2011/09/20 特集

顧客満足度を高める!ライティングのこだわり(2ページ目)

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アンティークのライトが彩る店内 やすらぎの空間がリピーター獲得に直結

トラットリア メリメロ 【鹿児島・天文館】

ペンダントライトをランダムに配した1階フロア。様々な形やカラーバリエーションで、無国籍な雰囲気を作る

苦労して買い付けたライトで唯一無二の店舗を創造

古民家の基礎を活かし、アメリカやヨーロッパで実際に使われていた建材や小物を駆使して作られた、一軒家スタイルのトラットリア。アンティークの柄タイルと、草花のグリーンが彩る2階テラス、中古のものにさらにエイジング加工をしたガラス窓や家具。どこか懐かしい異空間は、長居する女性客が多いというのもうなずける。

「天井からランダムに吊るされるペンダントライトは、非日常空間を演出する、特に重要なアイテムです」と言うのは、経営母体のデイジーワールド、ゼネラルマネージャーの川原優也氏。なるほど、赤、青、黄などの様々なカラーリングで、切り子やステンドグラス、細いチューブ状のアクリルを巻いた「スパゲティ」など、様々な製法のライトが、訪れた客を多彩な光で魅了。独特の空間を印象づけている。

「ペンダントライトは、60~70年代のアメリカ製が中心です。5~10ワットと暗めの電球を選び、やわらかな光でやすらぎの空間演出をしています。また、赤いランプに青い電球を入れることで、グラデーションの変化を付けることもあります」と川原氏。壁面に鏡を多用し、ライトや光の映り込みを狙ったのも、効果的なテクニックとなっている。また、店舗全体の調光は、一括して1階で管理。ランチ、ディナー、バータイムといった具合に、時間帯で明るさの調節を行なっている。店舗設計・施工も手がける同社では、建材や小物は直接海外で買い付け、船便で日本へ送る仕入れスタイル。ライトにも、蚤の市や骨董店で見つけたもののほか、個人所有者に直接交渉で譲り受けたものが混在するという。「ガラスやアクリル製の古いライトは繊細な品だけに、長期間の輸送中に壊れてしまうことも多いのが悩みのタネですね」と川原氏。それでも結果的には、“非日常空間”に魅力を感じ、来店していただけることや、唯一無二の店を作り上げてきた手応えが、苦労に勝った。

「女性客を中心に、着実にリピーター獲得につなげ、姉妹店共々、店のファンが増えているのが、その答えです」と自信を深める。

2階にも多数のペンダントライトを使用。テーブルやチェアは特注の品だ
1階のカウンター前。ガラス製ぶどうのオブジェと共に
2階の一部の壁には、窓を使って作ったディスプレイスペースがある。カラフルなライトを使い、アクセサリー類やオブジェを設置
トイレのライトは、季節ごとに寒色・暖色を意識してチェンジする
ペンダントライトは60~70年代のアメリカ製のアンティークが中心。5~10ワットの電球を使っている
デザインや細工は、シンプルなものから複雑なものまで千差万別
店長
林田和生氏ホテルのフレンチレストランでの修業を経て、店長に就任。姉妹店を含む全店舗のメニュー開発と料理監修を担当し、「メリメロ」のファンはもちろん、系列全店のファン獲得を目指している。
トラットリア
メリメロ
鹿児島県鹿児島市東千石町7-1
http://r.gnavi.co.jp/f616100/鹿児島一の繁華街・天文館にある一軒家レストラン。イタリア料理をベースにフランス、スペインの料理をリーズナブルな価格で提供。凝った空間設計やインテリアも好評で、20代の女性を中心に、女子会の利用にも大人気。

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