2026/05/12 コラボ企画

東京・渋谷「大衆酒場 ひまわり」ネオの先駆けがブームを超えて渋谷の街に根付く理由

ネオ大衆酒場の先駆けとして、人気を博した「大衆酒場ひまわり」を運営する、株式会社渋谷の歩き方 代表取締役の久保木 秀直 氏は、当時からネオを意識して作っていたわけではないという。フィーバーが去った今も、平月売上1,600万円を維持し、日常使いの居酒屋として存在感を放っている。なぜ同店は一過性のブームで終わらず、渋谷の街に根付いたのか。20年以上にわたり、渋谷でドミナント展開してきた久保木氏にお話を伺った。

URLコピー

※スマイラー120号(2026年3月)より転載

2019年、ひまわりが、ネオ大衆酒場と“呼ばれた”年

「大衆酒場 ひまわり」が現在の業態になるまで、苦節8年の試行錯誤があったという。2011年初めは、ヨーロッパのマルシェを再現したような、ワイン主体の“マルシェ酒場”だったそうだ。「うちは居酒屋のカルチャーなので、たぶん、プロデュース的に、構想した社員の思いと現場とのギャップがあったのかな。大失敗に終わりました」(久保木氏)。

店は地下階にある

<関連記事:渋谷の繁盛店事例>
渋谷の隠れ家居酒屋「ツーピース」が繁盛する理由。静岡グルメと希少な地酒で月商1,200万円を実現!

▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ

▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
週1~2回新情報をお届け。ぜひ友だち追加をお願いします!

そこからは、久保木氏が引き継いだ。「ワインダイニングなど、なし崩し的に軽い業態変更は試みたんですけど、外から見たら同じ店でしたね」 。一方で、同店の斜め前に出店した、小皿和食主体の、同社にとってネオ居酒屋1号店ともいえる業態が成功。その体験をもとに、2019年に大がかりなリニューアルを行った。「櫓(やぐら)を入れたら面白いんじゃないかと、イッキに変えました」と久保木氏。

さらに元来、SNS戦略は頑張っていない店だったが、当時インフルエンサーの走りのような人々の影響で、人気に火が付く。同時に、インスタ映えするサワードリンクに力を入れ始め、それが受けた。「渋谷のネオ大衆酒場といえば、“ひまわり”だよねと言ってもらえるようになりました」。

久保木氏は現在、ネオ居酒屋という意識はあまり持っていないと話す。「もうだいぶ経ってますし。僕が学生時代から通っていた渋谷にある赤提灯の店が、ネオだってネットで言われているのを見て、もう何がネオ居酒屋かわからないんですよ」。

“ネオ”かどうかではなく、居酒屋としてどうか

「居心地が良くて、元気がよく、おいしいものが食べられ、店を出るときに少し元気になって帰っていく、というのが居酒屋の原点」だと久保木氏は語る。そこに昭和生まれの人間が、懐かしくて当時おしゃれと思った感覚と、新しくて楽しいものを合わせた。「当時の子たちが上手に表現してくれて、今も良いところ“ひまわりらしさ”を受け継いでいる」そうだ。

人気のサワー

初期は、開店前に若い女性の行列ができ、彼女たちはインスタで上がっているものだけを注文し、写真を撮って帰っていく。その後は、普通の居酒屋を求める人たちが来店する流れだった。現在は男性も増え、客層は男女半々になったと話す。「特に終電間際の時間帯は男性客が多いですね。男性の社会人が増えて、“居酒屋化”しています」(久保木氏)。料理も社内の職人によって改良した。

今でもインスタを見た、“ひまわり目的”の来店客は一定数いる。「それはそれでトレンドとしていい。でも渋谷であってもやっぱり、常連を作ることが大事。店を長く続けるコツは渋谷に愛されて、お店に常連がいっぱいつくこと。そして常連がお客様を作ってくれること」だと久保木氏は語る。

ぐるなびからの最新情報を受け取るのはLINEが便利!
配信頻度は、週1~2回ほど。ぐるなび通信の新記事や、旬な情報が通知されて便利です!ぜひご登録ください。
「ぐるなび通信デジタル」
ご登録はこちらから

