2だった幹部の一人が独立。社内の一体感が無くなっていたことは薄々感じていたので、「悔しい」というより「やっぱり来たか…」というのが正直なところでした。この出来事が、本気で経営を学ぶようになったという意味で、経営者としての転機になりました。
それまで僕は、「お金を稼ぐ」というモチベーションで会社を経営していました。スタッフの幸せがどうかより、「たくさん稼いで楽しく生きたい」という気持ちのほうが強かったんです。しかし、幹部が独立したことで、スタッフがどういう思いで働いているかを考えられていなかったことや、リーダーとして会社が何を目指すのかを示せていなかったことを痛感させられました。
その後は、いろいろな経営者の方との人脈を広げるようにして、人材系の研修に参加したり「居酒屋甲子園」の勉強会に参加したりして、真剣に経営を学ぶようになりました。その中で、会社の理念やスタッフのモチベーションアップ、働きやすい環境の整備が、会社を大きくしていく上でいかに重要か気付くことができました。
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「おでんと釜たき飯 あおちょ」が最高月商1,750万円のヒット
――2023年に出店した錦糸町「おでんと釜たき飯 あおちょ」のコンセプトは?
「おでん」がトレンドになっていると感じていたので、おでんのお通し食べ放題を軸にしようと考えていて、そこに同じくトレンドメニューの「釜たき飯」を組み合わせました。出店エリアを錦糸町にしたのは、街の雰囲気が気に入っていたからです。
SNSでの拡散を狙って内装にこだわり、デザイナーにロゴや制服などをお願いして、壁画やメインのちょうちんは職人に直筆で書いてもらいました。こうしたディテールへのこだわりがお客様を惹きつけ、動画の拡散にもつながったと思います。
――「あおちょ」がヒットした一番の要因は何だと思いますか?
オープン時期がちょうど涼しくなる10月だった、というのが大きいと思います。10月は「そろそろおでんの季節だな」と思うようになる一方で、多くの人が実際にはまだおでんを食べていない時期でもあります。そのタイミングで、シズル感のある「おでん」の動画をInstagramに投稿したところ、複数の動画が100万回再生を超えて、最高のスタートダッシュが決められたんです。
ちなみに、2024年12月末オープンの赤羽店でも、錦糸町店と同じ手法でおでんの動画を拡散させようとしたのですが、思ったほど再生回数が伸びませんでした。12月末にもなると、多くの人がおでんをすでに食べているので、錦糸町店のときのような爆発的な拡散につながらなかったのではと分析しています。この経験から、「秋オープン×動画拡散戦略」が「あおちょ」の繁盛への近道だと確信するようになりました。
現在「あおちょ」ブランドは、「おでんと釜たき飯 あおちょ」以外に「おでんと原始焼き あおちょ」(赤羽店)、「おでんと炉端焼き あおちょ」(柏店・千葉駅前店)の4店舗を展開。各店舗とも客層は20~30代がメインで女性がやや多く、客単価は平均3,800円です。2025年12月には、30坪の錦糸町店は最高月商1,750万円、15坪の赤羽店も約1,000万円に達しました。また、「おでんと炉端焼き」はFCブランドとして展開していきたいと考えています。
M&Aや新業態出店と多角的に事業拡大
――2025年10月、錦糸町のうどん店「石臼挽きうどん しゅはり」をM&Aしたそうですね。
目的は、昼に強い食事業態を持ちたかったからです。「あおちょ」は夜業態で成功していましたが、ランチタイムに強くはありません。そこで、うどんやそばのような日常的に食べられてランチ需要を取り込める業態を持つことで、会社としての武器を増やそうと思ったんです。「石臼挽きうどん しゅはり」は東京江戸うどんで、当社が引き継いでから売上がアップしています。今後はロゴや制服、メニュー構成を全面的にリブランディングして、夜はうどん酒場として展開する予定です。東京江戸うどんで、当社が引き継いでから売上がアップしています。
――1月には新業態も出店されたとか。どんなお店ですか?
2026年1月には、同じ錦糸町で新業態「洋食堂オレん家゛(おれんぢ)」をオープンしました。元ラーメン店の路面物件で、立地の良さと家賃の手頃さが出店の決め手でした。ビストロ業態で、客単価4,000~5,000円の日常使いできるお店を目指します。これにより錦糸町では「あおちょ」「しゅはり」「洋食堂オレん家゛」の3業態を運営することになりました。それぞれ利用シーンが違うので、リスクヘッジにもなりますし、シナジー効果も期待しています。
「年商100億円」と「社長10人の育成」を目指す
――人材採用について取り組んでいることを教えて下さい。
これまではリファラル採用だけでしたが、2026年からは本格的な採用活動を開始します。会社の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を明らかにして、ホームページを新たに作成しているところです。今後の店舗展開に向けて2026年に採用する人材を1~2年かけて教育していき、拡大フェーズに備えていきます。
――最後に今後の目標を教えて下さい。
今後10年の目標は「年商100億円」です。今30歳で、年商10億ほどなので30代のうちに100億円も不可能な数字ではありません。まずは2026年に5店舗くらいの出店を予定しています。
さらに長期的には、「10人の社長を生む」ことを目指しています。社員にのれん分けで会社を作ってもらい、グループ会社としてそれぞれが経営する。そうすれば各社長の裁量を活かせますし、その会社の社員も幸せにできると考えています。そして最終的にはグループ全体で「街に必要とされ、愛される企業」になりたいと思っています。
リーダー×一問一答
■経営者として大切にしている事
愛 感謝
飲食を通して関わる人の人生を好転させる
■愛読の雑誌やWebサイト
「フードスタジアム」
「外食新聞」
「月刊食堂」
「チャンプロード」
■日課、習慣
筋トレ、競合店リサーチ
■今一番興味があること
地方出店、海外出店
■座右の銘
死ぬこと以外かすり傷
No pein. No gain.
■最近、注目している店舗名、もしくは業態
「香川一福」。うどん屋をやってるので
「立ち飲み業態」。ドミナントしていきたいので
■COMPANY DATA
株式会社Buzz Foods
千葉県習志野市津田沼1丁目2番7号wells21津田沼ビル5F
設立:2020年
店舗数:14店舗
従業員数:社員30人、アルバイト120人
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