2019/03/19 特集

こだわりとおいしさをアピール! ファン獲得につながる食べ比べ&飲み比べ

来店客が自分の好みを探したり、違いを楽しむことで、店をより深く知ってもらうことができる“食べ比べ”と“飲み比べ”。おいしさだけでなく、店のこだわりを伝え、ファン獲得につなげている事例を紹介する。

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店のコンセプトとなる味噌の違いを体験しながら、選ぶ楽しみも提案!

【京都・四条烏丸】Feliz-團斗 malto 高倉仏光寺

野菜を中心に旬の食材に3種の味噌を付けて違いを楽しむ「御味噌の食べ比べ」。❶徳島産畑名みそ、❷山口産大島みそ、❸新潟産杉田みそ。出汁(左上の白いカップ)も一緒に提供し、残った味噌に注いで味噌汁として味わうことをおすすめしている

多種類の日本酒とビールも飲み比べで売りの1つに

 京都市内中心部の四条通からすぐの場所に、2018年3月にオープンした和食店。町家を高級感のある空間に改装し、40~50代のビジネス層や女性、観光客などを獲得している。

 「一般的な和食店ではなく、何かに特化した業態にしたかった」と語るのは、株式会社TD-MOVE取締役の供川浩康氏。そこで着目したのが味噌だった。「発酵食品は体によいため、“おいしさと健康”をテーマに、店づくりをしようと考えました」(供川氏)。味噌は、全国から十数種を厳選。そこから3種を盛った「御味噌の食べ比べ」をアラカルトでは付き出しとして、コースでは1品目として提供する。「3種の味噌は、はっきり味の違いがわかるものを選んでいます」と供川氏。また、コースの場合は来店客に3種の中から好きなものを1つ選んでもらい、蒸し料理にも使って供する。「食べ比べのときに『後で好みを聞きますよ』とお伝えすると、より興味を持って味わっていただけます」(供川氏)。

「厳選日本酒三種 飲み比べ」では、注文時に「辛口」「すっきりとしたもの」など味の好みを客から聞いて、店が選んで提供する
日本酒は供川氏が厳選。希少銘柄が入ることもある。飲み比べでは、飲んだことのない酒を飲める体験も売りとなっている

 また、ドリンクでも比べる楽しさを提案。「厳選日本酒三種 飲み比べ」(1782円)は注文時に好みを聞き、供川氏が銘柄を選ぶ。また、ビールではラインナップしているクラフトビールを「クラフト四種 飲み比べ」(1782円)として提供。グループでシェアしながら、楽しむ姿も見られるという。

クラフトビールは、味わいの違いが楽しめるよう(左から)「グランドキリン」「デイドリーム」「ジャズベリー」「東京IPA」の4種を用意

 今後は、味噌の食べ比べをさらにブラッシュアップし、味噌を使った土産品なども開発していく予定だ。

Feliz-團斗 malto 高倉仏光寺
https://r.gnavi.co.jp/ee0u5hdc0000/
京都市下京区高倉通仏光寺上ル西前町377-1
町家を改装した趣のある店内。1階はカウンター席と個室、2階は畳敷きの個室を2部屋備える。コースは2~3カ月ごとに内容を変更し、付き出しの味噌も入れ替えている。
株式会社TD-MOVE 取締役 供川(ともかわ)浩康氏
割烹寿司店や創作和食店に勤務後、2014年に独立し、イタリア料理店を出店。近隣で物件を見つけ、念願の和食店を出店した。

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