LED全面採用で、大幅節電に成功! 看板料理の魅力アップなど付加価値も
大名やぶれかぶれ 渡辺通り店【福岡・薬院】
時代の変化への対応を試行錯誤の末に敢行
今年6月、店内照明の9割以上を一斉にLED電球に交換した「大名やぶれかぶれ」の渡辺通り店。「開店した8年前は、隠れ家的な居酒屋が人気で、当店もほの暗い照明にしてきました。しかし、時代のニーズが少しずつ変化し、居酒屋にも明るさが求められているのではと、かねてから感じていたのです。LEDにすれば、電気料金の大幅な節約になるという試算もありました」。店長の上田真悟氏は振り返る。
しかし、事はそう簡単には運ばなかった。同店の内装はデザイン性が高く、照明にも凝っていて、エントランス、座敷席、カウンター、個室など、空間によって大きさもワット数も異なる種類の電球が使用されていたからだ。「市販ではほとんど見かけない特殊な電球もありましたから、それらをすべてLED仕様に置き換えるのに苦労しました。費用を抑えるため、業者には頼まず、すべて自力でLEDへの変更を敢行しました」と上田氏。
その結果、工事費はゼロ。電球代金として約16万円かかったが、7月の電気料金は昨年比約44,000円減になり、3カ月半で回収できる計算だ。LEDの長寿命も考えると、コストパフォーマンスは非常に高いといえる。
また、雰囲気が変わった店内に対する客の評判も上々。LEDに切り替えた初日、常連客は「明るくていいね!」と歓迎の笑顔だったという。「うれしかったのは、明るくなったことで、当店の看板料理である呼子直送のイカの活き造りの鮮度が、ひと目で伝わるようになったことです。透明なイカの身が輝くのを見て、感激するお客さんも少なくありません」と上田氏は顔をほころばせる。その他、刺身の見栄えがよくなったり、スタッフからは動きやすくなったと好評だったり、予想以上の付加価値も生まれている。
今後は残り1割の照明もLEDに替え、「九州から日本を明るくする」意気込みで、さらなる発展を目指している。
上田真悟氏料理人として修業を積み、8年前の渡辺通り店開店に伴って店長に就任し、現在に至る。職人としての経験を、厨房と客を結ぶ要のポジションで発揮し、さらなる顧客満足度の向上を目指す。
渡辺通り店
福岡県福岡市中央区渡辺通2-9-1
http://r.gnavi.co.jp/f476501/有名企業が多いオフィス街の一画に、2003年にオープン。個室・半個室・カウンター、それぞれバリエーションが豊富で、ひとり飲みから80人規模の宴会まで、あらゆるシーンに応えられる空間が売り。