2018/11/27 特集

清潔で快適な空間を! トイレのお掃除大作戦(2ページ目)

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Part 2すぐできる小さな気遣い 利用者目線で「おもてなし」

使う人の身になって、一番大事なことを考えよう

「トイレでのおもてなしとは、使う人の身になること」と白倉氏。例えば、高速道路のインターチェンジのトイレなどでは、ドアに「お忘れ物はございませんか?」という貼り紙をよく目にする。「高速道路は逆走できないので、忘れ物をすると大ごとになります。この貼り紙は、高速道路のトイレを使う人の立場に立ったアイデア」と、白倉氏は高く評価する。つまり「おもてなし」とは、使う人にとって大切なモノやコトを届けることにほかならない。そうした観点から、店のトイレを見直してみることも大切だ。

白倉氏は、今後の飲食店のトイレに必要な視点の1つとして、「外国人にとっての使いやすさ」をあげる。訪日外国人数が年々増えるなか、日本のトイレの使い方がわからず、戸惑う外国人は少なくない。「代表的な間違いが、①お尻を拭いた紙をゴミ箱に入れる②和式便器の前後を逆に座る ③洋式便器で座位にならず、便座の上に足ごと乗ってしゃがんでしまう ④水を流さないの4つ。結果、トイレを汚されたり壊されたりして、頭をかかえる飲食店も多い」(白倉氏)。ならば、外国人がスムーズに使えるようにイラストなどを工夫し、目立つように貼ることは、何よりの「おもてなし」になるのでは。しかも、「この視点は日本人にも有効。現代のトイレはハイテクすぎて、戸惑う人もいます。水の流し方に手間取って、なかなかトイレから出られず、列ができる例もあると聞きます」(白倉氏)。使う人の身になれば、これらの解消こそ優先事項と言えるだろう。

もちろん、アメニティを充実させたり、インテリアやデザインでホッとする空間を創出するのも「おもてなし」。ちょっとした遊び心を取り入れて、おもてなしの心を表してみるのも一案だ。

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