2026/05/15 特集

営業利益率30%!中目黒「博多小皿おでんと自然薯 ちかっぱ堂」のメニュー戦略と収益の秘密

中目黒「博多小皿おでんと自然薯 ちかっぱ堂」が坪月商70万円、営業利益率30%を実現している秘密を取材。注文率ほぼ100%の「自然薯」や、手間を抑えつつ付加価値を高めた「博多おでん」のメニュー戦略、無休営業への転換など、飲食店経営者が参考にできる高収益化のノウハウを凝縮。成功を系列店に落とし込んで横展開する株式会社やる気カンパニーの独自戦略に迫る。

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自然薯と博多おでんを軸に営業利益率30%を実現!

オープンキッチンを囲むようにカウンター17席が並び、窓側と壁際にテーブル席22席、店内奥に4人収容の完全個室1つを備える

東京・中目黒駅から徒歩7分の大通り沿いに、2024年10月にオープンした「博多小皿おでんと自然薯 ちかっぱ堂」。都内に9店舗(2026年5月現在)を展開する株式会社やる気カンパニーが、新宿御苑「博多おでんと自然薯 よかよか堂」の成功を受けて、一人分を一皿ずつ盛りつけるあごだしおでんと、強い粘り気のある自然薯のすりおろしを売りにしたコンセプトを横展開して出店した。「ちかっぱ」は福岡の方言で「ものすごく」を意味し、「よかよか堂」を超えるすごい店を作ろうという意志が込められている。

【ちかっぱ堂のベースとなった繁盛店がこちら】
博多おでんと自然薯「よかよか堂」が季節を問わず大盛況なワケ

平日は30~60代の近隣住民やビジネス層を集客し、土・日曜日は20代も増える。男女比は4:6で女性がやや多く、平日夜の客単価は6,000円、土・日曜日は5,500円。19坪・43席で最高月商は1,400万円に達し、坪月商70万円を超える。原価率と人件費率はともに30%弱、家賃比率は10~15%で、営業利益率は30%と、売上だけでなく営業利益率も30%とかなりの高水準をキープしている。「ちかっぱ堂」の集客(売上)と収益性の高い店づくりの秘密について、店長の丸田 涼介 氏に話をうかがった。

【店舗Data】
博多小皿おでんと自然薯 ちかっぱ堂

業態:居酒屋
席数:43席(テーブル席、カウンター席)
客単価平均:ランチ1,300円、ディナー6,000円
客層:30~60代の地元住民やビジネス層(土・日曜日は20代も増加)。男女比は4:6
住  所:東京都目黒区青葉台1-27-10 アーベイン青葉台1F
アクセス:東京メトロ日比谷線中目黒駅西口1 徒歩7分
営業時間:11:30~14:30、17:00~23:00(土・日曜日は11:30~23:00)
定休日 :無休
https://nakameguro-tikappadou.com/
https://r.gnavi.co.jp/hkgj7b370000/map/

目次
1.【立地】家賃比率は高めも集客力を重視
2.【メニュー】集客&利益につながる「自然薯」「博多おでん」
3.【人材】外国人採用を強化して人件費率は30%弱に

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1.【立地】家賃比率は高めも集客力を重視

飲食店やビルが建ち並ぶ大通り沿いの路面店。和を感じさせる桜模様の看板と、明るいピンク色をしたのれんが目を引く

中目黒駅西口から続く大通り沿いに建つ「ちかっぱ堂」。駅からは徒歩7分程度とやや距離があるが、同じ通りには飲食店が多く建ち並び、代官山方面からの客足も見込める好立地にある。そのため、家賃比率は10~15%とやや高めとなっている。

オープン当初は月・火曜日定休の週5日営業だったが、家賃比率を下げることを狙い、系列店と同様に2025年5月から無休営業に踏み切った。その結果、売上が増加し、2025年12月には月商1,400万円を達成。「昼営業で3回転、夜営業でも3回転しています」と丸田氏は語る。

店内中央にオープンキッチンとカウンター17席が設けられていて、落ち着いた内装ながら活気も感じられる。同じ空間にテーブル席も22席あり、最大14人のグループ客にも対応。一方、奥には調理場の脇を通って入る隠し部屋のような個室を1室備え、接待や記念日利用にも重宝されている。

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2.【メニュー】集客&利益につながる「自然薯」「博多おでん」

岩塩をつけて味わう「自然薯すりたて生とろ」(638円)。15分で変色するため、注文を受けてからすりおろして提供する
  • 「黒毛和牛とセリすき焼き」(1,408円)は徳島のA5ランク阿波牛を使用。大分の蘭王たまごにつけながら、すき焼きのように食べる
  • 和牛の小腸とゴボウ、キャベツを合わせた「博多和牛もつ鍋 醤油味」(748円)。宮崎の生産者直送の自家製柚子胡椒が添えられている
  • 博多おでんで一番人気の「大根とろろこんぶ」(330円)。専用鍋で事前に仕込むためオペレーションの手間がかからず、利益率も高い
  • 大分の蘭王たまごを使用した「濃厚半熟卵と鶏手羽」(528円)。卵はあごだしと合わせたときに半熟になるよう、ゆで具合を調整している

