目次
・韓国酒場をテーマに新業態を開発。海外に行きたいニーズとも合致
・【POINT1】専用鍋で作る「ヒョンチャンプルコギ」が人気!タレの味わいも追及
・【POINT2】韓国の屋台をイメージした空間で非日常感を演出
・【POINT3】オープン前からInstagramで情報を発信し、フォロワーを獲得!
韓国酒場をテーマに新業態を開発。海外に行きたいニーズとも合致
広島県広島市中区紙屋町1-4-5
https://r.gnavi.co.jp/h4kr0g4f0000/
大型商業施設が集まる広島の繁華街・紙屋町。その飲食店が建ち並ぶ通りに、2021年7月にオープンした「韓国屋台料理とプルコギ専門店 ヒョンチャンプルコギ」。ソウル式のプルコギ「ヒョンチャンプルコギ」を看板に据えて約100種の韓国料理を提供する。メインターゲットを20代後半~30代の女性としながら、高校生から20代前半の若い層も取り込み、60坪100席で月商約1,600万円を売り上げている。
広島県内で焼き肉店などを経営する株式会社グラットンの新業態で、コンセプトは本場・韓国の空気感を味わえる韓国酒場。「コロナ禍で韓国旅行ができない中、気軽に韓国の味や空気感を楽しんでほしいと考え、本場感を追求しました」と飲食事業部副部長・秦勇太氏は語る。
【POINT1】専用鍋で作る「ヒョンチャンプルコギ」が人気!タレの味わいも追及
看板メニューは「ヒョンチャンプルコギ」(1人前1,649円)。日本でプルコギというと、肉と野菜を甘辛く炒めた料理というイメージが強いが、同店では専用鍋を使い、目の前で調理するソウル式のプルコギを提供している。「広島県内でソウル式のプルコギを提供しているところがなく、目新しさを狙いました」と秦氏。もともと自社工場で韓国調味料などの食品加工を行っているという強みを生かし、肉を漬け込むタレを一から開発。15種の材料をブレンドし、オープン以降も果物を加えたり、甘みを変えたりと、改良を重ねて甘辛いコクのある味わいにたどり着いた。「ターゲットとしている20代後半以降の女性は、韓国が好きな人も多く、舌も肥えています。全て手作りなので手間はかかりますが、そういった人にも満足していただけるよう、本格的な味にこだわっています」と秦氏は話す。
そのほか、冷凍せずに生の豚肉を使った「サムギョプサル」(2人前2,859円)も人気。また一品料理を充実させ、「マンドゥ(韓国餃子)」(1個179円~)など韓国の屋台料理を中心にラインナップ。中でも「チキン」(1本219円)は、辛みが効いたスパイシーな「ヒョンチャンチキン」などフレイバーを5種用意し、月に約2,000本を販売。メニューを約100種そろえたことで、食事利用も居酒屋利用もできる使い勝手の良さも受けており、「メニュー数の多さは武器の1つ」と秦氏は分析する。
【POINT2】韓国の屋台をイメージした空間で非日常感を演出
バラエティー豊かな韓国料理に加え、本場感が感じられるようこだわっているのが、韓国の屋台をイメージした空間だ。店内にはハングルの看板や現地の写真が所狭しと飾られ、まるで韓国にいるかのような気分が味わえる。装飾はオリジナルで作成し、わざとエイジング加工をして古びた大衆感を演出。徹底した雰囲気づくりが非日常感を生み出し、「皆さん写真をたくさん撮影されています」と秦氏は話す。
【POINT3】オープン前からInstagramで情報を発信し、フォロワーを獲得!
そうして撮影された写真がSNSで拡散され、認知度アップに効果を発揮している。Instagramにはオープン前から注力。料理は鮮やかさやシズル感を意識して開発するとともに、売りのメニューや店内の様子など積極的に発信。「オープン時にはすでに1,000人ほどのフォロワーがいる状態で、現在は1,600人ほどに増えています」(秦氏)。また、遊び心のあるオリジナルキャラクターを作成し、メニューブックやグラス、紙エプロンなどにプリント。来店客が撮影してSNSへ投稿したくなるような仕掛けづくりも行っている。
こうした料理や空間のこだわりやSNSでの情報の拡散が集客につながり、平日は100~120人、休日は約230人が来店。10月は約1,650万円、11月は約1,500万円を売り上げる繁盛店に成長。「何度もリピートする人や韓国の方の来店も多く、本場感が伝わっているのだと感じています」と秦氏は自信を見せる。
12月には広島市内に2号店をオープン。「流行は意識しながらも時流に流されず、料理や空間、接客のクオリティーを追求しながら展開していきたい」(秦氏)と、今後も新規出店を計画している。