繁盛店づくりのサポートは「ぐるなび」におまかせください!
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】

世に続く人材と、カルチャーを育てる居酒屋

久保木氏は、同社にとって「大衆酒場 ひまわり」は、大黒柱の一つだと話す。基本、店舗運営は中間層の社員や店長、アルバイトに全部任せている。店を自分の店と捉えることで、常連や新規客への向き合い方が変わるからだ。

株式会社渋谷の歩き方 代表取締役 久保木 秀直 氏

「“店長が経営者の始まり”という風に話しています。間違った方向にそれていれば話をするし、真剣にやらないならいつでも辞めていいからね!とは常に言ってあります。飲食店って、やっぱめちゃくちゃ楽しくて、クリエイティブ。考えて、一生懸命働くもの。ここには“責任ある自由”がある。そんな環境なんだから楽しまなかったらつまんなくね?と」 (久保木氏)。

さらに久保木氏は同店を大黒柱と言いながら、「いつぶっ壊れてもいい」というスタンスを取る。「店は生き物。ネオ大衆酒場として売れてると言われたときと、今の“ひまわり”はだいぶ違う。ただ守り続けるという考えはありません」と話す。

同店が、将来同社に影響をもたらすような人材を育てるカルチャー醸成の場になることを願っている。「“ひまわりって特別なんだよね”と一人一人に思ってもらえる店になってほしい。各店舗もそうなっていけばいいなと思います」(久保木氏)。

挑戦と失敗を続けながら、渋谷をつくる覚悟

多店舗展開を進めていくなかで、仲間内で調子に乗り、失敗することも多々あるという。渋谷を面白くしたいという思いが先行し、経営合理性だけでは割り切れない面も少なくないと久保木氏は苦笑いする。

店舗内観。多重構造になっていて個室もある

「飲食ってとてもクリエイティブなので、会社単位でやれたらいいとは考えています。でも、見込み違いのキャスティングで、頑張りきれずに売れなかったり、それ以前に、例えば駅から遠くてエレベーターもないビルの4階の大箱の物件など、物件の見立てを誤ったりするという弊害もある。“俺たちならできるだろう”みたいな。人間なので挑戦したくなるんです」(久保木氏)。

ではその経験は今生かされているのかという問いに久保木氏は「生かされていない」と苦笑いする。

「でも挑戦しないと組織も成長していかないので、挑戦し続けたいと思う。その反面、基本的には勝たないと意味のない業界なので、やはり挑戦と撤退の線引きはしっかりしないといけないなと常日頃思っています」(久保木氏)。

渋谷は、若者が自分で考え、生み出すことによって、若者が集まる街だという。「そういう意味ではうちとしては、“ひまわり”は若い子たちでつくってもらいたい。と言っても、呑兵衛(のんべえ)たちも来るので、まさに大衆酒場。渋谷の大衆酒場の王道のようなものがやれたらいいかな」(久保木氏)。

ちょっと危なっかしくて、クリエイティブ。同社のその姿勢が渋谷という街と重なって見える。

文:高山 浩子
株式会社テンポスホールディングス 広報課所属。月刊飲食業界誌「スマイラー」の特集記事、飲食店レポートの編集・取材・執筆を主に担当。店舗運営のヒントが隠れた「面白い読み物」を届けたく、日々励んでいます。食べ盛り男子2人の母。趣味はこだわりカレー店巡り。
取材協力:大衆酒場 ひまわり
住所:東京都渋谷区道玄坂2-8-1 大和田ビルB1
https://r.gnavi.co.jp/ppea0jak0000/

■飲食業界誌「スマイラー」

“飲食店の笑顔を届ける”をコンセプトに、人物取材を通して飲食店運営の魅力を発信。全国の繁盛店の紹介から、最新の販促情報、旬な食材情報まで、様々な情報を届けている。毎月15,000部発行。飲食店の開業支援を行う「 テンポスバスターズ 」にて配布中!

「スマイラー」公式サイトはこちら!

Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!

ぐるなびによるGBP(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。

【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス

飲食店の集客や販促は「ぐるなび」におまかせください!
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ

「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。

「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!

▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