2020/04/21 特集

シメに、つまみに、主役もOK!料理界の華麗なるオールマイティ 名物カレーメニュー(3ページ目)

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強火でサッと炒めるだけ! 2分ほどで完成するオリジナルの“中華カレー”

横浜中華街 北京飯店(神奈川・横浜)

牛ヒレ肉の中華カレーライス 1,650円

質の良いヒレ肉は煮込むと硬くなってしまうため、強火で短時間火を入れる。「鶏肉の中華カレーライス」(1320円)もある

HOW TO COOKING!

牛ヒレ肉とタマネギを高温の油にさっとくぐらせ油通しをする

丸鶏を5~6時間煮込む自家製チキンスープ(写真左)、ニンニク、カレー粉を炒め合わせる

塩や醤油などで味を整え、片栗粉でとろみづけ。約2分で完成!

横浜創業当時から愛される常連や一人客に人気の名物

 神奈川・横浜中華街の入口の1つ、朝陽門の横に位置する「北京飯店」は、1955年に東京・新橋でスタートし、約60年前に横浜中華街に出店した。「今でこそ数百軒がしのぎを削る中華街ですが、当時の本格中国料理店の数はわずか6~7店舗ほど。周辺には大使館や領事館が集まり、お客様は外国人が中心でした」と話すのは、元料理長の西井昭氏。「当時、すぐそばにインド商人のための商館“インド屋敷”があり、インド人の常連が多かった。『牛ヒレ肉の中華カレーライス』も、彼らの『カレーが食べたい』というリクエストによって考案したものです」と振り返る。

 「名前はカレーライスだが、どちらかというと〝カレーうま煮ライス.に近い」(西井氏)というこの一品は、もともと新橋時代から提供していた、「牛ヒレ肉のカレー炒め」(3080円)をベースにアレンジを加えたもので、材料は牛ヒレ肉とタマネギのみと至ってシンプル。油通しをして素早く火を入れた肉とタマネギを、ニンニク、カレー粉、自家製チキンスープと炒め合わせ、調味料で味を整える。最後に片栗粉でとろみをつけ、わずか2分弱で完成だ。味の決め手となるのは、丸鶏を5~6時間煮込んで出汁をとる自慢の自家製チキンスープ。毎朝その日に使う分を仕込み、麺類や店で提供する様々な料理に使用している。

 3代目常務夫人の王子惠真氏は、「気軽に注文できるので、昼夜を問わずお一人様に好評。お肉が柔らかいので年配の方でも食べやすく、辛さ控えめでお子様にも人気です」と話す。また、5年前から、TV番組で紹介されると“中華なのにカレー”という意外性が話題となり、急速に知名度がアップ。これを目当てに訪れる新たな客層の獲得につながった。「コースのシメはチャーハンが人気ですが、このカレーに変更する常連の方も多いです」と王子氏。新規・リピーターを問わず惹きつける「ここでしか食べられないメニュー」として、店のファンを増やし続けている。

横浜中華街 北京飯店(神奈川・横浜)
神奈川県横浜市中区山下町79-5 朝陽門
https://r.gnavi.co.jp/f6te70770000/
「北京ダック」(4枚4,400円~)といった本格宮廷料理から、豊富な麺飯類まで幅広い中国料理を提供。客層は、観光客と地元客が半々で、親子3代にわたって利用する常連も少なくない。
西井 昭氏(右) 王子 惠真氏(左)
元料理長の西井氏は、1960年の横浜中華街店創業当初から勤め、現役を退いた今も陰ながら店を支える。王子氏は店の運営・広報を務める傍ら、中華街の発展に努めるコンシェルジュとしても活動している。

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