こうした集客の要になっているのが、店名にも冠している自然薯と博多おでんだ。自然薯は全国各地の品種を食べ比べ、その中から選んだ「黄金(こがね)」を使用し、山口県の契約農家から直接仕入れている。皮ごとすりおろした「自然薯すりたて生とろ」(638円)は餅のような強い粘り気があり、見た目のインパクトも大きい。「SNSで自然薯の動画がたくさんアップされています」(丸田氏)といい、SNSでの拡散、メニュー表での目立つ掲載やサジェストの効果から、ほぼ100%の注文率を誇る。原価率も低めで、集客のフックとなり利益も出る最強メニューだ。

オリジナルの博多おでんはあごだしベースで、1人分を一皿ずつ提供するスタイルが特徴。固定12種、季節限定で10種弱を用意し、大根にとろろ昆布をのせた「大根とろろこんぶ」(330円)のほか、「博多和牛もつ鍋 醤油味」(748円)、「黒毛和牛とセリすき焼き」(1,408円)など独創的なタネで他店との差別化に成功している。器にもこだわり、すべて有田焼を使用。「オープン時に食器に600万円を投資しました」(丸田氏)といい、華やかな器で付加価値を与えている。食材原価率はメニューにより異なるが、博多おでん以外も含む全体で30%弱となっている。

また、ドリンクはビールや焼酎、クラフトジンなど幅広く用意し、特に日本酒とワインは希少銘柄を含む各30種程度を取りそろえ、お酒にこだわるアッパー層にもアプローチ。平日はドリンクの売上比率が4割を占める。

  • 豚焼売、海老焼売、錦糸卵をまとわせた鶏焼売、イカスミ焼売を盛り合わせた「焼売4種盛り」(1,441円)。仕込みであらかじめ包んでおくため、蒸すだけですぐに提供できる
  • 長崎の五島列島から取り寄せた「冷 五島うどん」(1,408円)。温かいうどんも選べ、締めの一品としてや子ども連れに好評
  • 昼営業では1,300円~のランチメニューを設け、近隣の会社員でにぎわう。汁物と五島うどんからメインを選べ、さらに好きなおかずを選択できる
  • オープンキッチンに並んだ器。博多おでんは美しい有田焼の器に盛って提供され、付加価値をつけることで利益アップにつながっている
日本酒は福岡をはじめ全国各地の約30銘柄を取りそろえ、グラス(半合)858円~。「十四代」や「而今」といったプレミア銘柄も扱っている
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3.【人材】外国人採用を強化して人件費率は30%弱に

株式会社やる気カンパニーが運営する店舗共通のアプリ。登録・来店するとポイントが貯まり、割引や1品サービスなどの特典を受けられる

スタッフはホール2人、キッチン4人で構成し、人件費率は30%弱。ホールスタッフは社員、キッチンスタッフは外国人技能実習制度とリファラル採用を活用してミャンマーからの実習生を採用し人材を確保している。

「おいしいものは日本のどこでも食べられるので、差をつけるためにはホスピタリティーが重要。例えば入店やお見送りのときには笑顔でお声がけするよう、スタッフ全員で意識を高めています」と丸田氏は語る。

販促については、オープン当初はインフルエンサーを活用して認知を拡大。現在は店舗のInstagramを丸田氏が毎日更新、GBPは本社スタッフが担当して情報を発信している。系列店共通のアプリもあり、来店ごとにポイントを貯めるとドリンクが割引になるなど、お得なサービスで再来店を促している。

「駅から少し離れているので、今後はご近所様や近隣の会社にお勤めの方々のリピーターをより増やすことが課題」と丸田氏。ホスピタリティの向上に注力し、リピーターを獲得したいと考えている。

また、2026年4月には池尻大橋に新店「博多小皿鉄板BEPPIN」をオープン。年内中にさらに3店舗展開する予定のほか、6月にはマレーシア・クアラルンプールで焼き肉・焼き鳥業態の2店舗を開業するなど、攻勢を続けている。

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店長 丸田 涼介氏
プロボクサーとして活躍し、建設業や運送業にも従事。「お客様に直接関わる仕事でやりがいを感じたい」と株式会社やる気カンパニーに入社し、未経験から飲食の世界に飛び込んだ。「博多小皿鉄板 べっぴんしゃん」などの系列店に勤務し、2025年1月に「ちかっぱ堂」の店長に就任。

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